SAPコンサルタントのなり方“未経験向け”【主な3つのルート】

SAP社が提供するERP製品の導入検討・要件定義・構築等に携わる“SAPコンサルタント“は、「2027年問題」で昨今人材が不足していることから、そのニーズは年々高まっております。また、SAPコンサルタントは、上流工程を担当できたり、高年収が期待でき、魅力的なポジションであることから人気も高いです。

今回の記事では、SAPコンサルタントへのキャリアチェンジを考えられている方に向け、SAPコンサルタントになるための3つのルートについてご紹介します。

【目次】

  1. SAPコンサルタントとは?仕事内容は?求められる能力は?
  2. 未経験者がSAPコンサルタントになれるのか?採用動向は?
  3. SAPコンサルタントになるためのルート①SAPを扱うコンサルティングファームへの入社
  4. SAPコンサルタントになるためのルート②:SAPを扱うSIerの入社
  5. SAPコンサルタントになるためのルート③:SAP導入中/導入済のユーザ企業への入社

SAPコンサルタントとは?仕事内容は?求められる能力は?

SAPコンサルタントの役割は、企業の経営・業務課題を分析し、SAPを用いて解決することです。課題解決のために必要なシステムの要件を定義し、システムの設計・開発・本番移行およびプロジェクトマネジメントといったSAPの導入に必要な一連のタスクを担当します。SAPコンサルタントは、単に顧客の要望通りのシステムを作ればよい訳ではなく、SAPというシステムはあくまで「手段」としてとらえ、自ら課題を分析し解決策を提案していくアプローチでシステムを導入することになりますので、その点がSEやプログラマーとの大きな違いと言えます。

こういったソリューション提案型のアプローチでシステムを導入していくことから、SAPコンサルタントには、ITやSAPの知識だけでなく、高度なコンサルテーションスキルやユーザ企業の経営・業務に関する深い知識が必要とされます。

未経験者がSAPコンサルタントになれるのか?採用動向は?

「未経験からSAPコンサルタントになれるか?」という質問をよく聞きますが、結論から言いますと充分可能です。現在、現行バージョンであるECC 6.0の製造元サポートが2027年に打ち切りとなるため、多くの企業では後継となるS/4 HANAへの移行に着手しております。これに伴い、SIer・コンサルティングファーム各社ではシステム移行プロジェクトの受注が急増しており、SAP人材は不足している状況にありますので、各社も未経験者であっても積極的に採用している傾向にあります。

こういった状況から、SAPの経験がなくとも他のパッケージソフトの導入・運用保守経験やJavaなどによる業務アプリケーションの開発経験、DB設計の経験があれば専門スキルの互換性があるためSAPコンサルタントへのキャリアチェンジは十分に可能です。

一方で、上記のSE・プログラマーやコンサルタントに関する経験が全くない方が30代以降でキャリアチェンジするのはかなり難しいので、20代のうちに第二新卒枠でキャリアチェンジしてしまうことをお勧めします。特に、事業会社の業務部門での、経理・調達・営業といったSAPで取り扱う業務に関する実務経験があれば、実務経験に基づく地に足の着いたコンサルティングができると評価され、採用の可能性はより高くなります。

SAPコンサルタントになるためのルート①SAPを扱うコンサルティングファームへの入社

様々な魅力があるSAPコンサルタントになるための入り口として、主な3つのルートをご紹介します。

SAPコンサルタントとしてのキャリアを最短で歩むには、業務内容や成長スピード、給与の観点から、コンサルティングファームへの入社が最も望ましいです。一方で、仕事は精神的・肉体的にハードかつ年収が安定しないという側面もあります。我こそはという方は是非とも入社をお勧めします。コンサルティングファームへの入社のメリット・デメリットについて詳しく解説します。

SAPを扱うコンサルティングファームへの入社のメリット

メリット(1)最上流工程を確実に経験できる

SAPを扱うコンサルティングファームでは、企画から要件定義、設計・開発から本番移行、運用保守までSAP導入に関わるタスクを最上流から下流まで一気通貫で担います。IT業界でのシステム導入・運用保守の経験があれば入社直後から要件定義などの上流工程からスタートできることもしばしばあります。また、IT業界未経験もしくは経験が浅く、会議の議事録担当や下流のテスト工程から始めたとしても早ければ3ヵ月や半年後には上流工程を任せてもらえることが多いです。

メリット(2)成長スピードが速い

コンサルティングファームは基本的には成果主義ですので、否応なしに高いレベルでのアウトプットが求められます。仕事に対するモチベーションが高くて優秀なスタッフに囲まれて仕事をしていくこととなりますのでそんな環境下である故、スピード感を持って成長することができると言えます。

また、コンサルティングファームのSAP導入は、あくまでSAPを手段として用いて顧客の経営・業務課題を解決するというスタンスで進めますので、たとえ下流工程の作業であっても常に「そもそもこのソリューションは課題解決につながるか」といった目的意識が求められることから、ビジネス目線が身に付くという点でも成長スピードが早いと言えるでしょう。

メリット(3)高年収が期待できる

コンサルティングファームはメリット(1)(2)で述べた通り高い能力と成長スピードの早さが求められますので、高年収が見込まれます。会社や査定結果にもよるのですが、20代で年収800万円超えを狙うことも十分可能とのことです。

