データアナリストの将来性【今後需要が伸びるタイプ、停滞するタイプとは】

今回は、データアナリストの将来性について解説していきます。業界のトレンドを踏まえ、今後需要が伸びるタイプのデータアナリストと、停滞するタイプのデータアナリストについてご紹介します。
データアナリストとしてのキャリアに関心のある方は、ぜひご覧ください。

【目次】

  1. データアナリストの将来性と業界トレンド
  2. 今後も需要が伸びるタイプのデータアナリスト
  3. 需要が伸びにくいタイプのデータアナリスト

データアナリストの将来性と業界トレンド

データアナリストの将来性は、今後も基本的に高いことが予想されます。
DX(デジタルトランスフォーメーション)が国の政策として推進されるなか、データ活用がDXの根幹をなす要素の一つであるためです。

また、データ分析力が企業の競争力を左右する状況にも変わりはありません。実際に、GAFA(Google、Amazon、Facebook、Apple)やNetflixなど、顧客データを囲い込み最大限に活用している企業が、世界でいま最も成功しています。

さらには、自動運転やフィンテックなど、今後有望視されるテクノロジーでも総じてAIやデータ活用が鍵を握ります。

その中心で活躍するのが、データ分析のプロフェッショナルであるデータアナリストです。データアナリストに求められる専門性は統計学やプログラミング、ビジネススキルなど幅広く、高いレベルで身につけた人材はいまでも希少です。

DXをはじめとしたデータ分析業界への追い風、また高度な専門人材の希少性から、今後もデータアナリストへの需要は基本的には高い状況が続くでしょう。

一方で、データアナリストの中でも、今後需要が伸びていくタイプと、そうでないタイプに分かれます。コンサル的なスキルに長け、分析結果をもとにビジネスを改善できるタイプや、アルゴリズム構築への深い専門性を持ったタイプへのニーズは引き続き高いでしょう。その一方で、そのような強みを持たないデータアナリストはコモディティ化しつつあるのが現状です。

その背景としては、つぎのようなトレンドがあります。

・分析業務の自動化が進行
・ビジネス職のデータリテラシー向上

分析業務の自動化が進行

分析ツールの進化により、分析業務の自動化が進んでいます。

例えば、BI(ビジネスインテリジェンス)ツールは各種データベースとの連携機能が充実しており、データソースと接続さえすればダッシュボードが随時自動で更新されます。

また、アドホックな分析についても、データアナリストやエンジニアでなくても直感的な操作で自在にデータを見える化したり、レポートを作成したりといったことが可能となっています。

自動化、効率化の範囲はデータの見える化やレポート作成だけではありません。予測やシミュレーションについても、専門スキル不要で実施可能なAIプラットフォームが登場しています。AIプラットフォームでは、ユーザーはアルゴリズムを選択するだけで、売上の予測や広告費の最適配分、不良品の発生予測などの分析を自動で実行できます。

このように、データの集計や見える化、定型的な予測やシミュレーションであれば、分析ツールによりかなりの部分が自動実行できるようになっているのです。

ビジネス職のデータリテラシー向上

BIツールやAIプラットフォームの普及とともに、データ分析に携わる人材の裾野が広がっています。

かつては、定型的なデータビジュアライゼーションやシミュレーションであっても、実施できるのは相応の専門スキルを持った人材に限られていました。扱うデータがビッグデータである以上、SQLによるデータの抽出や加工、RやPythonなどのコーディングスキルが必要とされたためです。

もちろん現在でも、よりフレキシブルな分析を行うためにはデータベースやSQL、R/Pythonのスキルは依然として必要です。しかし、定型的な分析やシンプルなシミュレーションであればツールの操作で完結できるようになっているのです。

その結果として、企画担当やマーケターなどのビジネス職が、かつてのデータアナリストの仕事の領域に進出してきています。ツールを使いこなすことで、データアナリストに頼らずともデータの集計やレポーティング、簡単なシミュレーションができるためです。

データベースから必要なデータを取得して、各種の指標をさまざまな切り口で集計して分析し、レポートにまとめる。このような仕事を中心に行ってきたデータアナリストのスキルは、コモディティ化しつつあります。

以上、分析業務の自動化やビジネス職のデータリテラシー向上といったトレンドをみてきました。このトレンドを踏まえ、以下では今後需要が伸びるタイプのデータアナリストと、逆に需要が停滞するタイプのデータアナリストについて考察していきます。

