ガートナーの働き方改革:グローバル企業が実践する真のインクルージョンとキャリア成長

  1. 世界をリードするリサーチ企業の働き方とは
  2. 柔軟性と成長機会を両立させる職場環境
  3. 日本における女性活躍推進の実績
  4. インクルージョンを文化の核とする組織作り
  5. 地域社会への貢献を通じた働きがいの創出
  6. 継続的な成長を支えるキャリア開発の仕組み
  7. まとめ:ガートナーが示す働き方の未来

世界をリードするリサーチ企業の働き方とは

ガートナーは、実行可能かつ客観的なビジネスおよびテクノロジのインサイトを提供する、世界有数のリサーチ・アドバイザリー企業です。売上高63億ドルを誇るS&P 500構成企業として、世界約90の国や地域、85の拠点に2万1,000人の従業員が在籍しています。

45年以上にわたって世界中の顧客企業にエキスパートによるガイダンスを提供し続けてきた同社では、どのような働き方が実践されているのでしょうか。

参考:「会社概要」
https://www.gartner.co.jp/ja/about

柔軟性と成長機会を両立させる職場環境

ガートナーでは、「私たちは優秀な人材を採用し、チームとして協力して成果を上げる」という文化のもと、従業員一人ひとりが最大限のパフォーマンスを発揮できる環境作りに注力。

同社の働き方の特徴は、ハイブリッド環境の導入にあります。同僚と活気あるコミュニティで働く事も、生産性が高まる場合はバーチャルで働く事もできる柔軟性を提供しています。

参考:「Why Gartner」
https://jobs.gartner.com/why-gartner/

充実した福利厚生制度

ガートナージャパンでは、世界クラスの福利厚生と競争力のある報酬制度を整備。具体的には、以下のような基本的待遇に加えて、従業員支援プログラム(EAP)として精神的、身体的、経済的な問題が発生した場合のカウンセリングサポートも用意されています。

  • 相場以上の給与水準と毎年の定期昇給
  • 従業員株式購入制度
  • 社会保険完備
  • 退職金制度 など

さらに、ワークライフバランスを重視した制度も充実しています。スーパーフレックスタイム制でコアタイムがなく、実働7時間30分の柔軟な勤務が可能です。完全週休2日制(土日・祝日)に加え、年次有給休暇は入社日から取得可能で、誕生日休暇も設けられています。

参考:「採用情報」
https://www.gartner.co.jp/ja/about/careers

多様なライフステージに対応した休暇制度

特筆すべきは、多様なライフステージに対応した休暇制度です。産前産後休暇に加えて有給の産後休暇が2週間設けられているほか、育児介護休業やワーキングマザーへのサポートも充実しています。

また、以下のような休暇を利用可能です。

  • 有給の配偶者出産休暇:4週間まで
  • 養子縁組休暇:8週間まで
  • 有給の傷病休暇:年間10日
  • 有給の傷病欠勤制度:勤続年数に応じて最長6か月まで

さらに、企業主導型ベビーシッター利用支援事業の承認事業主として、子育て支援にも力を入れています。

参考:「採用情報」
https://www.gartner.co.jp/ja/about/careers

参考:「女性の活躍推進企業データベース」
https://positive-ryouritsu.mhlw.go.jp/positivedb/detail?id=50283

日本における女性活躍推進の実績

ガートナージャパンは、厚生労働省の「女性の活躍推進企業データベース」にて、女性活躍推進に関する具体的な数値を公開しています。2024年12月時点のデータによれば、正社員の採用人材(中途入社含む)に占める女性労働者の割合は32%、全社員に占める女性労働者の割合は31%です。

また、ガートナージャパンでは管理職層においても女性の活躍が進んでおり、係長級に占める女性労働者の割合は27.0%、管理職に占める女性労働者の割合は21.0%に到達しています。

参考:「女性の活躍推進企業データベース」
https://positive-ryouritsu.mhlw.go.jp/positivedb/detail?id=50283

同一労働同一賃金の実践

同社では、性別によらず同一職務・同一賃金の処遇体系を適用しています。男女の賃金の差異は主に職種別の男女構成比および各職務階級における男女構成比の差によって生じているものの、同一の職務に対しては性別に関係なく公平な報酬を提供する姿勢を明確にしています。

また、正社員における男女の平均継続勤務年数は、男性が4.8年、女性が5.6年となっており、女性の方が長く勤続している実績があります。これは、女性が長期的にキャリアを築ける環境が整っている事を示していると考えられるでしょう。

