【実録】「使えるコンサル・使えないコンサルの違い」

事業会社マネージャー~経営層の方にお会いし、コンサルティングファームの評判をお聞きすることがあります。

事業企画や経営企画の業務を進める上で、社外のコンサルタントと協同して企画を策定する際に、社外のプロフェッショナルと一緒に仕事をすることで企画担当としては襟を正すことができ、企画の内容をよりしっかりとした厳しいものとすることが期待できるようです。

しかしながらコンサルタントによっては、得るものが少なかったり議論を帰って空転させてしまうようなケースもあるようです。

そこで今回は、事業会社のCxOクラスや事業マネージャー、企画担当者などに実際にお聞きした、「使えるコンサルタントと使えないコンサルタントの違い」や「本心としてコンサルタントに求めていること」をまとめてお伝えします。

【目次】

  1. 使えるコンサルタントの特徴とその理由①「企画策定業務の偏りをコントロールできる」
  2. 使えるコンサルタントの特徴とその理由②「社内の議論の質を高めることができる」
  3. 使えるコンサルタントの特徴とその理由③「アウトプットの質を向上させることができる」
  4. 使えないコンサルタントの特徴とその理由①「計数能力・言語化能力が低い」
  5. 使えないコンサルタントの特徴とその理由②「リーダーシップを履き違えている」
  6. 使えないコンサルタントの特徴とその理由③「戦略的思考の自由度が低い」
  7. まとめ~コンサルタントに「本当に期待していること」とは?

使えるコンサルタントの特徴とその理由①「企画策定業務の偏りをコントロールできる」

社内の事業企画業務が継続的にモニターされている場合、担当者間ではそれまでの事業実績に関する様々な情報が前提として共有されています。しかし、社外から参加するコンサルタントにはこの情報は前提知識として共有されていません。
このため、社内の担当者の意見はコンサルタントにとっては理解しづらかったり、時には間違っているように受け止められることがあります。

一方で、「こういった場合、コンサルタントの持つ客観的な視点が、社内で共有されている常識が検討されずに受け入れられているのかもしれないことに気づかせてくれることがある」とのことです。
既存の事業に関して論じるならば、自社にとって重要性の高い事業のついての情報は豊富で、分析も深く行われているでしょう。一般的には売上の高い事業、利益の大きい事業や企業の創設から続く歴史の長い事業などがこれにあたります。

このような事業に対しては社内で関係している社員も多く、重要な役職についていることが普通です。彼らの意見は誰ももう一度見直したりせず、またその意義を再検討したりしないで何年も社内で常識として通用していることがあります。社外のコンサルタントの立場からはこういったことについて、不合理であると思われる点を指摘することができるため、存在価値が高いようです。

また、会社のこれまでの履歴にとらわれず、事業や戦略のポートフォリオを現在視点で見直してリフレッシュしたスタートを設定できるなど、社内のパワーバランスから自由であることもコンサルタントを使う大きなメリットのようです。ただし、これができるためには、コンサルタント自身が独力で事業分析や事業企画を行う能力が求められるでしょうか。

使えるコンサルタントの特徴とその理由②「社内の議論の質を高めることができる」

戦略策定に当たって、コンサルタントが多用する戦略ツール。特に大手のコンサルティングファームは経営や事業の情報を整理する際にそれぞれに工夫したツールを使うことが一般的でしょうか。

また、ドラッカーやマイケル・ポーターの戦略論をベースとしていますが、SWOTやPDCAといった基本的なツールについても幾つものバリエーションがあり、コンサルタントごとに使い方や解釈が少しづつ違うでしょうか。

大手IT系ベンチャーのCOOにお聞きしたところ、「優れたコンサルタントは情報ツールを使いこなして、方向性のある議論を進めることが出来る」とのことです。また、「ツールの特徴と弱点を理解しているコンサルは、先にチャートやテーブルを作る作業を課するのではなく、議論を進めながら最終的にツールの情報が合意、共有されるように作業を進めていくことが出来る」という特徴があるようです。

