コンサルファームから監査法人アドバイザリーへの転職時によくある質問と回答例

「より専門性に基づいた企業への支援が行いたい」「ワークライフバランスを保ちながらコンサルティングに近い業務がしたい」といった理由から、監査法人アドバイザリーへの興味を持つ方が直近増えています。

一方で、Big4など、監査法人とコンサルティングファームが同グループにある場合でも、コンサルティングファームと監査法人では在籍するメンバーのバックグラウンドや、デリバリーで求められるポイントが大きく異なります。

そこで、今回は監査法人のパートナーからお聞きした情報を元に、ファームから監査法人アドバイザリーへの転職時に実際によくいただく質問と、その回答例についてお伝えいたします。

【目次】

  1. 「求められるスキルやデリバリーの質が違うので、バリューを発揮しにくいのではないか?」
  2. 「会計士以外でもプロモーションできる環境はあるのか?」
  3. 「ファームで求められる”ふるまい”が、アドバイザリーでも是とされるのか?」
  4. 「『監査法人の方がWLBが良い』というイメージがあるが、その理由は?」
  5. 「WLBは良くなるとしても、その分年収が低くなるのではないか?」

「求められるスキルやデリバリーの質が違うので、バリューを発揮しにくいのではないか?」

コンサルと監査法人での「求められるスキル」や「バリューの出し方」の違いに関してよく質問をいただきます。

監査法人ではファームと同様に「ロジックのレベルの高いデリバリー」が必要となりますが、より「特定の企業だけでなく、公に誰が見ても正解である回答」を出すことが求められます。

監査法人の場合、カウンターパートがCxOや経営企画であることが多く、デリバリーの資料がCxO間の会話の前提知識となることもあります。また、その資料を基に、株主や記者会見での報告を求められることもあります。 さらに、監査法人によっては政府に介入し、「政府が出すクラウドのスタンダード作りを支援」のような「社会を定義するための物差しづくり」に関わることもあるようです。

そのため、特定の企業だけを解決する考え方・知見ではなく、法制度のようなルールを用いて「誰が見ても完璧な答え」をデリバリーで求められます。

実際に監査法人アドバイザリーの採用についてパートナーの方々にお聞きすると、「ロジカルシンキングを重視しており、より問題に対して深く突き詰めて考えられるかを見ている」とご回答いただくことがあり、面接においても、候補者がプロマネなどのタスクの経験について説明する時に、結果ではなく「成功要因・失敗要因を正確に分解して、再現性を持って表現できる人がアドバイザリーの素養がある」とのことでした。

中には、コンサルティングファームから監査法人に入られたものの、「法律に則って決まった事を行う事よりも、解が存在しない中で提案するコンサルの方が自分に合っていた」など、ソリューションそのものを生み出していくコンサル職へ再転職を希望される方もいらっしゃるようです。

「会計士以外でもプロモーションできる環境はあるのか?」

「会計士資格を持ってないケースでも、プロモーションは可能なのか?」というご質問をよくいただきます。

先のパートナー曰く「アドバイザリー業務(非監査証明業務)を重視している監査法人であるほど、会計士以外でもプロモーションしやすい環境がある」「指標として、監査証明業務と非監査証明業務の売り上げの比率に左右される」と回答いただきました。

Big4でも、それぞれ監査証明業務と非監査証明業務の売り上げの比率に違いがあります。 2018年度の売上平均(Big4)は、監査証明業務が約70%、非監査証明業務が約30%です。

しかし、中には比率が1対1に近く、非監査証明業務にも力を入れている監査法人もあります。 売上比率が多い分、会計士資格の必要とされない非監査証明業務の部門でも会社全体での発言力や政治力が高まることから、非監査証明業務の売上比率が高いほど自然と会計士以外の方もプロモーションを果たす機会が増えると考えられます。

特に、直近ニーズの高いIT系案件を手掛けるアドバイザリーチームであれば、会計士にとってあまり親和性がない領域だけあって、デリバリーで能力を発揮すると組織への貢献度も認められやすく、プロモーションしやすいようです。

実際に、大規模システム監査でベンダーでさえ見抜けなかったリスクを未然に防ぎクライアントから大きな信頼を得た結果、組織への貢献度を認められたことが、パートナーのプロモーションにつながったという方もいらっしゃいました。

「ファームで求められる”ふるまい”が、アドバイザリーでも是とされるのか?」

「day1からどのようにふるまえば良いのか?」「コンサルティングファームで求められているようなふるまいが、アドバイザリーでも是とされるのか?」等々、監査法人での”ふるまい方”に関する質問もよくいただきます。