参考:「女性の活躍推進企業データベース」
https://positive-ryouritsu.mhlw.go.jp/positivedb/detail?id=50283

ワークライフバランスを実現する労働環境

労働時間の適正化にも積極的に取り組んでいます。2024年12月時点のデータでは、対象正社員の一月当たりの平均残業時間は7.3時間となっており、長時間労働の是正に向けたメッセージの配信なども実施。

スーパーフレックスタイム制度とハイブリッド在宅勤務制度を組み合わせる事で、従業員が自身のライフスタイルに合わせた働き方を選択できる環境を整えています。

参考:「女性の活躍推進企業データベース」https://positive-ryouritsu.mhlw.go.jp/positivedb/detail?id=50283

インクルージョンを文化の核とする組織作り

ガートナーの働き方を語る上で欠かせないのが、インクルージョンへの取り組みです。同社では、「インクルーシブで互いに敬意を持って接する」事を文化の重要な要素と位置づけています。最高の倫理基準で運営し、オープンな議論を促進する環境を整え、従業員とクライアントが公平かつ敬意を持って扱われる事を保証しています。

参考:「Inclusion」
https://jobs.gartner.com/inclusion/

8つの従業員リソースグループ(ERG)が支える多様性

ガートナーのインクルージョン戦略の中核を担うのが、8つの従業員リソースグループ(ERG)です。これらのERGはすべての従業員に開かれており、4つの戦略的目標を通じて従業員の成功を支援しています。

第一に、さまざまなレベルの専門知識に応じたコホートコミュニティとベストプラクティスを提供し、従業員の成長を支援しています。
第二に、キャリアの初期段階から退職まで、ライフステージを認識し、ベストプラクティスを共有し、従業員の成功を支えるプログラムを特定しています。
第三に、データを活用して従業員を特定・称賛し、ストーリーテリングを通じて他者の模範となるものを示し、インスピレーションを与えています。
第四に、すべての従業員の貢献を尊重し、共通のミッションと目的のある文化を通じて、帰属意識を通じたエンゲージメントを促進しています。

参考:「Inclusion」
https://jobs.gartner.com/inclusion/

多文化を祝福する年間を通じた取り組み

ガートナーでは、年間を通じてさまざまな文化的背景を持つ従業員を祝福し、支援するイベントを開催しています。

2月のブラック・ヒストリー・マンス

「Elevate & Empower(高め、力を与える)」をテーマに、以下のように様々なイベントを実施しています。

  • アライシップに関するワークショップ
  • 有名な黒人映画に関するトリビアチャレンジ
  • ナイジェリア、ジャマイカ、アフロ・ドミニカン、アフリカ系米国人の文化を代表する従業員によるディスカッションなど

ブラック従業員ネットワーク(BEN)のあるシニアプリンシパルは、「BENを通じて、キャリアの次のステップを踏み出すのを助けてくれたメンターを見つけ、別の環境では何年もかかったであろうスキルを獲得しました」と語っています。

参考:「Gartner Associates Recognize Black History Month」
https://jobs.gartner.com/life-at-gartner/inclusion/gartner-associates-recognize-black-history-month/

3月の女性史月間

ボディランゲージの専門家によるゲストスピーカーセッション、世界中のオフィスでの国際女性デーランチョン、リーダーによるパネルディスカッション、世代を超えた対話イベントなど、キャリア開発、強力なネットワーク構築、人生の節目を認識する事に焦点を当てたイベントを開催しています。また、著者を招いたエンパワーメントに関するセッションや、社内異動や挫折の克服について個人のキャリアの旅を共有するリーダーとのパネルディスカッションなども実施しています。

参考:「Gartner Associates Celebrate Women’s History Month」
https://jobs.gartner.com/life-at-gartner/inclusion/gartner-associates-celebrate-women-s-history-month/

5月のアジア太平洋諸島系住民認識月間

メンターシップセッション、英国の著名な起業家Kavita Oberoiによるファイアサイドディスカッション、上海オフィスでの端午節祝賀、さまざまなタイムゾーンでのコーヒーチャットなどを開催しています。

シニアリクルーターは、「ガートナーでは、持続的な成功により、従業員が専門的に成長し、個人的に豊かになる無限の機会が生まれます。可視性の促進とリーダーシップスキルの開発は、成長を促進するアプローチの鍵です」と述べています。

参考:「Celebrating Asian and Pacific Islander Recognition Month」
https://jobs.gartner.com/life-at-gartner/inclusion/celebrating-asian-and-pacific-islander-recognition-month/

