ファンド出身者一覧(有名経営者・CxO)【スタートアップ・ベンチャー業界で活躍できる共通の理由とは】

日本国内のスタートアップ・ベンチャーにおいて、PFファンド出身の経営者やCxOの活躍には目をみはるものがあります。本稿では、PEファンドからスタートアップ・ベンチャーへ転じた代表的な経営者やCxOの経歴を紹介すると共に、彼らに共通している成功要因を分析・解説していきます。
※2022年2月時点での情報です

【目次】

    1. スタートアップ・ベンチャーで活躍するPEファンド出身者①ラクスル株式会社取締役CFO 永見世央氏
    2. スタートアップ・ベンチャーで活躍するPEファンド出身者②ストリートアカデミー株式会社 代表取締役 藤本崇氏
    3. スタートアップ・ベンチャーで活躍するPEファンド出身者③WealthPark株式会社 取締役副社長 間瀬裕介氏
    4. スタートアップ・ベンチャーで活躍するPEファンド出身者④株式会社Paydy 取締役CFO 藪内悠貴氏
    5. スタートアップ・ベンチャーで活躍するPEファンド出身者⑤株式会社ビザスク 代表取締役 端羽英子氏
    6. スタートアップ・ベンチャーで活躍するPEファンド出身者⑥スマートニュース株式会社 執行役員 松本哲哉氏
    7. スタートアップ・ベンチャーで活躍するPEファンド出身者⑦株式会社ココナラ 代表取締役会長 南章行
    8. スタートアップ・ベンチャーで活躍するPEファンド出身者⑧株式会社ハウテレビジョン 代表取締役社長 音成洋介氏
    9. スタートアップ・ベンチャーで成功/活躍できている要因①高度なファイナンシャルスキルに基づいた資本戦略の推進力が高い
    10. スタートアップ・ベンチャーで成功/活躍できている要因②企業価値を上げるための豊富な経営経験が活かせている
    11. スタートアップ・ベンチャーで成功/活躍できている要因③PEファンド出身者のネットワークを活用できている

スタートアップ・ベンチャーで活躍するPEファンド出身者①ラクスル株式会社取締役CFO 永見世央氏

テクノロジーを活用して印刷・運送業界にイノベーションを起こそうとしているラクスル株式会社の取締役CFOである永見氏は米系PEファンド「カーライル・グループ」出身です。
永見氏は、2004年に慶應義塾大学総合政策学部を卒業後、みずほ証券株式会社にてM&Aのアドバイザリー業務に従事されました。その後、2006年から約7年間、米系のPEファンドである「カーライル・グループ」に所属し、バイアウト投資と投資先の経営および事業運営に関与されました。カーライル・グループを退職後、株式会社ディー・エヌ・エーを経て、2014年4月に当時わずか15人程度であったラクスルに入社しました。ラクスル入社後、取締役CFOとして2018年5月の東京証券取引所マザーズ市場IPOを牽引し、今では時価総額1,000億の企業へ成長させています。また、ペンシルバニア大学ウォートンスクールにてMBAを取得されています。

※参考:https://corp.raksul.com/about/officer/

スタートアップ・ベンチャーで活躍するPEファンド出身者②ストリートアカデミー株式会社 代表取締役 藤本崇氏

“まなびの選択肢を増やし、自由に生きる人を増やす”というミッションを掲げ、「教えたいと学びたいをつなぐ」スキルシェアリングサービス「ストアカ」を展開するストリートアカデミー株式会社の代表取締役社長を務める藤本崇は、「カーライル・グループ」出身です。
藤本氏は、米コーネル大学工学部修士課程を卒業後、ユニバーサルスタジオにてユニバーサル・スタジオ・ジャパン設立企画に携わりました。2000年に日本に帰国し、FedExに入社し、2004年には再度渡米しスタンフォード大学にて経営学修士(MBA)を取得されました。2006年に再び帰国し、カーライル・グループであるカーライル・ジャパンに入社し、企業買収・M&Aに従事した後、2012年7月にストリートアカデミー社を創業し、「ストリートアカデミー(現:ストアカ)」を立ち上げ、2021年10月時点で受講者満足度97.5%・累計受講者数91万人・掲載講座数6.4万件の規模のサービスへと成長させました。