コンサル時代のふるまいや考え方がベースとして求められる一方で、アドバイザリー部門には会計士資格を持つ方も多く在籍しており、チームメンバーである会計士の「仕事の進め方」や「考え方」を踏まえて行動することが良質なデリバリーやキャリアアップにつながるようです。

昨今では監査証明業務だけでなく「テクノロジーの導入に伴う未知のリスクへの対応」「テクノロジーの進化を踏まえた、内部統制(J-SOX/US-SOX)の高度化、効率化に関するコンサルティング業務」など、非監査証明業務のニーズが増えていることから、その分野の強化も法人内では急務となっており、監査六法では見つけ出せないリスクの発見(サイバーリスクなど)や、「テクノロジーを用いた効率化」のような新しい問題を提起できるという、コンサルタント時代の挙動が法人内でも求められる傾向にあるようです。

ただし、会計士以外の比率が多い法人やチームであっても、アドバイザリー部門は立ち上げたばかりのことも多く、当然ながら会計士資格を持つ方とチームを組んで仕事を進めていくこととなります。 Big4のアドバイザリー部門パートナー曰く、会計士は監査六法など明確な基準に照らし合わせて解を出していくことに慣れているため、ルールや上からの指示を優先して仕事を進める傾向があるようです。

そのため、入社後にいきなり上司やメンバーに対しアグレッシブに反対するような姿勢で仕事を進めるのではなく、メンバーの意見を尊重し、個人ではなく「チームとして」お客様に最高のものを提供するような挙動を取ることが大切なようです。

「『監査法人の方がWLBが良い』というイメージがあるが、その理由は?」

「監査法人はWLBが良い」と知人やインターネットなどで知り、その具体的な理由についての質問も多くの方からいただきます。

パートナーの言葉を借りると「コンサルは、クライアントのハードルをクライアントの代わりに飛ぶのが仕事」であり、「◯◯の導入を行う」など、企業の課題を直接コンサルタントが解決するケースが多いため、自然と客先への常駐が多くなります。

一方で、「アドバイザリーは、クライアントが自分でハードルを飛べるようにすることが仕事」とのことで、例えば内部統制アドバイザリーはあくまでも経営リスクを未然に防ぐためのアドバイザリーであり、経営課題を解決するのはクライアントになります。そのため常駐して課題を解決するまで案件を追いつづける必要はないようです。

また、先述したように監査法人アドバイザリーで求められる法制度や上場基準といった専門性は、特有の会社に常駐すれば手に入れられるものではないため、逆をいえば特定の会社に常駐し続ける必要もなく、その結果としてWLBが良くなるようです。

実情としては、Big4のアドバイザリー部門のパートナーにお聞きしたところ、2つの法人で月の平均残業時間が20時間程度、2つのチームで30時間程度でしたが、一方でコンサルティングファームの場合、40時間程度のチームが多くありました。監査法人は常駐がないため働き方がクライアントに左右されにくいだけでなく、残業時間に関してもファームと比較して実際に良い状況にあるようです。

「WLBは良くなるとしても、その分年収が低くなるのではないか?」

ファームから監査法人へ転職した際の年収差についての質問をよくいただきます。

結論としては、監査法人とファームを比較した際に、同タイトルでの年収は約100万円ほど監査法人が下がることが多いようです。

(例)
マネージャー 監査法人アドバイザリー:950万円~1100万円 /ファーム:1000万円~1300万円
シニアコンサル 監査法人アドバイザリー:700万円~ 950万円 /ファーム:750万円~1000万円

(転職事例)
日系ファーム・40代マネージャー年収1050万
→監査法人へ年収950万でオファー(マネージャー)

ただし、補足としてSAP、AI、サーバーセキュリティなど、直近ニーズの高い案件で結果を出された方の場合は、年収オファーがファームより高いこともあるようです。

ITやERP導入の領域において高い結果を残したコンサル、またはITガバナンス、システムリスク/システムレビュー/サイバーセキュリティ/プライバシー/データ/ロボティクスなどのシステム導入におけるPM、開発まで深く携わってきたエンジニアの方には、直近下記のような数百万円アップのオファーも提示されております。

(転職事例)
外資系ファーム年収600万円 SAPの導入、ITコンサルから
→監査法人へ年収800万円でオファー

詳しくは以下の記事にまとめておりますので、ぜひあわせてご参考ください。
(参考)「「ITコンサルから監査法人アドバイザリー」というキャリアパスとその際の注意点」  

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今回の記事では、コンサルファームから監査法人アドバイザリーへの転職時によくある質問と回答例についてお伝えしました。

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