コンサル転職後に驚いたこと・事業会社出身者の声

コンサルティングファームは事業会社と比べて、文化や仕事の仕方に違いがあるため、事業会社出身者は驚くことも多いものです。

そこで、過去に転職を支援した方々にインタビューを実施。
事業会社からコンサルティングファームに転職して「びっくりしたこと」や「辛いと感じたこと」について聞いてみました。

※年代は入社時

【目次】

  1. コンサルティング会社でびっくりしたことは?「さん」付け/お昼ごはん/会社に行かない
  2. 未経験からコンサルタントになって辛かったことは?PowerPoint・Excel・ACCESS/英語/年齢
  3. パートナー曰く、「振り返ってみれば、そんな事もあったなぁ」

コンサルティング会社でびっくりしたことは?

「さん」付け

大手製造業から転職したAさん(20代後半)

一番びっくりしたのは、「さん」付け。最初にシニアマネージャーから、「Aさん」と呼ばれたときは驚きました。

前職では部下は呼び捨てされるのが普通、たまに君付けする先輩がいるくらい。もっと驚いたのは、同じシニアマネージャーに敬語で質問されたとき。

私が強みを持つ領域についての質問でした。ただ敬語で上司が話しかけてくることは、前職では考えられなかったので、最初はとても違和感がありました。

お昼ごはん

大手金融機関から転職したBさん(30代前半)

前職では必ず、部の先輩・同僚と昼食をとっていました。昼の時間になると先輩からなんとなく誘われ、毎回部のメンバー5人位と昼食。

現在でも、仲間と昼食をとることもあります。ただ基本的に自分の時間軸で仕事をするので、自分でスケジュールを組み立てて1人で昼食。

時間は11:00の日もあれば15:00の日も。忙しければサンドイッチ片手に仕事しながら昼食ということも。最初はびっくりしました。

会社に行かない

大手通信業界から転職したCさん(20代中頃)

成果を出していれば会社に行かなくてもいい文化に驚きました。

プロセスではなく成果が求められているので、仕事する場所は自由で、机もない。今流行のノマドワーカーのように、電源のある喫茶店にやたら詳しくなりました(笑)。

その他、
「社長とも普通に会話」
「上司・先輩にも言いたいことは言う」
などカルチャーで“びっくり”した方が多かったですね。
カルチャーギャップと同時に、プロ意識が高くなるので、良くも悪くも緊張感があるそうです。

未経験からコンサルタントになって辛かったこと

PowerPoint/Excel/ACCESS……

中堅のシステムインテグレーターから転職してきたDさん(30代前)

ITコンサルタントへの転身であったため、前職のスキルセットを活かせるポジションですが、PowerPointで躓いてしまいました。

SE時代もPowerPointは活用していましたが、求められる品質の高さに愕然としました。

「この矢印は何でこの大きさにしたの?」

「何でこの色を使っているの?」

「スライド一枚で何分話す計算している?」

マネージャーのレビューで、ほぼ全てやり直し。3回続けて全部やり直しになった段階で、流石に心が折れそうになりました。自分より若いアナリスト、コンサルタントクラスは問題なくOKをもらっているのに……。

ITツールは慣れれば問題なく使えますので、時間が解決してくれる場合がほとんどです。
ただコンサルタントとして基礎中の基礎で躓いたのは辛かったそうです。
他にもExcelの関数・ピボットやACCESSで苦労した方も多いですね。

英語

専門商社から転職してきたEさん(20代後半)

TOEICスコア850で英語には自信がありましたが、電話会議で全く話についていけず。

コンサルタントのコミュニケーションスキルを英語で求められたのが要因です。今まで自信があった英語がボトルネックになってしまい自信喪失……。

現在は慣れてしまったので問題ありませんが、最初はやはり大変でした。

年齢

インターネットベンチャー企業から転職したFさん(30代前半)

前職では企画部門のマネージャーとして、事業企画の立案に加え若手の育成・教育、また会社経営にも関わってきました。

「経営のスキルを高め、さまざまな企業の経営アジェンダを解決したい」
という志望理由で戦略コンサルティングファームへ転職。
かつての部下と同年代の新卒入社組のコンサルタントが、自分と同じタイトルで圧倒的なアウトプットを出しているという状況に愕然としました。