SAPを扱うコンサルティングファームへの入社のデメリット

デメリット(1)入社難易度が高い

上流工程を担当できることや、高年収であることから非常に人気が高く、狭き門と言えるでしょう。かつ企業側が求める人材の水準も高く、特に論理的思考力やコミュニケーション能力が厳しく求められ、たとえITに関して経験豊富であったとしも、これらのスキルが水準に達していなければ合格できません。とは言いつつも、人材不足に悩まされている昨今、ある程度の実務経験があれば合格の可能性はありますので、挑戦する価値は充分あるかと思われます。

デメリット(2)肉体的・精神的な負荷が高い

高年収かつ高い成果と早いスピードでの成長が求められるため、肉体的にも精神的にもかなり負荷がかかります。昨今、コンサルティングファームでも働き方改革が進んでいるとは言いつつも、顧客からは依然高い水準のアウトプットが求められます。求められている成果と自身の能力が釣り合っていない場合はこのギャップを時間で補う必要も出てくるので、必然的に深夜におよぶ長時間労働が慢性化しがちです。このような厳しい働き方に耐えられず会社を辞めてしまう方や、最悪うつなどで身体を壊してしまうような方も多いとのことです。

デメリット(3)年収が安定しない

高年収と言いつつも、評価がよくなければダイレクトに年収に反映されます。たとえ20代であっても、査定が良い年と悪い年とで年棒やボーナスが数十万円、最悪100万円単位で変動したりもするとのことですので、年収は安定しないと言えます。

SAPコンサルタントになるためのルート②:SAPを扱うSIerの入社

多くの方にとって比較的実現しやすいルートは、SAPを扱うSIerへの入社かと思われます。ただし、SIer業界は下請け構造となりますため、会社選びに失敗すると思うようなキャリアを描けないといった事態にもなりかねません。SIerへの入社に関してのメリット・デメリットについて詳しく説明します。

SAPを扱うSIerへの入社のメリット

メリット(1)地に足を付けて経験を積むことができる

SIerはコンサルティングファームと比較して、長い目で見て人を育てる傾向があるので、地に足を付けて経験を積んでいくことができると言えます。20代の場合、入社後まずはアドオン開発やテストといった下流工程から担当し、徐々に設計、カスタマイズ、要件定義といった形で上流工程を担当していくという、落ち着いたスピード感でもってキャリア形成が可能と言えます。

メリット(2)安定した給与や福利厚生が期待できる

SIerでは、コンサルティングファームほどそこまで過酷な成果を求める文化ではないため、査定の良し悪しに関わらず安定した年収を確保できるとのことです。また、大手企業グループのSIerであれば、手厚い福利厚生を享受できるのも大きなメリットとなります。

SAPを扱うSIerへの入社のデメリット

デメリット(1)会社選びに失敗すると下流工程しか担当できない

SI業界は下請け構造となりますため下請け会社へ入社した場合、アドオン開発といった下流工程を長年に渡って担当していくこととなります。

また、一次請け企業では役割が専らマネジメントや事務手続きとなりがちで、SAPコンサルタントとしての実務は基本的に下請け企業へ丸投げすることになります。よって、SAPコンサルタントとして必要な専門知識やスキルが身に付かないというギャップに悩まされる方も多いとのことです。

これらのことから、SAPコンサルタントしての経験を積み、専門スキルを習得していく観点でいきますと、大手SIerグループの二次請け会社を狙うのがお勧めとなります。

デメリット(2)ビジネス目線は身につき辛い

SIerはあくまで顧客の要望通りのシステムを作るのが役割となりますので、経営視点でのそもそもの目的意識を持って仕事を進められている方はあまり多くない印象を受けます。従って、ビジネス目線が身に付き辛い傾向にあると言えます。

SAPコンサルタントになるためのルート③:SAP導入中/導入済のユーザ企業への入社

3つ目のルートは、SAPを導入中もしくは導入済のユーザ企業への入社となります。ただし、基本的にユーザ企業は即戦力を求めておりますので、SIerやコンサルティングファームでのSAP導入経験がないと入社は非常に難しいです。

仮に運よく入社できたとした場合、下記ステップを経てSAPコンサルタントなることが可能性として考えられます。
① SAPユーザ企業へ入社
② SAP導入プロジェクトへの参画
③ ②の経験を活かしてコンサルティングファームやSIerへ転職
しかしながら、必ずしもSAPを担当できるわけではありませんし、仮にSAP導入プロジェクトへアサインされたとしても、プロジェクト実務は基本的にはベンダ側が対応することとなり、自分たちでは作業をしません。あくまでレビュアーの立場となります。

また、運用保守フェーズに入っているユーザ企業だと、もう安定稼働を迎えていてルーチンワークしか繰り返さないといった懸念もあります。そしてユーザ企業でたとえ経験を積んだとしても、コンサルティングファームや上流工程を扱えるSIerへ入社できるとは必ずしも限りません。

これらのことから、ユーザ企業への入社はSAPコンサルタントとしてのキャリアを始めるにあたっては現実的でないうえ、成功したとしても遠回りと言えます。

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https://www.axc.ne.jp/media/change-jobs-knowhow/sapcareer

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今回の記事では、SAPコンサルタントとしてのキャリアを歩むにあたっての3つのルートについて説明しました。 最短スピードでキャリアを歩むならばコンサルティングファームへの入社、地に足を付けたキャリアを歩んでいくならば上流工程を担当できるSIerというのが結論となります。
SAPコンサルタントへのキャリアをお考えの方は、ぜひアクシスコンサルティングにご相談ください。


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