※参考:https://corp.street-academy.com/company/

スタートアップ・ベンチャーで活躍するPEファンド出身者③WealthPark株式会社 取締役副社長 間瀬裕介氏

テクノロジーを通じたオルタナティブ資産のプラットフォームを作ることを通じ、すべての人が平等に投資機会をもてる社会を実現する「オルタナティブ投資の民主化」にチャレンジしているWealthPark株式会社の取締役副社長を務める間瀬氏は、「カーライル・グループ」とシアトルを拠点とするPEファンド「Taiyo Pacific Partners」の出身です。
間瀬氏は、東京工業大学大学院経営工学科を卒業後、みずほ証券にてストラクチャードファイナンスとM&A 業務に従事したのちに、カーライルグループにて4年間、投資家から集めた資金を未上場企業の株式に投資、経営に関与しながら企業価値を高め、最終的にはIPOなどを通じて得たリターンを投資家に配分する仕事に従事。その後、ロンドンでMBAを取得し、Taiyo Pacific Partners にて投資業務と投資先の経営に従事後、大学からの知人である川田代表が創業したWealthParkに参画。参画後、取締役副社長として、全社戦略、オペレーションの統括、プロダクト戦略やアライアンス戦略を管掌しています。

※参考:https://wealth-park.com/ja/news/20230501001_jinji/

スタートアップ・ベンチャーで活躍するPEファンド出身者④株式会社Paydy 取締役CFO 藪内悠貴氏(現在 株式会社enechain CFO)

後払いで買い物ができるスマホアプリ・サービス「paidy」を展開し、2021年7月にグローバルテック企業のPaypalが3,000億で買収した株式会社Paidyの取締役CFOを務める薮内氏も「カーライル・グループ」出身です。
薮内氏は、東京大学工学修士を取得後、JPモルガンでのM&A・資金調達アドバイザリー業務を経て、カーライル・グループにて投資評価・実行、企業価値向上施策から上場含むエグジットまで関与しました。その後、Paidyに参画し、現在は取締役CFOとしてpaypalグループ傘下となり急成長を遂げているpaidyのファイナンスを統括しています。

※参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000069751.html

スタートアップ・ベンチャーで活躍するPEファンド出身者⑤株式会社ビザスク 代表取締役 端羽英子氏

スポットコンサルティングサービス「ビザスク」を展開し、2020年3月にIPOを果たした株式会社ビザスクの代表取締役である端羽英子は日本のPEファンド「ユニゾン・キャピタル」出身です。
端羽氏は、東京大学経済学部を卒業後、ゴールドマン・サックスにて投資銀行業務、日本ロレアルにて予算立案・管理を経験し、MITにてMBAを取得。その後、「ユニゾン・キャピタル」にてPE投資に5年間携わった後、2012年にビザスクを立ち上げました。スタートアップでは珍しくベンチャーキャピタルからのエクイティ投資を極力抑え、創業者による経営ガバナンスを保持した状態でIPOを実現しました。IPO後も、レッドオーシャン化しているスキルシェアマーケットをリードしています。

※参考:https://corp.visasq.co.jp/company/officer

スタートアップ・ベンチャーで活躍するPEファンド出身者⑥スマートニュース株式会社 執行役員 松本哲哉氏

時価総額1,000億のユニコーンとして大型IPOが期待されているニュース閲覧アプリ「SmartNews」を運営するスマートニュース株式会社の執行役員である松本氏は「ユニゾン・キャピタル」出身です。
松本氏は、慶應義塾大学を卒業後、2006年にUBSへ新卒入社しました。投資銀行部門(IBD)でM&A業務を担当し、ロンドンと東京のオフィスでグローバル案件を多数手掛けました。その後2011年にユニゾン・キャピタルへ参画し、2015年からは投資チームディレクターとして、投資・企業価値向上活動全般に携わります。2019年7月にスマートニュースへ入社し、Vice President of Corporate Planning and Finance(執行役員 経営企画担当 兼 ファイナンス担当)として、事業戦略の策定や組織・人事戦略の立案、資本調達を担当しています。