自分はコンサル未経験のため、コンサルタント業務に慣れておらずプロジェクトの足手まといに……。年齢は気にしないつもりで入社したものの、やはり情けない思いをしました。

プライベートの時間が想像以上になくなる

日系電機メーカーから転職したGさん(20代後半)

私が所属していた総合系のコンサルファームはフリーアドレスで、それぞれがノートPCを持たされるので、極論どこでも作業ができる体制になっていました。

本来はあくまで席を自由に移動できるようにするためのフリーアドレスだったのですが、このシステムは「プライベートがほとんどなくなる」という別方向の弊害をもたらしていました。

ノートPCは当然日々家に持ち帰るため、夜間であろうと土日であろうと関係なく作業ができる環境となります。PCは社内のネットワークにどこからでも簡単にアクセスする構造になってましたから。そうするとプロジェクトメンバーは夜中だろうと土日だろうとすぐにPCにアクセスすることを期待して連絡や作業指示を出してきます。

コンサル同士のやり取りを見て、やがてクライアントも同じように行動するように。すなわち本来であれば業務時間外や休日となるべき時間帯でもノートPCを開いてすぐに対応するのが「当たり前」の労働環境となりました。

毎日深夜に作業指示が来る訳ではなく、実労働時間を積み上げると残業時間は月平均にすれば60時間程度など、当時のコンサルファームとしては極端に多いわけではありませんでした。

しかし「何か来ているかもしれない」と考えてメールチェックを常にするのが当然となっている労働環境は、実際の残業時間よりも大幅にプライベートの時間を削っていました。休日の予定を制限する部分も多かったので、大きなストレスになったのは確かです。

人材の流動性の激しさ

PEファンドから転職したHさん(30代前半)

私は外資系企業も含めていくつかの企業を経験してきましたが、人材の流動性に関してはコンサルが群を抜いていて、とても驚きでした。私が所属していたコンサルファームは総合系で規模も大きく、日本国内だけでも数千人のコンサルタントが在籍していました。

私が入社する時と同月の入社社員は50人近くいました。その月が特別多いと言うわけではないそうなので、仮にそれがコンスタントに継続されるのであれば、毎年500人以上が中途で入ってくる計算になります。

ずいぶん大量に転職者が入ってくるのだな、と思っていたのですが、驚いたのは退職のペースで、そこから数ヶ月のうちにみるみる同月入社の同僚がいなくなって行きました。

どうも自分に合ったプロジェクトが見つからなかったり、短期間でリリースされて早くも降格のリスクに見舞われたり(ちなみに昇格・降格は四半期ごとに査定がありました)、逆にさらに評価の高い戦略系コンサルにあっさり受かったりと、様々な理由で短期間のうちにそのコンサルファームを去っていったようなのです。

外資だから・・・とも当時は考えたのですが、同じ外資系でも運用会社や、知人が勤める投資銀行では流石にそこまで極端に人の出入りはありませんでした。したがってこれはコンサルファームの特性なのだろうと感じています。

キャッチアップは本当に自分でなんとかするしかない

メガベンチャーから転職したIさん(20代前半)

コンサルファームでは多種多様なプロジェクトが走っていて、最初はその中の一つに突然アサインされます。正直理想的なキャリアの築き方としては、入社前から自分のスキルセットを整理して、パートナーとランチなどを通じてコミュニケーションをとり、最適なアサイン先を調整していくのが良いのだと思います。

しかしコンサル外から転職するとそのようなテクニックもよくわからず、アサイン先の目処も立たないまま入社を迎える私のような人間は苦労します。私の場合は金融系の知見を活かす体で入社したのですが、アサイン先は金融システムの導入案件で、必要な知見はITプロジェクトの進め方やシステムに関する知見でした。