6月のプライド月間

LGBTQ+従業員とその同盟者、同僚が支援を見つけ、リソースを共有し、LGBTQ+の経験を祝うグローバルコミュニティとして、さまざまな活動を展開しています。

アイデンティティ間の交差点と共有経験に関する議論、地域を超えたアライシップ、LGBTQ+家族のダイナミクスなどをテーマとしたイベントを開催し、ワールドプライドへの参加や東京プライド2025のブース出展、バルセロナでのスポーツクラブイベントなども実施。

マネージャーのクライアントサクセス担当者は、「Pride at Gartnerは、世界中のメンバーと同僚の間でパートナーシップを構築し、教育し、支援する事に焦点を当てています」と語っています。

参考:「Celebrating Pride Month at Gartner」
https://jobs.gartner.com/life-at-gartner/inclusion/celebrating-pride-month-at-gartner/

7月の障がい者プライド月間

障がいのアライシップに関するファイアサイドチャット、レジリエンスに関する議論、神経多様性のある人材を戦略的優位性として活用する方法に関するプレゼンテーションなど、幅広いイベントを提供しています。

また、ウェルビーイングとつながりをサポートするため、バーチャルヨガ、セルフケアのための指圧、マインドフルネスベースのアートワークショップなども実施しています。同社は、Disability Equality Indexから障がい者インクルージョンのベストプレイスとして継続的に認識されています。

シニアコンサルタントは、「CANは、従業員が自分のストーリーを語り、物事をどのように経験するかを共有する場を提供する事で、インクルージョンと尊重を促進します」と語っています。

参考:「Gartner Associates Celebrate Disability Pride Month」
https://jobs.gartner.com/life-at-gartner/inclusion/gartner-associates-celebrate-disability-pride-month/

8月のモザイク多文化月間

文化的な旅を共有する同僚をフィーチャーした対話型パネルディスカッション、異文化理解を促進するワークショップ、世界の料理を紹介するバーチャル料理教室、インクルーシブリーダーシップに焦点を当てたスキル構築セミナー、バーチャル文化トリビアナイト、ブッククラブなど多彩なプログラムを提供しています。

GVPのセールス担当者は、「モザイクは、すべての従業員が自分が誰であるか、どこから来たのかを祝うための協力的で支援的な環境を作る事で、コミュニティを促進します」と述べています。

参考:「Gartner Associates Celebrate Mosaic Multicultural Month」
https://jobs.gartner.com/life-at-gartner/inclusion/gartner-associates-celebrate-mosaic-multicultural-month/

11月の退役軍人認識月間

退役軍人や軍人の貢献を称え、認識するための一連のインパクトのあるイベントを開催しています。海兵隊退役軍人であり引退した裁判官Justice Shannon Frisonとのファイアサイドチャット、退役軍人のスキルセットに関する誤解を払拭するイベント、オーストラリア、インド、中東のガートナー退役軍人の視点を紹介するリーダーシップパネルなどを実施しています。

また、退役軍人の自殺危機に対する意識を高める#22Challengeへの参加や、退役軍人に感謝のメッセージを書くプロジェクトなども展開しています。

シニアディレクターのアナリストは、「この組織には、退役軍人が求める資質があります。プロフェッショナリズム、規律、卓越性です。到着すると、トレーニングとメンターシップは、あらゆる軍事組織のそれに匹敵します」と述べています。

参考:「How Gartner Associates Are Recognizing Veterans Throughout November」
https://jobs.gartner.com/life-at-gartner/inclusion/how-gartner-associates-are-recognizing-veterans-throughout-november/

地域社会への貢献を通じた働きがいの創出

ガートナーでは、従業員が生活し働く地域社会にポジティブな影響を与える事を戦略としています。同社の社会貢献プログラム「Gartner Gives」を通じて、さまざまな活動が展開されています。

2025年のアースデーには、インド各地のオフィスで環境保護活動を実施しました。グルガオンのオフィスでは、廃棄物管理イニシアチブであるEcogramを訪問し、廃棄物の分別から処理、エネルギーへの変換までの全過程を学びました。

印象的な事に、このエネルギーは現在Ecogram施設全体に電力を供給しており、循環型持続可能性の実例を示しています。

ムンバイでは、ホームレスのための施設Snehasadanで子供たちとキッチンガーデニングプロジェクトに参加し、チェンナイではLittle Dropsの子供たちを招いて環境をテーマにした映画上映会を開催、バンガロールではDiya Gharを訪問し、苗木の植え付けやアップサイクリングワークショップを通じて環境意識を高める活動を行いました。

