金融営業からITコンサルへ転職して1年目で身に付けるべきスキル、経験しておくべきこと

金融業界でのIT化・DXが盛んなことから、IT系コンサルティングファームでも業界に知見のある金融出身者(銀行・證券・保険など)の採用が増えています。

金融営業からITコンサルへ転職した際は、会計知識や財務知識等、金融業界で取得した知識で役に立つ事項もあります。しかし、IT技術を用いて、ビジネス・経営に関わるソリューションを提供したり、あるいは顧客の具体的な業務課題にフォーカスしたアプローチを行う際には、個々の差はあれど金融業界での業務・マインドセットとは異なるものが求められます。

そこで、今回の記事では、金融営業からITコンサル業界への転職を検討されている方に、入社後1年以内にどのようなスキルや経験のキャッチアップが必要かをお伝えします。

【目次】

  1. 顧客業務への多面的な理解(経営視点・現場視点)と業務フロー図の作成能力
  2. プロジェクトマネジメント能力・技法(ゴール設定方法や計画・目標を順守するための体型的な技法)
  3. 論理的思考力・構造把握力
  4. Officeソフトの操作スキル

顧客業務への多面的な理解(経営視点・現場視点)と業務フロー図の作成能力

金融営業からITコンサルタントへキャリアチェンジされた方にお伺いすると「現場社員への理解が更に必要になった」という意見が多いです。

例えば、「金融機関で勤務している際には、顧客のIR情報や財務諸表を閲覧する経験が多い分、顧客の売上や利益率等のマクロな視点での経営理解に留まることが多かったものの、ITコンサルタントに転職した際には、顧客のマクロな情報である「経営視点」を閲覧して分析することはもちろんのこと、「現場視点」に立った理解が必要になった」というケースがよくあります。

一方で、ITコンサルタントでは、システムや機能を見直すだけではなく、それを現場単位に落とし込み、実際に現場社員が利用できて、”業務”単位で効率化できるような粒度まで落とし込む必要があります。ここで対象の業務が具体的に特定・理解されていないと、目的が結びつかないIT化が行われてしまいかねないです。

エンタープライズ領域からビジネスファンクション領域を構造化して、単体機能レベルのファンクション単位まで理解することが求められ、現場視点で業務をプロセスとして理解していくことが必要になります。ここでは、「現行(As-Is)業務」や「あるべき(To-Be)業務」を可視化するために作成する「業務フロー図」の作成機会が非常に多くなってきます。

そのため1年目では、現場視点を理解するために業務フロー図の書き方を一通り学習することが求められます。また実プロジェクトの目的に照らして、記述フォーマットや記述レベル、記述ルールが個別定まっていることが多いので、汎用的な方法論として「スイムレーン」「SIPCO」「LOVEM」等の内容を学習も効果的です。

プロジェクトマネジメント能力・技法(ゴール設定方法や計画・目標を順守するための体型的な技法)

ITコンサルタントに転職して1年目は、ほとんどのプロジェクトで膨大な量のドキュメント作成が要求されます。メインで使うツールは、「PowerPoint」「Word」「Excel」です。ただOfficeソフトを使えるだけではなく、効率的にかつ素早く資料作成を行えるようにならなければなりません。

しかし、入社時1年目で、金融業界で膨大の資料作成経験がない人にとっては、このタスクをこなすことで手一杯になったり、メッセージを十分にスライドに表現できないケースが見られます。結果としてスライド作成に頭を使い、時間を使ってしまい、作業が完遂できないこともあるようです。

このジレンマに陥らないためにも、1年目で操作する際のショートカットキーを記憶することや、マウスを使用せず一連の資料作成ができるスムーズにできるレベルまで成長することが求められます。また、同じプロジェクトの上司から依頼を受けることが多いので、資料作成する際のメッセージやドキュメント内容に関しては、Offiiceソフトを無意識に操作できることレベルまで到達することが大切です。

論理的思考力・構造把握力

論理的思考力や構造把握力のようなビジネススキルは、一般的にどのような業界・仕事でも求められるスキルでありますが、入社して1年目のITコンサルタントでは、特に必要なスキルです。ビジネススキルの一定の思考法を身につけることで、顧客や社内のメンバーと適切にコミュニケーションできるようになり、全体として最適なパフォーマンスが発揮できるようになり、現場で活躍できる可能性が高まります。

例えば、お客様の現行業務の課題を理解し、システム設定の複数オプションにおけるメリットデメリットを評価する際や、機能工程責任が曖昧である際に課題の構造化に用いたりします。特にコンサルタントとしての基礎スキルである、「構造化」「推論」「仮説思考」等は書籍等で学習して、マインドセット等を学習し、普段に備えて、思考形式を慣らす習慣が必要です。

そのために、まずは状況整理の入り口となるフレームワーク(PEST、5Force、3C等)の理論を理解が大切です。また、普段のコミュニケーションから、より論理的に考えて相手に伝える際の論理展開の刻み度合いを、相手への意外性を見極めながら調整するような傾向を持つと良いでしょうか。入社1年目では、顧客の前でプレゼンテーションをする機会もそう多くはないですが、2年目以降に顧客の問題解決に寄与する提案・提言を行う際に役立ちます。

Officeソフトの操作スキル

ITコンサルタントに限らずコンサルタントは時間単位での単価が決められています。最上位であるパートナーともなれば、1か月で1,000万ほどの金額をクライアントに請求するケースもあります。そのため、チームや個人の時間あたりの効率や効果を高めるためにも、プロジェクトマネジメントへの理解が不可欠です。

プロジェクトマネジメントとは、”ゴール”を明確にし、それに向けた計画や目標を設定し、それを守るために様々な知識や技法を駆使する作業です。プロジェクトには通称”PM”と言われる、プロジェクトマネジメントの専門家がいますが、ITコンサルタント1年目の場合、PMの配下に所属して、セッションのリードやWBSの運用等のタスクを依頼されます。そこで評価を高めるためには、最低限の体型的なプロジェクトマネジメント技法を、「PMBOK」等の書籍を通じて学習することをおすすめします。

また、プロジェクトマネジメントに関してノウハウを調査すると、IPAが主催するプロジェクトマネージャー試験あるいはPMP試験等の専門資格等ありますが、入社後一年以内では、資格取得に関わるような詳細知識までは追求されませんので、基本的で体型的な部分に関して理解いただければと良いでしょうか。

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コンサルタントへ転職するための「志望動機書」の作り方【未経験~ファームtoファームまで】
https://www.axc.ne.jp/column/axis-column/2015/0713/264.html

コンサルタントの転職やキャリアアップに有利な資格一覧【IT・MBA・英語・公認会計士まで】
https://www.axc.ne.jp/column/axis-column/2015/0713/2644.html

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今回の記事では、金融営業からITコンサル業界へ転職を検討されている方に、入社後1年以内にどのようなスキルや経験のキャッチアップが必要かをお伝えしました

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