私にその領域の知見は一切なかったのですが、周りのチームメンバーが助けてくれることは全くありません。というか、おそらくチームメンバーはチームメンバーで「スキルマッチしていること」を前提としてメンバーと付き合うため、組織として教育したりキャッチアップを手助けする風土はほとんどありませんでした。

私の力不足もありそのような状況ではプロジェクトの勘所を掴むのすらままならず、しかもアサインされて2週間後にはバリューが出ていないことについて批判を受けるようになり、結局何もできずに3ヶ月でリリースされました。

ここで得た教訓としては、まず、キャッチアップは自分でなんとかするしかないということと、一からキャッチアップするとなれば自分にとって馴染みのある領域でなければ始まらないということです。

当時はなんとか入社後最初のプロジェクトアサインを決めようと必死になっていましたが、それ以上にスキルセットがマッチしていることが何より重要なのだと痛感しました。

ミーティングに対する姿勢が圧倒的にシビア

大手ベンダーから転職したJさん(20代前半)

コンサルは顧客に対する助言や課題解決を対価にフィーを徴収するサービスです。そのため、プロジェクトが走り始めれば一つ一つのミーティングにおける対応や発言それぞれがフィーの対価の一部をなすと言っても過言ではありません。

そのためか、ミーティングにおける準備やミーティングのファシリテーション、ミーティング後の議事録作成などについてはいずれも極めて高いレベルが求められます。もちろん私自身前職も含めて気を抜いていたつもりは一切ないのですが、一定のスキルを備えていなければどんなに本気で取り組んでも満足な品質には至りません。

当時の私はアソシエイトクラスでしたが、週1〜2回ほど行われる会議に向けてほぼ常に次の会議の資料を作成し続ける毎日でした。資料それぞれミスがないのはもちろんのこと、会議の行程と合っているか、構成や説明内容が論理的かなど、作成時間が限られているにも関わらず厳しくチェックされる毎日でした。

顧客とのミーティングの場になると、進行するのはマネージャークラスの役目でしたが、比較的マネージャーが若かったその時のプロジェクトでは、マネージャーはマネージャーで会議の進め方について、ディレクタークラスと細かくチェックしていて、ミーティングで少しでも議論が停滞したり空転するようなタイミングがあると、終わった後は長時間の反省会を行なっていたようでした。

私は私で、ミーティングの場では議事録をとる役割を担うのですが、この議事録がコンサルプロジェクトにおいては成果物の一部を形成します。

私はコンサルファーム以外において会議の議事録やメモ取りについては褒められたことはあっても批判されることはなかったのですが、コンサルプロジェクトにおいては毎回マネージャーからの大幅な議事録の修正があるのが常でした。どれだけ録音を聞き返しても、評価される議事録を作れたことは最後までありませんでした。

コンサルファームにおける議事録の重要性は他とは一線を画しており、ファームで議事録の作り方の研修が頻繁に開催されていて、何度も参加させられました。相当本気で取り組んだのですが、それでも私の議事録がポジティブな評価を得ることはありませんでした。

このように資料準備、ミーティングの進行から議事録の提供まで極めて高い品質を求められるのが、コンサルファームの特徴であり、金融から来た私にとっては驚きでした。

駐在を伴うためロケーションは非常に流動的

Tech系スタートアップから転職したKさん(30代後半)

私のオフィスは東京にありますし、日本国内にはサテライトオフィスはわずかです。一方で比較的大きなファームだったため全国各地にクライアントがいました。

地方の案件になると駐在して対応する案件も多いのですが、その度に転勤するわけにも行かないため、頻繁に遠方に出向く案件もあります。私の場合は一時、製造業でのデータ分析をおこなうプロジェクトにおいて、週3日名古屋で客先駐在、残りが東京という生活を行っていました。

残り2日にもプロジェクトが入ればより評価も上がったのでしょうが、当時のバリューでは2日は案件がない状況で、研修を受けるなどしていました。

毎週出張が継続する状況でしたが、これは珍しいことではありません。ちなみに名古屋での3日間はホテルを借りて生活していました。半ホテル暮らしみたいで正直楽しかったのは確かです。