※参考:https://initial.inc/articles/smartnews-usa-2

スタートアップ・ベンチャーで活躍するPEファンド出身者⑦株式会社ココナラ 代表取締役会長 南章行氏

知識・スキル・経験を売り買いできるスキルマーケット「ココナラ」を展開する株式会社ココナラの代表取締役会長である南氏は、日系PEファンド「アドバンテッジパートナーズ」出身です。
南氏は、慶応義塾大学を卒業後、英国オックスフォード大学経営大学院を修了しました。その後、三井住友銀行でのアナリスト業務を経て、アドバンテッジパートナーズにて7年間勤め、企業投資や投資先の経営に従事しました。その傍らでNPO法人ブラストビート、NPO法人二枚目の名刺の立ち上げに参画しました。2012年1月にココナラの前身にあたる株式会社ウェルセルフを設立し、2021年3月にIPOを果たし、群雄割拠のスキルシェアマーケットをリードしています。

※参考:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000013.000045956.html

スタートアップ・ベンチャーで活躍するPEファンド出身者⑧株式会社ハウテレビジョン 代表取締役社長 音成洋介氏

「外資就活ドットコム」などの特定ターゲットに特化した就活・転職サイトを運営する株式会社ハウテレビジョンの代表取締役社長を務める音成氏は「アドバンテッジパートナーズ」出身です。
音成氏は、東京大学農学部を卒業後、バークレイズ証券株式会社投資銀行本部にて、事業法人並びに金融法人の債券発行業務に従事。その後、アドバンテッジパートナーズに移り、非公開企業/公開企業へのバイアウト投資・マイノリティ投資と経営支援業務に従事しました。2010年にハウテレビジョンを創業し、2019年4月にIPOを果たし、その後も採用マーケットにおける情報の非対称性の解消に挑み続けています。

※参考:https://howtelevision.co.jp/company/leadership/

スタートアップ・ベンチャーで成功/活躍できている要因①高度なファイナンシャルスキルに基づいた資本戦略の推進力が高い

紹介した8人のPEファンド出身者のうち創業者であるココナラ南氏、ストリートアカデミー藤本氏、ビザスク端羽氏、ハウテレビジョン音羽氏の4人を除けば、WealthPark社の間瀬氏以外は全員が資金調達関連のミッションです。PEファンドでの投資業務を通じて身につけた高度なファイナンシャルスキルという最大の強みが、スタートアップやベンチャーの資本戦略の推進に活かされていることは自明です。

スタートアップ・ベンチャーで成功/活躍できている要因②企業価値を上げるための豊富な経営経験が活かせている

CFOミッションの3人以外は、全員が全社経営に責任を負っています。そのうちココナラ、ビザスク、ハウテレビジョンの3社はIPOを果たし、その後も事業を順調に伸長させています。「投資先の経営にハンズオンで参画。企業価値を上げた上でエグジット(IPO/売却など)し、ファイナンシャルリターンを得てきた」確かな経営力が、自ら創業した会社の成長を牽引できている大きな要因になっているのは間違いありません。

スタートアップ・ベンチャーで成功/活躍できている要因③PEファンド出身者のネットワークを活用できている

PEファンドの社数は他業態と比べると少なく、且つ少数精鋭であるため、PEファンド卒業後も強い人的ネットワークが構築されており、交流も盛んです。したがって、スタートアップやベンチャーへ転身した後も資金調達やIPO時の主幹事証券の選定などの資本戦略や経営に関する情報交換、更には自身がスタートアップ業界へ転身する際の相談など、密度の濃いネットワークが構築されていることも1つの成功要因に違いありません。

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今回は、PEファンドからスタートアップ・ベンチャーへ転じた代表的な経営者やCxOの経歴を紹介すると共に、彼らに共通している成功要因を分析・解説しました。
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