AWSソリューションアーキテクト資格を取得したエンジニアのキャリアパス【転職事例含む】

エンジニアの方から「アーキテクトも理解できるようになりたいと思い、ひとまずAWSソリューションアーキテクトを独学で取得したものの、どう次のキャリアに繋げればいいか?」というご相談をいただくことがあります。

そこで、今回は転職実績等を混じえて、AWS等のアーキテクト資格を取得したエンジニアのキャリアパスについて、ポジションの選択肢とそのために得るべきスキル・経験を中心にご紹介します。

【目次】

  1. AWSのソリューションアーキテクトポジションへ
  2. 事業会社の「DX推進」ポジションへ
  3. コンサルティングファームの「IT・デジタル戦略組織」へ

AWSのソリューションアーキテクトポジションへ

いきなり特定企業を取り上げることになってしまいますが、そのままAWSのソリューションアーキテクト職を目指すという選択肢がまず頭に浮かぶでしょうか。

現在は、SIerや社内インフラ部門にて提案~アーキテクト~要件定義など上流工程の経験のある方が採用の候補となっており、採用担当の方によると、提案~運用とあらゆるフェーズに関わることが想定されるため、一つの分野だけ特化された方よりも、

・インフラ、ネットワーク、仮想化、ミドルウェア、DB、ソフトウェアなど、ひとつひとつ浅くても広く知見のある方
・AWSのあらゆる機能を学ぼうとする意欲
・コミュニケーション力

などの要素が重要とのことでした。

特に、経営者から現場まであらゆるステークホルダーと仕事を進めるため、採用ではコミュニケーション力が重要視されるという声もいお聞きしました。

エンジニアから直接AWSへ転職された方の事例としては下記があります。

※転職事例①

・40代前半男性:中堅SIerにて主任として通信キャリア向けにパブリッククラウド(AWS/Azure)の推進をリード
⇒AWSに転職し、ソリューションアーキテクトとして通信業界向けのサポートに従事


※転職事例②

・30代前半男性:IT系ベンチャー企業にて技術マネージャーとして、フロントエンドからバックエンド、アジャイル開発、CI/CDまで幅広い分野を担当。
⇒AWSに転職し、スタートアップ企業向けのサポートに従事 


また、若手の方や、プリセールス~要件定義等の経験がない方でも、「アソシエイトソリューションアーキテクト」として採用の可能性があります。

こちらは、入社後1年程度の育成を前提としており、AWSやクラウドの経験が無い方に対してトレーニングやOJTを通じて短期間に実践的なスキル習得の機会があるポテンシャル枠的ポジションです。

ただしこちらのポジションでも採用においては、4年以上の開発~運用経験(ポテンシャルを補填するため”インフラ領域”での経験があれば尚可)が求められるようです。

該当経験が不足している場合には、一度、事業会社やITコンサルティングファーム等でAWSの機能に直結する

・クラウドサーバ環境移行の企画・設計
・クラウドを用いたアプリケーション開発のPM

などの経験を積んでからチャレンジするのも手でしょうか。

※転職事例①

・30代前半 男性:日系SIerにてエンジニアとして基幹システムの開発経験
⇒IT系コンサルティングファームにてサーバーのクラウド構築等のアーキテクト~導入を経験
⇒AWSにてソリューションアーキテクトとして入社


※転職事例②

・30歳前半 男性:ベンチャー企業にて社内SEとしてインフラ環境の設計・構築・保守運用までを担当。
※AWS Certified Developer、AWS Certified Solutions Architectを取得
⇒大手IT系メーカーのSRE部門にて、オンプレミスからAWSへの移行(現行環境の把握から移行先の環境構築、アプリケーションの変更まで)などを担当
⇒AWSに転職し、ベンチャー企業のAWS技術支援に従事


<AWSソリューションアーキテクトからのキャリアパス>


また、その後のキャリアですが、AWS社内で、

・技術部門のスペシャリストを目指す
・セールス部門のリードに就任する
・社内の研修トレーナー

といったパスがまず挙げられます。さらに、プリセールスから開発・運用まで一貫して関わる、ベンチャー~スタートアップの支援も手掛けることがあるため、

・AWSの技術を使ってサービスを開発しようとしている同フェーズの企業からCTOや技術マネージャーといった待遇で迎えられる
スタートアップ企業を立ち上げ、AWSを活用したプロダクトをローンチする

といったケースもあるようです。

事業会社の「DX推進」ポジションへ

事業会社の「DX推進」ポジションもエンジニアの方にとって候補の一つとなるでしょうか。

DXという単語が指し示す範囲は場合によってまちまちでCxO直下の全社戦略を担うこともありますが、業務改革~事業企画的な側面を期待されることもが多く、
デジタル技術(クラウド/モバイル/AI、等)を活用したアプリケーション・サービスの企画・開発ができる方のニーズが高まっています。

ただし、デジタル推進組織とは言えども、立ち上げ期のケースが多いため、実際には、

・アジャイル開発プロジェクトの経験
・システムインテグレーションの経験
・プログラミングスキル
(Java/Python/Node.js/SWIFT/Kothlin、等)

など、採用段階では基礎的な開発経験があれば候補となり、なおかつデジタルに紐づくAWSソリューションアーキテクト資格がある方は、歓迎される傾向にあります。

※転職事例

・20代後半 男性:システムエンジニアとしてソフトウェア開発に関わる
⇒大手メーカーが立ち上げたDX支援企業に入社、初期はSEとしてシステム導入支援に関わる。その後、モデル構築、ソリューション提案~業務課題の分析といったコンサル的な役割まで経験