ディレクタークラスになると参画する案件数も増えてくるため、さらに状況はエスカレートして、1週間のスケジュールが大阪→名古屋→東京→大阪となっているような人もいました。ちなみに本拠地はあくまで東京です。ホテル代が相当かかりそうだなと横目に見ていました。もちろん会社が出してくれるので不要な心配ではありますけどね。

アジア諸国など移動に手間がかからない距離なら、週内でこれを日本と外国(中国・シンガポールなど)でやる人もいると噂で聞いたことはありますが、実際には見たことがありません。パートナークラスだとありえるのでしょうか。

人脈形成のスキルが非常に重要になる

大手商社から転職したLさん(20代後半)

外資系企業はどこも人脈形成が重要になります。ハイクラスな案件であれば自ずからチャンスは限定されますし、解雇されてしまった時や転職したいときなどは、知人や先輩などのつてでネクストキャリアを開拓する人も少なくありません。

しかしコンサルファームにおける人脈形成は生きていくための基本動作と言っても過言ではありません。まず、プロジェクトベースで仕事をして行くため、組織で人を育てる風土は一切ありません。プロジェクトで役に立たなければ切られますし、切られた後は自分でプロジェクトを見つけなければどんどん評価が下がります。

そのため、スキルアップするにしてもアドバイスをもらうにしても、そもそも評価を底上げしてプロジェクトにアサインされ続けるためにも、同僚や署先輩方と良好な人間関係を築いていくことが欠かせないのです。コンサルファームでは身内の立食パーティーが頻繁に開催されます。

ほとんどが自由参加ですが、そこで積極的に他のコンサルタントと交流し、いざという時に使ってもらったり、アドバイスしてもらったりできるように準備しなければなりません。

国内外にかかわらず上下関係が固定されている組織が存在すれば、それだけで人を育てたり、人間関係を維持しようとするバイアスが働きます。外資になれば多少は弱まるものの、それでも部下を簡単におろそかにはできず、仕事を進める上で必要なレベルのコミュニケーションが取れる関係性が自然と構築されます。

一方で、プロジェクト単位で動くコンサルファームでは、常にかりそめのチームで動くわけですし、協働できないメンバーは切られるだけなので、このようなバイアスはかかりません。だからこそ、能動的に人間関係を構築していかなければ、自分のキャリアにつながる人脈は一切形成されず、転職はおろかそのファームでの活躍も見込めません。

パートナー曰く「振り返ってみれば、そんな事もあったなぁ」

実は上記の証言者たちは、全員が着実にキャリアを積み、マネージャー以上に昇進されている方です。
中にはパートナー(役員)就任直前の方もいらっしゃいます。

皆さん、入社当時は前職とのギャップで慣れなかったり、躓いてしまったりと苦労されています。

ただ、目の前の仕事から逃げずに取り組んだ結果、コンサルタントとして独り立ちできるようになったのです。

  • 「苦労を乗り越えた人ほどコンサルタントらしくなる」
  • 「当時は物凄く大変だったと思うけど、振り返ってみれば“そんなこともあったなぁ”というくらい」
  • 「炎上プロジェクトを更に炎上させてしまったのは、今では良い思い出」

などコメントもさまざま。

こういった情報がこれからコンサルタントを目指す方、コンサルタントとして働く方の参考になりましたら幸いです。

また、事業会社からコンサルへ転職した後のキャリアアップについて事例を紹介しております。ぜひ下記の記事も併せてご覧ください。

「事業会社企画職→日系コンサル→外資コンサルとステップアップしたキャリア事例」

「金融営業からベンチャーSE、SIerを経て国内大手コンサルティング会社のマネージャーまでキャリアアップした事例。」

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>コンサルタントへのキャリアに関する記事

「孤独を感じる」事業会社出身のコンサルとその対処法
https://www.axc.ne.jp/column/media/careertips/isolatec

「18時退社」でコンサルファームへ転職。限られた時間内でもパフォーマンスする女性のキャリア事例
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/womenscareerasconsultants

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今回の記事では、事業会社からコンサルティングファームに転職して辛かったこと&驚いたことを紹介しました。

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