ただし、「事業企画策定のフレームワークとしてこのような戦略ツールを形式的に使うと、表面的なことばかりが記入されただけの穴埋め作業になってしまって議論の役に立たないことが少なくない」とのことです。どうやって事業を拡大するかという議論はツールに書かれた情報とは全く関係なく進められてしまう危険性もあることは肝に銘じておくべきでしょうか。

使えるコンサルタントの特徴とその理由③「アウトプットの質を向上させることができる」

ご存じの通り、社内で策定された経営戦略や事業企画は何らかの形で外部に対してプレゼンテーションされます。相手は企画内容についての意思決定を行うことのできる主体であり、経営会議などの上位の会議体が一般的ですが、投資家若しくは出資銀行などに向けて説明する場合もあります。

このような場面では企画策定の段階で討議された状況とは全く違うレベルで企画の内容が受け止められることになります。事業部や経営企画だけで策定された戦略は内部の視点がベースになっているため、外部の目で見ると重要な部分が抜けていたり情報の形式が違っていて議論がかみ合わなかったりすることがあるようです。

当然ながら、同じ内容の企画であっても、内部のメンバーだけで作ったものは内輪の意見を確認するような内容になりやすいでしょうか。
一方で、コンサルタントは社外の視点から企画プロセスに参加していますので、常にチームの外から作業を見ていることが出来ます。企画内容についてもどのように説明するかということを外部の視点で評価することが出来るため、企画内容が確定した時点でプレゼンテーションは最初から外部の人間に向かって作成することができます。

「優れたコンサルタントがリードした戦略プレゼンテーションは、策定したメンバーたちにとってもその内容について、経営層や事業投資といった高い次元から再確認する機会を与えてくれる」という声もお聞きしました。

使えないコンサルタントの特徴とその理由①「計数能力・言語化能力が低い」

一方で、コンサルタントの中には分析ツールやチャートに振り回されて、使いこなすことができない人が少なからず見られるようです。

お聞きした大手通信系企業の企画部門長曰く「こういったコンサルと仕事をすると、ツールを使うこと、テーブルのブランクを埋める作業に注力してしまい、戦略業務の方向性を見失ってしまいがち」とのことです。分析の途中で現れたちょっと目を引く数字に強く反応したり、数値の背景となっている状況を読み取るのにコンサルタント自身の思い込みを払拭できない場合もあるようです。

また、「分析や討議の内容を戦略に落とし込む際に、結論を自分の使い慣れたキーワードに結び付けようとしすぎるあまり、表現が形式的になってしまうこともある」とのことでした。
戦略論を教科書的に理解してはいても実際の事業経験が希薄なため、理論と現実を結びつける実践感覚が弱いケースもあるようです。数字の背景を読む洞察に乏しいケースも、同じ要因でしょうか。

結果的に内容の乏しい、直感的にずれた感じのアウトプットが並び、作業が停滞するか空中分解するような形で消滅することになってしまうようです。作業に費やした時間が無駄になる上、将来にわたって企画という業務自体に対する他部門からの期待値を下げてしまうことになりかねません。

使えないコンサルタントの特徴とその理由②「リーダーシップを履き違えている」

「コンサルタントは一般的な意味での戦略・企画を立てる作業には習熟していますが、個別の事業やそれぞれの企業の経営についての内容を熟知しているわけではない」という指摘もありました。ところが一部のコンサルタントは自分のやり方で到達した結論に向かってクライアントの意思決定を引き入れることが自分の役割と理解している場合があるようです。

売上が思うように伸びない、利益が上がらない、人件費が上がっているのに生産性が伸びない、マーケットシェアを失っている、新製品の開発が遅れている。企業の抱える問題は形式的にはいくつかの類型に分けられ、どこも同じような課題を掲げているものの、多くの場合、社内で何かの対策を取ろうとしながら努力が結果に現れていないことが多いでしょうか。

こういった状況で、「集中と選択」「イノベーション」「コアコンピータンス」などといった歯切れの良い戦略用語を使えば、それに合うように現実を読み替えて何がしかの企画に到達することができるものの、こういったコンサルは事業会社のメンバーの意見を批評するような態度をとることが多く、本音を聞きだすことが出来ないというケースが多いようです。

