PEファンド(米国系)一覧<投資実績から特徴、日本拠点まで>

今回の記事では、アメリカ(米国系)に本拠地を構えるPEファンドの設立者、投資の実績・特徴、日本拠点についてご紹介します。
※2021年11月時点での情報です。各ファンドの詳細について知りたい方は、ぜひご相談ください。

【目次】

  1. カーライルグループ
  2. ベインキャピタル
  3. KKR
  4. TPGキャピタル
  5. アポロ・グローバルマネジメント
  6. ウォーバーグ・ピンカス(Warburg Pincus)
  7. ニューバーガー・バーマングループ
  8. ヘルマン&フリードマン
  9. トーマ・ブラボー

カーライルグループ

グローバルに展開する米系PEファンド。ワシントンDCに本拠を置いており、世界5大陸に29拠点を構え、全世界で1,800名以上の社員を有している。

3つの事業セグメント、 397のファンドを通じて、 計2,460億ドルの資産を運用している。グローバルプライベートエクイティファンドでは、主にコントロール・バイアウト投資を行い、小売・消費財、ヘルスケア、インダストリアル, テクノロジーなどの広範なセクターに投資している。

日本では、クオリカプス、三共理化学、walbro、三生医薬、ツバキ・ナカシマなど様々な企業に投資実績がある。最近では日本アジアグループに対するTOBを行ったものの、村上系ファンドにより阻止されてしまったということもあるが、基本的には日本の上場企業のカーブアウト、未上場企業でサイズ感が大きい企業に対するコントロール投資、バイアウトを行う。

※参照:https://www.carlyle.com/ja

ベインキャピタル

グローバルに展開する米系PEファンドであり、1984年にベイン&カンパニーのシニアパートナーにより設立されて以来、ベインキャピタルは750億ドルの資産を運用している。コンサルティングファームのベイン&カンパニーとは現在完全に別のオペレーションがなされている。

日本における社員数 約40名、全世界の社員数 約1000名であり、コンサルティングアプローチを、主にコントロール・バイアウト投資を行っている。東京オフィスは2006年の開設であり、小売・消費財、ヘルスケア、インダストリアル,テクノロジーなどの広範なセクターに投資している。コンサルティングファームを出自とする強みがあることもあり、経営戦略の立案・改善、経営管理手法の紹介、ネットワーク紹介、株式非公開化のノウハウ・企業の成長ステージに応じた資金の提供を強みとする。

日本では大江戸温泉、雪国まいたけを代表に様々な企業に投資実績がある。最近ではwithなどのマッチングアプリを運営するイグニスに対するMBOを行っており、投資スタイルもコントロール投資・バイアウトを中心に様々なセクターの企業に投資を行っている。

※参照:https://www.baincapital.co.jp/

KKR

KKR(コールバーグ・クラヴィス・ロバーツ)はグローバルに展開する米系PEファンドであり、メンロパークに本拠を置いている。日本では2006年に東京オフィス開設、2010年に初の投資(インテリジェンス)を行っている。

KKRのプライベート・エクイティ事業では大幅な業務改善または成長が見込め、優れた経営陣を魅了するような業界有数の企業に投資することを基礎としており、業界の知見やグローバルプラットフォームを生かして投資を行うことを得意にする。社風としてはチームワーク、イノベーション、連携、インテグリティを重要な価値観としている。

日本ではカルソニックカンセイ、日立工機、日立国際電気、パナソニックヘルスケアを代表に様々な企業に投資実績がある。いずれの投資も日立やパナソニックのような大企業グループからのカーブアウトによる買収である。

※参照:https://www.kkr.com/jp/ja

TPGキャピタル

グローバルに展開する米系PEファンドであり、1992年に設立された。910億ドルの運用総額と12拠点をグローバルに展開している。TPGはTexas Pacific Groupの略である。
TPGのプライベート・エクイティ事業で将来有望な新興企業、または再建途上にある企業を中心に投資を行い、APACでは北京、香港、メルボルン、シンガポール、ムンバイにオフィスを有しており、バイアウト、コントロール投資、グロース投資を行っている。

日本ではかつてタカラトミーに出資していたが、現在は日本市場から撤退している。TPGのOBの津坂氏が日本産業推進機構(NSSK)というファンドを運営している。

※参照:https://www.tpg.com/

アポロ・グローバルマネジメント

グローバルに展開する米系PEファンドであり、ドレクセルバーナムのM&A部門のOBにより1990年に設立された。プライベートエクイティの他にクレジット、インフラ等の広範なアセットクラスを運用している。2019年9月30日時点で、プライベートエクイティ、クレジット、リアルアセットファンドに約3,230億ドル (約35兆1,000億円) の運用資産を保有している巨大ファンドの一角である。

アポロのプライベート・エクイティ事業では、資金力を生かしてボルトオンM&A等を通じて企業規模を拡大することが特徴的である。またセクターも化学素材を始め、インダストリアル、サービス、小売などの広範にカバーしている。

日本では2020年に昭和電工のアルミ缶事業に投資を行った。当該案件はアポロによる初のバイアウト投資案件である。過去には東芝の関連会社であるウエスチングハウスに出資、ベルリッツに出資する等の実績がある。

