大手メーカーの研究職から外資系コンサルファームへ。研究職から一転コンサルタントを目指した心境の変化に迫る。

学生時代は大学院の研究で特許を取得し、大手メーカーに入社後も研究を続ける。前職では研究の実用化をめざし技術営業も積極的にこなす。製品の開発だけでは企業成長は叶わず、製品の製造過程全体の改革や改善こそが必要と感じるようになり、課題解決の専門家であるコンサルタントへの転職を希望。その後外資系コンサルファームに転職し、1年間で4つのプロジェクトにアサイン。今回のインタビューでは全く異なる職種からコンサルファームを目指した動機や、成長のモチベーションについて聞いた。

研究成果の実用化を目指し、大学院卒業後は大手メーカーに就職

ー大学院を卒業後、大手メーカーに就職されています。こうした進路を進んだ経緯について教えて下さい。

研究者になるためには修士号以上が必要であった為、大学院への進学を決めました。その際、研究対象として興味があったバイオ素材を研究できる研究科を選択しました。
その後、大学院在籍中に特許取得等を経験した上で、研究成果を実用化させるには一般企業へ就職するべきだと考え、大手メーカーへの入社を志しました。

ー新卒での就職活動について教えて下さい。

色々な企業を受けたのですが、その中でも大学OBから話を聞いて働くイメージが湧きやすかった点、そして当時大学院で研究していた素材の実用化に力を入れていた点から大手メーカーへの入社を決めました。

研究対象への知識を併せ持つ「技術営業職」として顧客に携わる

―入社されてからはどの様な職務を担当されていましたか?

研究開発部門で研究内容の実用化に関する業務を行っていました。研究以外にも、試験サンプルを使用してくれる顧客の下を訪れ試作品に関するフィードバックを受け取る、といった業務も担当していました。

―同期の研究職の方と比べた際、当時のキャリアプランに違いはありましたか?

一般的な研究職の方は基礎研究寄りの業務を行っていたのに対して、自分の業務は技術営業的な性格が強かった、という点に違いを感じていました。
研究対象に対する知識を持つ人材として技術営業に抜擢され、顧客の下へ直接試作品の説明に伺う事もありました。

―前職で苦労した点、又は仕事を行う上で意識していた点はありますか?

肝心の研究を行う為の時間が確保出来なかった点に苦労しました。
入社後2・3年間は雑用系の仕事が多く、研究サンプル配布や学会用の資料作成に時間を取られた点が辛かったですね。
また仕事をする上では、顧客からの質問に対して明確な返答をすることを心がけていました。自分が作成した製品の説明をしている以上、聞こえの良い情報のみを伝えても結局は自分が苦労するし、顧客の本音の部分を把握しておく必要がありました。なので、製品のメリットのみを伝えて相手を煙に巻く様な真似はせず、正直な説明をしようと意識していました。

「ビジネスの実用化」を目指し、研究職からコンサルティング業界へ

―転職を決意したきっかけについて教えて下さい。

転職を決めた理由は、研究内容がすぐに実用化されない点にストレスを感じたからです。同時に、研究者のみでビジネスを行う事の難しさも痛感しました。

―「研究者のみでビジネスを行う事の難しさ」という点に関して、当時感じたハードルについて教えて下さい。

一番強く感じたハードルは、シーズ発信でビジネスを行う事の難しさです。
今あるニーズに合った商品を提供するのではなく「シーズの特性を顧客のニーズに合わせる」ということの難しさは当時から指摘されていたのですが、それが「顧客の意見を具体化する」というマーケティングとは根本的に異なる、非常に困難なことに気付きました。
そういったビジネスに関する大きな枠組みについての話は、当時の同僚ともあまりしていませんでしたね。

―コンサルティング業界を志望した理由について教えて下さい。

一番の理由は、コンサルティング業界はビジネス実用化に近い所で仕事が出来るからです。
就職活動中は、研究開発系でビジネス立ち上げを業務としている企業も調べてはいたのですが、コンサルティング業界であれば技術実用化や新規事業の立ち上げ等、様々な実用化の場面に関われるし、その経験が勉強にもなる。そう考えコンサルティング業界を選択しました。

―「研究職からコンサルティング業界への転職」という点で苦労された点はありますか?

