フリーコンサル「初回の」単価(ギャラ)交渉・契約時における注意点

前回は、「ファーム在籍」から「フリーコンサルとしてのday01」を迎えるまでの具体的な推奨手順とタイムラインについてお伝えしました。 今回は、フリーコンサルとして活動していく際に特に重要となる「初回の」単価交渉・契約時における注意点についてお伝えします。

【目次】

  1. フリーコンサルは契約更新の頻度が高いため「最初から無理やり金額を釣り上げすぎない」
  2. 「アウトプットの出し方」について事前チェックを
  3. 「残業代の有無」「交通費」「支払いサイト」などトラブルになりやすい報酬に関しては事前の確認を

フリーコンサルは契約更新の頻度が高いため「最初から無理やり金額を釣り上げすぎない」

営業活動の終盤において、多くの方が気にされる点が「単価の交渉」です。その際の注意点としてまず「最初から無理やり金額を釣り上げない」ことが挙げられます。

ご存じの通り、ファームの案件における単価とタイトルは相関的な関係になっており、金額が上がるとタイトルや任される職務の範囲が自動的に上がる仕組みですが、この辺りの事情はフリーコンサルにおいても同様です。

最初に単価を釣り上げてしまうと、プロジェクトにおいて自分のスキル・経験以上の役割を任され、その結果、最終的にクライアントからの期待値に見合ったバリューを出せないといったリスクが生まれます。さらに、フリーコンサルの場合、業務委託契約は数か月毎に更新されることも多いため、クライアントやファームからの評価が低い場合はもちろん契約更新不可といったリスクにも繋がります。

裏を返せば、交渉できるタイミングが多くあると言うこともできます。最初は相場通りかそれよりも低く単価を見積もり、更新のタイミングで交渉する余地を残しておいた方が、長期的に案件を獲得できるケースが多いでしょうか。

「アウトプットの出し方」について事前チェックを

実際に案件先が決定し契約を結ぶ際に必ず確認すべき点として、「アウトプットの出し方」があります。

フリーコンサルの業務委託契約には、納品して初めて報酬が支払われる「請負契約」と、稼働時間に対して報酬が支払われる「準委任契約」があります。フリーコンサルでは9割以上が「準委任契約」となり稼働に対して報酬が支払われます。ファーム在籍時のコンサルティングと近しいイメージでしょうか。

しかし、中にはアウトプットを納品して初めて給与が支払われる請負契約となるケースもあります。

請負契約のフリーコンサルにおける案件例としては、戦略コンサルの案件でよく見られる「海外調査レポートの提出」や、ITコンサルティングファームにおける「SAP導入におけるモジュールの点検レポート」などがあります。このとき、「請負」という契約項目を見過ごし、アサイン後にアウトプットが必要なことを知らなかったり不備があったりすると、結局給料が支払われないケースもあります。

一方、準委任契約の案件例としては、プロジェクト管理、会議ファシリテーション、アドオンの影響調査などがあります。

準委任契約において注意すべきは、請負と異なり、逆に明確なアウトプットが契約内容に書かれていない、もしくはアウトプットが作業報告点検書といったことが多く、クライアントからフリーコンサルのパフォーマンスやバリューが見えにくい点です。

そのため、アウトプットの出し方や、明確なゴールを事前に決めておくことで、アウトプットに対するお互いの認識のズレを埋めておく必要があります。例えば、プロジェクト管理であれば、PMBOKなど体系的なフレームワークまたはエクセルで納品するなど、アウトプットの出し方を詳細に確認しておくことが大切です。

「残業代の有無」「交通費」「支払いサイト」などトラブルになりやすい報酬に関しては事前の確認を

また、稼働と報酬の関係においても「定義した稼働時間に対する%で支払うパターン」「固定のパターン(何時間でもこの報酬は支払います)」があります。

特に、固定のパターンはトラブルになりやすく、残業代の有無という項目を見過ごし、実際に働いた時間にかかわらず月の報酬額が変わらなかったというケースもあります。そのため、事前にプロジェクトにおける想定残業時間を確認し、何時間以上は働かないといった契約を結ぶか、残業代が支払われるよう交渉することをおすすめします。

また、交通費もトラブルになるケースが多いようです。フリーコンサルの暗黙のルールとしては、基本的に単価に通勤費が含まれるケースが多いようです。 ただし、特に注意すべきなのが旅費や移動で用いるタクシー代のこと。上記が月の単価に含まれるのかどうかの確認も契約書を交わす前に確認しておくべきでしょう。

もう一つお金の面でトラブルになりやすいのが「給料の支払サイト」です。準委任契約の場合は、プロジェクトにアサイン後、給料の支払いが2か月先になるケースが多く、1か月分の生活費は事前に溜めておく必要があります。一方、請負契約の場合は、給料がアウトプットベースで支払われるため、場合によっては数か月支払いがないケースもあります。 給与の支払いが案件期間が終わった後になるのか、それとも月々で仮払いされるのか等々、支払いサイトの事前確認は必ずしておきましょう。

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今回の記事では、フリーコンサル「初回の」単価(ギャラ)交渉・契約時における注意点についてお伝えしました。

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