投資銀行(IBD)転職の「逆質問」では何を聞くべきか【投資銀行の実態を見抜くための方法】

今回の記事では、投資銀行に転職する際の面接における「逆質問」では何を聞くべきか、投資銀行の実態を見抜くためにはどういった質問がクリティカルか、理由とともに挙げていきます。

【目次】

  1. 投資銀行の面接とは
  2. 逆質問で今後一緒に働く人物の評価ができる
  3. 投資銀行の転職における「逆質問」の例
  4. あまりしない方がいい逆質問の例

投資銀行の面接とは

基本的に投資銀行(日系・外資系を問わず)では、30分×2~4人の数セットで面接を実施します。
MD、ディレクター、VP(ファームによってはアソシエイト)以上のバンカーと1-on-1で行うことが一般的です。
海外との協働も多いため、海外オフィスのバンカーとの電話・ビデオ面接が行われることがあるのも特徴。
投資銀行でもほかの会社と同様に、採用においてキーマンとなる人物(多くの場合チームヘッドやMD)から高い評価を受けることが特に重要です。

また、地頭の良さを確認するために、ほとんどのファームで以下のようなテクニカルチェック(知識チェック)を行います。

投資銀行でも様々なプロダクトがあり、応募している職種・業務内容に対する理解は重視されます。
例えばM&Aアドバイザリー業務であれば、
「一般的なバイサイドM&Aのディールプロセスを説明してください」などが質問としてあり得るでしょう。

ほかにも、
「競合他社はどこを受けているか」
「なぜ外資系(or日系)か」
「なぜM&Aチーム/キャピタルマーケットでなければならないのか」
などの質問が代表的です。

「FASから投資銀行に移りたい」と考えている人は、「現職でもM&A関連の業務はできるのに、なぜ投資銀行に行きたいのか」を明確に説明する必要がある点に注意しましょう。

これをうまく説明できないと「業務への理解が浅い」「志望度が低い」という印象につながってしまいます。
すると面接官から「なんとなく受けているな」と思われて、どれほど優秀な人材でも落とされる可能性があります。

応募先が過去にCloseした案件や、強みのあるセクターを見つけたら、事前に頭に入れておくのが望ましいです。特に最近ハイライトされた案件については、自分なりの視点を持って説明できるようにしてください。

逆質問で今後一緒に働く人物の評価ができる

「投資銀行で逆質問が大事」と言われる理由は、業界に対する理解度や志望度、今後一緒に働く人物の評価ができるためです。

テクニカルチェックや適性の結果も重要ですが、実は面接において候補者の志望度を測るためにもっとも重視されるのが逆質問です。

ここで面接官に対して、「彼はうちのファームについてきちんと調べてきているな」という印象を与えることで、初めて先へ進めます。

面接を受ける前には、応募先の投資銀行が直近2~3年程度で手掛けた案件をしっかりと調べ、どのような経緯でオリジネーションしたのか、案件で困難だったところは何だったかなど、話が膨らむようにしっかり準備しましょう。

そのうえで自分がどのように役立てるか、アピールできるようにしておくのが理想的です。

逆質問では、受けるファームや関連するディールに対して自分なりに仮説を持ち、仮説が正しいかを面接官に聞いてみることが大切。
仮説を持った逆質問を通じて、面接において重要な「志望度の高さ」や「業種への適性」をアピールできます。さらに「志望度の高さ」は会社や職種に対する理解や知識で、後者の「業種への適性」は、自身の性格やそれを表すエピソードを用いてアピールできるようになります。

投資銀行の転職における「逆質問」の例

以下は、代表的な逆質問の例です。

  • なぜ、面接官の方は外銀を選んだのか? (なぜ日系か)
  • チームの構成は?
  • オリジネーションの方針はあるか?
  • ディールフローは?
  • 海外オフィスとの連携の程度は?
  • どのような人材を評価するか、チームにほしいか?
  • 過去の特定の案件について、どのようなきつさがあったか?
  • XXの案件はXxのような難しさがあったと思うが、実際はどうであったか?