就職活動にもの凄く時間を費やした点です。前職が開発に関係ある業務であった一方で、ビジネスからかなりかけ離れた業務内容であったのも事実です。そういった事情から自身の中に多角的な視点が欠けていたことが、就職活動の際に苦労した要因だったと思います。
そうした欠点を克服する目的で、一時期就職活動を中止しコンサルティング業界を取り扱った書籍等から様々な情報をインプットする期間を設けました。

―転職活動の際、どの様な対策をされましたか?

まずは転職エージェントや友人に相談しました。
初めに相談させていただいた転職エージェントは特定の分野に特化していたわけではなかったので、自身の志望する業界がある程度絞れた時点でより専門性の高いアクシスコンサルティングに相談することにしました。

「100分の1」×「100分の1」=「1万人に1人」の人材へ

―就職活動を経て外資系コンサルファームに入社されています。入社の決め手は何だったのでしょうか?

当時研究者の人材を募集していたことが、そもそも今の会社に興味を持ったきっかけです。面接の手ごたえも悪くはありませんでした。

―現在の職務について教えて下さい。

ITを手段としたコンサルティング業務を行っています。
入社してから現在まで1年ほどの間に、自動車業界やペット業界、といった様々な業界の顧客の担当をさせていただいています。現在は小売り業者の業務改革を担当しています。

―現在の会社や「コンサルティング」という仕事に対する、今までの仕事とのギャップはありましたか?

今までとのギャップという点を一番感じるのは、仕事のペースの速さです。「すぐ対応してくれ」の「すぐ」が「2・3時間後」位の認識なんですよね。仕事に対する姿勢の厳しさもそうですが、そういった時間の感覚を変えていくという点に今までとの違いを感じました。

―全く異なる業界に転職したことで苦労された点はありますか?

とにかくキャッチアップするのが非常に大変でした。特に入社当初は、コンサルティングの知識よりIT知識に対するキャッチアップに苦労しました。
元々ITに関する知識を持ち合わせておらず、業務で使用するパソコンの起動方法すら分かりませんでした。

なので、まずは仕事で取り扱っている範囲で必要となるIT知識を学ぶことから始めました。上司に対して「入社して間もない今の内に色々な業界の案件を担当させて欲しい」と相談した上で、プロジェクトの提案資料を読み込んだり周囲の人間に話を聞くことでキャッチアップを心がけました。上司からも、「早い内に色んな業界を見た方が良い」とのアドバイスをもらっていました。
様々な業界を経験する中で、様々な業界の仕組みを知ることが出来るので仕事自体は充実しています。

―逆に、前職の経験が生かされる場面などはありますか?

現在はデータ分析関係の業務を中心に取り扱っているのですが、そういった場面では以前の研究職で培った分析力や物の考え方が役立っていると感じています。
後は、素材や特許に関する質問や実際にメーカーで働いていた感想を尋ねられる場面で、前職で得た知識が役立つケースもあります。

―前職と今の職場で、働いている方の印象に違いはありますか?

今の職場には本当に色々なタイプの方がおられるので、そういった多様性という面が以前の職場と全然違う、と感じています。

―今後のキャリアプランについて教えて下さい。

元々興味やりたかった新規事業の立ち上げと、研究職の経験を活かした分析系のプロジェクト、この2つを軸としたコンサルタントになりたい、という理想像を描いています。会社が協力してくれるのであれば何かしらの新規事業立ち上げを行ってみたい、という思いもあります。
これは現在の会社に入社した後に聞いた話なのですが、『「1万人に1人」の人材になる為には特定の分野において「100人に1人」のスキルがあって、かつ別の分野でも「100人に1人」のスキルがあれば良い』と。これを聞いた時に「ああ、なるほどな」と思ったので、研究とコンサルを組み合わせ、この「100人に1人」×「100人に1人」の人材になりたいと思っています。

―最後に、転職をお考えの方にぜひメッセージをお願いします。

私の場合、キャリアチェンジすることには2つのメリットがあったと考えています。
1つ目は、物事に対する今までにない視野や考え方を身に付けられるという点。そして2つ目は、色々な会社を見ることが出来たという点です。
コンサルティング業務には大変な点も多いですが、様々な会社と関わることで知見や物事の考え方が広がっていくのはすごく良いな、と思います。
ただ、研究職を辞めたことに対する未練は少しあります。後悔している訳ではありませんが、人間というものは片方の道を選ぶともう片方の道が気になるものなので、今は後悔しない様に頑張るだけですね。

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