※参照:https://www.apollo.com/jp/ja/homepage

ウォーバーグ・ピンカス(Warburg Pincus)

ユダヤ系の大手資産運用会社であり、ライオネル・ピンカスにより設立された。30年以上にわたり投資活動を続けており、全世界で2兆円を運用しているにも関わらず、プロフェッショナルの人数は100-200人の範囲と少数精鋭組織になっている。

ウォーバーグのプライベート・エクイティ事業では、2016年末に総額22億ドル(約2400億円)規模のファンド「Warburg Pincus China」を設立し、「アント・フィナンシャル(螞蟻金服)」などに投資を行い成功を収めている。中国やアジアにおいて現在積極的に行っておりアント・フィナンシャル等の金融会社に対して投資し成功を収めている。中国・東南アジアでの投資意欲は強く、2019年には「Warburg Pincus Global Growth(華平全球基金)」と共同し、中国と東南アジアを対象とした2つ目のファンド「Warburg Pincus China-SEA II」を50:50の比率で設立し、総額45億ドル(約4800億円)を調達している。

日本では1998年に進出したものの当時は不良債権の影響もあり一時撤退したものの、2007年に投資再開。しかしその後は大きな投資活動は行っておらず現在は撤退している。

※参照:https://warburgpincus.com/

ニューバーガー・バーマングループ

ニューバーガー・バーマンは米国を拠点にしている、資産運用会社である。プライベートエクイティの分野では、LPとして様々なプライベートエクイティファンドに資金を提供し、共同投資や、GPの投資先企業に対するミッドライフ投資等を行っている。

ニューバーガー・バーマンは、プライベートエクイティ以外にも債券やクレジットに対する投資を行っており、グローバルで投資プロフェッショナルによるボトムアップ分析に基づき運用している。東京オフィスは東アジア地域における地域統括拠点法人であり、東京および韓国のファンドGPをカバーしている。日本においては主に年金基金や金融機関等の機関投資家に向けて運用戦略を提供しており、国内の大手運用会社が設定・運用する国内投資信託においても複数の運用戦略が採用されている等の実績がある。

日本での投資実績はないものの、東京オフィスがありLPとして日本のプライベートエクイティファンドに対する投資を行っている。米国NYにも日本人担当者がいる点で他の米系資産運用会社に比して特徴的である。

※参照:https://www.nb.com/ja/jp/institutions

ヘルマン&フリードマン

ヘルマン&フリードマンは、1939年に米国ニューヨークで創業した独立系資産運用会社である。主な投資セクターはメディア、金融、ヘルスケア、エネルギー等の広範であり、運用資産は4兆円を超えている。主要なオフィスは、NY、サンフランシスコ、ロンドンにあり、投資プロフェッショナル70名ほどで運営されている。アソシエイトは殆ど全員がマッキンゼー、BCG,モルガンスタンレー、ゴールドマンサックス等のトップティアの投資銀行、戦略コンサルティングファームから採用されている。

過去の投資実績としては、2017年に行ったSnapAVの買収であり、当該企業はオーディオやビデオのメーカーである(住宅やオフィス向けに設置業者を配置し販売を行っている)。他にもデンマークにおける決済会社Netsを2018年に過半数株式を取得している。
※日本での投資実績はなく、東京オフィスも現時点ではない。

※参照:https://hf.com/

トーマ・ブラボー

トーマ・ブラボーはソフトウェア等のテクノロジー領域に特化したプライベートエクイティファンドである。アポロやKKRといった老舗のグローバルファンドに比して非常に高いリターン実績を残しており注目されている。現在は、Thoma Bravoは管理パートナーであるCarl Thoma、Orlando Bravo、Lee Mitchell、Scott Crabill、Holden Spahtと、約35人の投資スタッフと70人の従業員からなるチームによって運営されている。

直近の投資実績は米国においてプルーフポイントを買収しており、評価総額は1兆3,000億円となっているとのことである(Bloomberg)。他にも、2021年3月に、イスラエルのモバイルマーケティング会社アイアンソースをSPAC(特別目的買収会社)により株式公開を検討している等、アグレッシブに投資活動を進めている。
※日本での投資実績はなく、拠点も現在存在しない。

※参照:
https://onecapital.jp/perspectives/thoma-bravo
https://www.thomabravo.com/

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>PEファンドへのキャリアに関する記事

コンサルから投資ファンドの転職で求められるスキルとは?
https://www.axc.ne.jp/media/column-career-change-case/investmentfund

公認会計士からPEファンドへのキャリアパス【入社前後に役立つスキル・経験】
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/accountanttope

PEファンド入社1年目で身に付けておくべきスキル・経験【コンサル・投資銀行の方向け】
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/privateequityfundfirstyear

FASからPEファンドに転職して活かせるスキル・キャッチアップが必要なスキルとは
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/fas_pe

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今回の記事では、アメリカ(米国系)に本拠地を構えるPEファンドの設立者、投資の実績・特徴、日本拠点についてご紹介しました。
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