面接官に対して最初から「なぜ今のファームを選んだのか」を聞くのは抵抗があるかもしれません。ある程度会話をしてなじんできたところで話題を振るのであれば、スムーズに話を振りやすく、大きく減点される可能性も低いです。このような質問をすることでファームの社風も見えてきますし、受ける会社の理解にも役立ちます。

チームの構成についてもぜひ質問してみてください(少なくとも減点にはなりません)。今までM&Aやキャピタルマーケットの業務に関与したことのない人にとっては「実際にプロジェクトを何人くらいのチームで行うのか」イメージがつきにくいため聞いておきましょう。

オリジネーションの方針についても聞いてみてください。特に投資銀行によってはマーケティングの方針を絞っている会社も多いため、実際にどのようなアングルの提案をしているのかを知ることは重要です。入社後のミスマッチを避けるためにも役立ちます。

海外オフィスとの連携の程度も外資系を受けるうえでは理解することが重要です。海外バンカーの知見やネットワークをどの程度使用できるのかを理解して受ける必要があります。また外資系だと思っていたのに海外との連携が少なく、日本でのプレゼンスや重要性が低いとなると、あまり期待通りではないというミスマッチもあり得ます。

若手の未経験者にとっては自分の経験値を上げるために、「英語を使用する状況を自分から増やさなければ付加価値がない」と考える人もいます。そのため外資系でも海外との接点が多いかどうかを考えながら受けるのも一つの方法です。

ディールフローに関しても、自分が受けているファームにどの程度の案件があるのか面接を通じて理解することは重要です。外資系でもディールがまったくなくて経験が積めず、ピッチだけになってしまうという状況だとバンカーとしての経験値も積めません。結局カバレッジとやっていることが変わらなくなってしまいます。
また東京でのディールフローの場合、シニアバンカーの質やリレーションによってかなり変わってしまうため、そのあたりも注意して受けましょう。

米国の場合、ブティック系の投資銀行ではそれなりに案件もあり給与水準も高いですが、日本でもディールフローが多いかどうかはしっかりと検討する必要があります。

次にどのような人材を評価するか、チームにほしいかという点は、入社後のイメージを作るうえで大切です。実際に案件で活躍しているジュニアがどのような人かを聞けるため、自分がそのファームに合うかどうかを判断できます。

過去の特定の案件について、どのようなきつさがあったかという質問は、自分自身で受けているファームの過去案件を調べて、実際に担当したであろうバンカーに質問することが可能です。

入社を真剣に考えていることをアピールできますし、実際に面接官がどのような態度で仕事に臨んでいるかを判断するのに役立ちます。なおこの質問は「XXの案件はXxのような難しさがあったと思うが、実際はどうであったか」という質問と重複するため、相手に応じて使い分けてみてください。

あまりしない方がいい逆質問の例

ここでは、実際の面接で逆質問には選ぶべきではないものを紹介します。

  • 1日の労働時間は?
  • 仕事はきつくないか?
  • プライベートの時間はあるか?
  • 最近の案件はなにか?

このような質問は当たり前すぎる、もしくはあまり意味のない質問であることがほとんどです。調べればわかる内容、当たり前すぎる内容を質問すると評価が下がるため控えましょう。

特に1日の労働時間に関しては調べればわかることですし、投資銀行であれば激務な環境であることが有名なため、質問する意味がありません。特に日本のサイトよりも海外の投資銀行向けの就活サイトなどでリアルな状況をうかがい知ることができます。

仕事のきつさに関しても、投資銀行は基本的に法人相手のサービスであり、求められるレベルは高くストレスフルな環境であることが想像できます。(特にディールが佳境に入ったときなど)
プライベートの時間に関しても、若いうちにはそこまで期待できないうえ、何よりも仕事にコミットすることが求められます。その点も理解したうえで質問をしなければ、評価を下げる可能性があります。

最近の案件に関する質問も、受けるファームがアドバイザーとして関与した案件や、直近のリーグテーブルでのランキングなどは調べればわかることです。質問してしまうとリサーチ力がない印象を与えるため注意しましょう。

最後に投資銀行を受ける際のポイントをお伝えします。
投資銀行では経験者という前提(特に外資系)で採用することが多いですが、未経験でポテンシャル採用を狙う場合にはそれなりに準備が必要です。

特に財務やコーポレートファイナンスに関する分析や知識については、事前にしっかりと頭に入れて臨む必要があります。逆質問という観点では、(また未経験者の場合は)、志望職種に対する理解や素直さ、キャッチアップできるかどうかも見られます。そのため仮説構築力や地頭の良さをアピールできるようにすること、業界に関連するニュースや本気度を確かめられてもうろたえないようしっかり準備を行うことが大切です。

また志望度の高さを伝えるためにも、実際に受けているファームが過去に関与した案件については、担当したであろうバンカーが面接官になる際に調べ上げておくと「志望度が高いのだな」という印象につながるため、時間があれば準備しておきましょう。特に未経験者の若手であればそれなりにプラスに働く可能性が高いです。

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コンサルファームから投資銀行(IBD)への転職後、活躍できるコンサル・できないコンサルの違い
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今回の記事では、投資銀行への転職の際に「逆質問」では何を聞くべきか、投資銀行の実態を見抜くためにどういった質問がクリティカルかを理由とともにお伝えしました。
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