参考:「Empowering Communities, Inspiring Change: Gartner India’s Earth Day Initiatives」https://jobs.gartner.com/life-at-gartner/gartner-gives/

女性のエンパワーメントにも力を入れています。人道支援・開発組織であるResponsenetと提携し、Champion of Hope Women Empowermentプログラムの参加者に対して、説得力のある履歴書の作成、面接スキルのリハーサル、人事ポリシーや職場の福利厚生に関する一般的な理解を提供する支援を行いました。

人事担当グローバルバイスプレジデントのAlan Millerは、「ニューデリーの女性エンパワーメントグループを訪問し、彼女たちがスキルを向上させようとする中でサポートとガイダンスを提供できた事は特権でした」と語っています。

参考:「Empowering Women in Our Communities」
https://jobs.gartner.com/life-at-gartner/gartner-gives/empowering-women-in-our-communities/

教育支援にも積極的です。新学年の開始に向けて、世界中の従業員とインターンが協力し、10のオフィスから12,000点以上の学用品を寄付しました。スタンフォード公立教育財団とのパートナーシップを通じて、学生たちが成功するために必要な用品を確保する支援を行っています。

参加した従業員のMichael Falboは、「学用品ドライブは、同僚たちの信じられないほどの寛大さを浮き彫りにしました。あらゆる規模の寄付が会社全体から集まり、誰もが困っている学生のためにバックパックに学用品を仕分ける事を熱心に手伝っていました」と述べています。

参考:「How our Associates are Giving Back to their Communities」
https://jobs.gartner.com/life-at-gartner/gartner-gives/

継続的な成長を支えるキャリア開発の仕組み

ガートナーの働き方を特徴づけるのは、従業員の継続的な成長を支える文化です。同社では、10の文化的要素を通じて、組織として特別な存在である理由を明確化。未開拓の市場の可能性は無限の機会を提供し、現在は存在していない機会も含めて、従業員が専門的に成長し、個人的に豊かになれます。従業員がどこまで行けるかは、情熱とパフォーマンス次第です。

参考:「Why Gartner」
https://jobs.gartner.com/why-gartner/

同社は、世界クラスの福利厚生、競争力のある報酬、そしてトップパフォーマーに対する不釣り合いなほどの報酬を提供しています。健康を最大化するための包括的な医療プランから、将来に備えるための退職金や投資プログラム、バランスを維持するための充実した休暇制度、そして継続的な能力開発のためのeラーニングリソースまで、従業員が最大限の能力を発揮できる環境を整えています。

さらに、年間5,250米ドルまでの教育サポートにより、自己啓発や教育訓練・研修制度、自主応募による内部異動制度なども整備されています。

参考:「Why Gartner」
https://jobs.gartner.com/why-gartner/

参考:「採用情報」
https://www.gartner.co.jp/ja/about/careers

参考:「女性の活躍推進企業データベース」
https://positive-ryouritsu.mhlw.go.jp/positivedb/detail?id=50283

ハラスメント防止と安心して働ける環境

ガートナージャパンでは、女性労働者の活動を支援する従業員リソースグループに加えて、ハラスメント等の相談窓口を複数設置しています。オンラインによる受付窓口も用意されており、従業員が安心して相談できる体制を整えています。

参考:「女性の活躍推進企業データベース」
https://positive-ryouritsu.mhlw.go.jp/positivedb/detail?id=50283

まとめ:ガートナーが示す働き方の未来

ガートナーの働き方は、柔軟性と成長機会の提供、多様性の尊重とインクルージョンの推進、地域社会への貢献という3つの柱によって支えられています。

厚生労働省の「女性の活躍推進企業データベース」への登録により、女性管理職比率21.0%、係長級における女性比率27.0%、平均残業時間7.3時間といった具体的な実績が可視化されています。

8つの従業員リソースグループを通じた多様性の尊重、年間を通じた文化的イベントの開催、そして地域社会への積極的な貢献は、同社が「チームとして勝つ」という理念を実践している証と言えるしょう。

FortuneやForbesから一貫して働きがいのある企業として認識されている同社の取り組みは、これからの時代の働き方を考える上で、重要な示唆を与えてくれます。

参考:「Why Gartner」
https://jobs.gartner.com/why-gartner/

参考:「会社概要」
https://www.gartner.co.jp/ja/about

参考:「女性の活躍推進企業データベース」
https://positive-ryouritsu.mhlw.go.jp/positivedb/detail?id=50283

 


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