<事業会社「DX推進」ポジションからのキャリアパス>


また、DX推進組織は、「戦略~開発~導入」まで一気通貫でコミットメントしていることが多いため、最初はデジタルを用いた業務プロセスアーキテクチャー~システム開発といったフェーズに関わりながら、ビジネスモデル設計~DX戦略策定といった上流サイドに軸足を移しやすいというメリットもあります。

経営戦略、アーキテクト、開発といった分断されたフェーズではなく、戦略からリリースまで一貫して経験を積めるため、ゆくゆくはDX推進室長や、さらにはCDOやCIOといったデジタル領域のマネジメントポジションにキャリアアップされる方もいらっしゃいます。

※転職事例

・20代後半 男性:大手SIerのエンジニアとして基幹システムの開発~保守・運用に関わる。
⇒大手電子系メーカー :イノベーション事業部に転職し、社内のAI/クラウド化を推進する部署において、技術領域を担当。
新技術の先行調査・検証や、社内の技術戦略の立案などを手掛け、新しく立ち上げられたDX推進室に異動。グループ内のDX推進におけるリードを担う

⇒在籍企業が買収した海外子会社のCDOに就任、デジタル技術を用いた新規事業のプロダクトマネジメントも兼務


一方で、上流よりもソリューション/プロダクトの企画フェーズにやりがいを感じる方は、事業企画のプロダクトマネージャーを目指される傾向にあります。

コンサルティングファームの「IT・デジタル戦略組織」へ

エンジニアからAWS資格を利用して、コンサルファームへと転身する方もいらっしゃいます。
コンサルファームでは、「IT戦略」「デジタルソリューション」等の組織が相次いで新設されており、同組織では、

・AI/クラウド領域の開発経験
・データを用いた新規事業立ち上げ経験

等のデジタルに直結するケイパビリティだけでなく、

・ITインフラ導入の提案~導入経験かつAWS資格の保有者

など、基礎的な開発経験に加え、クラウドやデジタルに紐づく資格を持つエンジニアも積極的に採用しております。

(求人例)Big4系ファーム/デジタル戦略チーム

・必要要件:
3年以上のシステム開発経験(Java、Scala、JavaScript等によるカスタム開発)またはそれに準ずるスキル

歓迎要件:
AWS等のクラウドプラットフォームに関する設計・開発経験または資格

・業務内容:
①クラウド基盤/セキュリティ/運用設計
②デジタル技術を組み合わせた業務の自動化
③新たなビジネスモデルの構築に関するデジタル戦略・計画の立案からその実行


エンジニアからコンサルティングファーム「IT・デジタル戦略」組織への転職事例としては、

(例)
・30代前半 男性 中堅SIer(年収750万円):
インフラ領域のプリセールスSE及び開発エンジニア。
⇒大手IT系ファーム AIやデジタル推進を目的としたデジタルチーム(年収900万円):クラウド領域の業務コンサルタント~デジタル化ロードマップ作成/ITデューデリジェンス/投資戦略支援
⇒外資系戦略ファームのIT戦略チーム(年収950万円):IT系メガベンチャー向けに新規事業支援、オープンイノベーションのためのベンチャー提携先の発掘

などがあります。エンジニアからコンサルファームへの転職は年収が上がりやすい点も魅力でしょうか、上記のように前職比で200万円ほど高いオファーが出るケースもあります。


<コンサルティングファーム「IT・デジタル戦略」からのキャリアパス>


また、得られるスキル・経験という観点ですが、
ファームではITやデジタルに関するチームでも、「そもそもITやデジタルが必要なのか」「どのくらいITに投資すれば収益が上がるのか」といった経営視点から課題に向き合うため、「経営的視座や、M&Aといった他領域のケイパビリティが身につき、対応できる課題の幅が広がった」という声をよくいただきます。

その後のキャリアとしても、「クライアント・ツールにこだわらずあらゆる業界の経営課題を解決できるようになりたい」というご志向の場合はピュア戦略ファーム/チームへのキャリアを目指す方が多い印象です。

※転職事例

・20後半 女性 中堅SIer(年収500万円):監視システムの開発・運用・保守 ・業務支援系システムの開発・運用・保守
⇒大手日系ファーム IT戦略チーム(年収700万円):商社に対するIT戦略策定プロジェクト ・保険会社に対するDigitalシステム導入プロジェクト
⇒外資系戦略ファーム(年収700万円)


一方で、「経営視点でIT・デジタルを考えられるようになったものの、「より意思決定者の近くでITに関わる仕事がしたい」」というご志向から、事業会社のDX推進室やIT戦略部門へ転職される方もいらっしゃいます。

※転職事例

・20代後半 男性 大手SIer(年収600万円):金融系クライアントのインフラ開発・保守
⇒Big4系ファーム デジタル戦略チーム(年収1,000万円):新規事業立ち上げの戦略~実行、大手メーカーの新規参入戦略立案/マーケ・ブランド戦略に従事
⇒日系メガベンチャー 顧客戦略チーム(年収950万円):プロダクトの戦略の策定~UXの統括

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今回の記事では、転職実績等を混じえて、AWS等のアーキテクト資格を取得したエンジニアのキャリアパスについてご紹介しました。

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