今後も需要が伸びるタイプのデータアナリスト

以下のような領域に強みを持つデータアナリストは、自動化やコモディティ化の対象となりにくく、有望といえます。

・コンサルスキルに長けたデータアナリスト
・高度な専門性を持ったデータアナリスト
・業界のスペシャリスト

コンサルスキルに長けたデータアナリスト

コンサルタント寄りのスキルに長けたデータアナリストの需要は、今後も高いと考えられます。

データの分析処理そのものは自動化が進んでも、上流フェーズのビジネス課題の整理や分析企画などの仕事は、システムでは代替できないためです。なおかつ、上流フェーズでの要件定義や設計の巧拙が分析によるインパクトの大きな部分を規定するため、この領域で豊富な経験を持つデータアナリストの価値は高いのです。

また、データの活用、つまり分析結果をもとにした施策の提案力も自動化の影響を受けにくい領域です。分析では、常に「So What?」を考えることが重要となります。データの集計や見える化を正確に行うだけでなく、そこからビジネスに有用な示唆を導くことではじめてデータ分析は価値を持つためです。そのためには、ビジネス課題をよく理解した上で、分析結果を総合的に読み解くというコンサル的な力が求められます。

ビジネス課題を捉えた適切な分析を企画し、自動化技術も援用し分析を実施する。分析結果をもとに施策まで立案したら、その後はそれを分かりやすく伝えるコミュニケーション力、ビジネスサイドやクライアントを動かすリーダーシップが重要となります。

このように、データ分析をビジネス上の価値につなげる、コンサル的なスキルはシステムで代替できないため今後より重要性を増してくるでしょう。

高度な専門性を持ったデータアナリスト

分析アルゴリズムの構築において高度な専門性を持つハイエンドな人材はもちろん、その希少性から今後も高い需要があるでしょう。

データ集計やレポーティング、シンプルな予測やシミュレーションについては専用のツールによる自動化が進んでいる現状をみてきました。

一方で、ツールがカバーできるのは定型性の高い分析となります。分析力を核として自社やサービスの競争優位性を築きたい場合は、定型的な分析だけでは足りず、自社独自の分析モデルを構築していく必要があります。

そこで活躍するのが、アルゴリズムの構築やチューニングに長けたデータサイエンティストとも呼ばれる人材です。データサイエンティストは、その専門性の高さからコモディティ化とは無縁と考えられます。特に統計学や人口知能の領域で博士号を持ち、論文等の執筆実績もあるようなハイエンドなアナリストが、この方面での代表的な人材となります。

またそこまでのバックグラウンドはなくても、機械学習の手法全般に精通して使いこなせるアナリストも依然として価値は高いといえます。統計学の理論的な理解や、RやPythonの高度なプログラミングスキル、そして長年の実戦経験が必要なポジションであり、そこへの参入障壁は決して低くないからです。定型的な分析に落とし込めない、探索的な分析においてはこのようなアナリストが活躍します。

業界のスペシャリスト

データ分析力が競争優位性に直結しやすい業界のスペシャリストにも、高い需要があるでしょう。

例えば、金融やゲーム、EC、Web広告などの業界です。このような業界では、いかに高精度なターゲティングモデルやリスク評価モデル、レコメンドエンジンなどを実装できるかが、事業の収益にダイレクトに反映されます。これらの業界では、データ分析の専門組織を設け、データアナリストの採用や育成を積極的に行っている企業も多いです。

業界が異なれば、そこでのビジネス課題やKPI、データも異なります。ツールや分析環境も異なることが多いでしょう。そのため、データ分析が特に重要視される業界でスペシャリストとしての立ち位置を築ければ、高い需要があるといえます。

需要が伸びにくいタイプのデータアナリスト

逆に、コンサル寄りのスキル、またはアルゴリズムや業界に関する高い専門性を持たないデータアナリストへの需要は、今後停滞が予想されます。

決められたテーマのもとで、データの見える化やシンプルなシミュレーションを行い、定形性の高いレポートにまとめるようなタイプの仕事です。

このような仕事にも、これまでは一定の需要がありました。ツールによる自動実行が一般化する前は、SQLを使ったデータ抽出やRやPythonのコーディングなど、相応のスキルが求められたためです。

しかしご紹介したように、このような領域はBIツールやAIプラットフォームの進化により自動化が進んでおり、それに伴いデータ専門職以外のデータリテラシーも高まってきています。その結果として、強い専門性を持たないデータアナリストの価値がコモディティ化しつつあるのです。

今後データアナリストとしてのキャリアを考える場合は、自動化ツールを使いこなしてビジネスへの応用に特化していくか、代替が難しい専門性を時間をかけて磨いていくことが求められるでしょう。

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>データアナリストのキャリアに関する記事

データアナリストに必要な「資格」とは?【統計スキル、ITスキル別】
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/dataanalyst_statisticsandit

データアナリストの仕事は、コンサルと事業会社でどう違うのか?
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/dataanalyst_consuldifference

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今回はデータアナリストの将来性と業界トレンド、今後も需要が伸びるタイプと停滞するタイプについてご紹介しました。

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