結果として、「通り一遍の分析とどこかで聞いたようなフレーズが多用された企画書になり、実際の事業を行っている立場の人には具体的な活動のイメージとして響かない、きれいですがうつろな「紙の上の戦略」になりがち」という指摘もありました。

使えないコンサルタントの特徴とその理由③「戦略的思考の自由度が低い」

事業効率を改善するにせよ、利益率を上げるにせよ、前向きな戦略は今までにやっていないことを実現することを目標とします。現在できていないことをどうやったら実現できるのかという問いかけに答えるためには、目的の達成にいたる様々なアプローチが描かれなければなりません。その上で現在の自社の状況を鑑みて可能性の高いものを選択していくことになります。

必ずしもコストをかけて経営資源を買ったりしなくても、社内に潜在していることも少なくないでしょうか。成功率が高いと思われるプランは以前に一部の有志でやってみて失敗したため、二の足を踏むかも知れません。ただ、同様の目的の達成のために何かを切り落としたり、削減することで簡単に実現できる場合もあります。

しかし、「目的を達成するための対策は三段論法のような単純で直接的な考えでは実現性に乏しいもの」という声も事業マネージャーからよくお聞きします。関係者の意欲を高め、達成することの意義を皆が共有できる企画には創造的な思考プロセスが求められるようです。

こういった状況で戦略思考というものをコンサルティングのスキルとして形式化してしまうと、企画という作業は選択肢とオプションの組み合わせのようなものになってしまいがちという指摘もありました。結果的にクライアントのマネジメントがあらかじめ用意して置いたような戦略に落ち着いたり、社内の多数意見に阿った無難な結論に至るのであればコンサルを使う意味はないと実感されることも多いようです。

まとめ~コンサルタントに「本当に期待していること」とは?

事業マネージャーや企画担当者に「外部のコンサルタントに期待していること」を伺ったところ、一番多かったのは「社内の議論を活性化し、フラットな忌憚のない場を作って方向性のある戦略を見つけ出すようにリードする役割」でした。

大手メーカーの事業担当者にお伺いしたところ、「実際のところ、数ヶ月に亙るコンサルとの戦略策定作業の中でそれまでに考えたことのなかった新しい戦略が生まれるというようなことは全くといっていいほどありません」とのことでした。「社内の企画担当者会議やブレーンストーミングで出された内容が殆ど」「事業活動担当者との一対一の個別のフリーディスカッションまで含めればもっと過激なオプションも話したことがある」ようです。

一方で、上記の方曰く「我々にとって難しいのはこういったそれぞれのアイデアを実践的に考察し軽重をつけて、事業や経営といった上位の意思レベルできちんと評価すること」であり、「社内の議論はいつの間にかこれまでの事業活動や上位者の意向に基づいたものになり、判断の基準自体が偏っていることがあります。この張り巡らされたフィルターを外すことがコンサルタントの存在価値が最も高いところ」のようです。

一歩引いたところから現在の企業活動を客観的な視野で捉えなおすためのステージを準備することができるコンサルタントは、事業企画者の冷静な考察を引き出すことができ、事業実行者の言葉で書かれたオリジナリティの高い戦略は難易度が高くても社内の合意を得やすく、実行計画書へのブレイクダウンが非常にスムーズに行われる実践的なアウトプットが期待できるようです。

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<コンサルタントのキャリアに関する記事>

【実話】経営企画に転職した元戦略コンサルにありがちな失敗とその対策
https://www.axc.ne.jp/media/change-jobs-knowhow/stconsulk

(参考)なぜベンチャーの経営層にはコンサル出身者がいることが多いのか?
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/venturefromfirm

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今回の記事では、事業会社のCxOクラスや事業マネージャー、企画担当者などに実際にお聞きした、「使えるコンサルタントと使えないコンサルタントの違い」や「本心としてコンサルタントに求めていること」をお伝えしました。

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