「戦略コンサルティングファームが求める人材」とは【欠かせない3つの要素】

今回の記事では、「戦略コンサルティングファームが求める人材」についてお伝えします。

【目次】

    1. 総論:必要要件は、論理/耐久/ユニークネスの三つ
    2. ①論理的な思考力・コミュニケーション力
    3. ②耐久性
    4. ③オリジナリティ/ユニークネス

総論:必要要件は、論理/耐久/ユニークネスの三つ

戦略コンサルティングファームが求めている人材の要件は非常に多岐にわたります。戦略コンサルティングファームは内定を出すまで、複数回のケース面接の中で各要件を満たす人材かどうかを徹底的に評価します。そのため非常に狭き門です。

戦略コンサルティングファームが少数精鋭を貫いている/貫いているように見えるのは、慢性的に人材難であるものの、無理に大量採用した結果による人材の質の低下を懸念しているためです。

人材獲得の評価基準は常に高止まりが継続し、志願者をシビアに評価している結果、少数精鋭の構図になってしまっているのです。

戦略コンサルティングファームによっても求める評価基準は多少異なるものの、論理/耐久/ユニークネスが必要条件です。

以下から、要件別に具体的な説明をします。

①論理的な思考力・コミュニケーション力

戦略コンサルティングファームが求める人材の要件の一つとして、論理的思考力と論理的コミュニケーション力が挙げられます。

採用面接を受けた方であればお分かりかと思いますが、採用でまず評価されるポイントは「論理的に考えコミュニケーションが取れるか」という点です。

戦略コンサルティングファームのカウンターパートは一般的に、クライアント先の中で高倍率の出世競争を勝ち抜いてきた経営トップや役員クラスの人材です。経営トップや役員クラスはクライアント社内では超精鋭集団であるため、限られた時間の中で様々な意思決定を行い、分刻みで仕事をしています。

そのため高い報酬を支払っている戦略コンサルティングファームのプロジェクトで戦略コンサルタント達がコミュニケーションを取る際に、非論理的なアウトプットを提供したり非論理的なコミュニケーションにより無駄に時間を要したりした場合、クライアントから相当なクレームをもらうだけでなく、信頼関係が損なわれ、次回の案件受注ができなくなってしまうのです。

従って、戦略コンサルタントには一定水準以上の論理的思考力と論理的コミュニケーション力が必須となります。

また、クライアントワーク以上に、ファーム内のエキスパートとのコミュニケーション(ディスカッション)も非常に重要です。クライアントの精鋭達と同様に時間制約があるパートナー陣とディスカッションを通じて、様々な示唆や観点を引き出して新たな仮説を導き出す事が必要となります。

論理的思考力と論理的コミュニケーション力が一定水準以上なければ、双方のコミュニケーションコストが増加し生産性が落ちてしまうため、戦略コンサルタントには必須の要件なのです。

②耐久性

耐久性も戦略コンサルティングファームが求める人材の要件です。耐久性と聞くとぞっとするかもしれませんが、身体的な体力や忍耐力だけでなく、頭の耐久力/気力も含めて必要です。

昨今のコンサルティング業界で推進している働き方改革の流れから、過去ほど過酷な働き方(深夜の2-3時に帰宅して、2-3時間睡眠して出社する等)は減ってきているものの、残念ながら一定水準以上のハードワークは求められます。

戦略コンサルタントが担う案件は、クライアント企業の将来を左右する言わば本丸のプロジェクトとも言えるため、生半可な姿勢で対峙する事はできません。時には、深夜遅くまでクライアント先の経営トップが腹落ちする示唆やメッセージの研磨のために奮闘する事も必要です。

また仕事の性質上、クライアントが抱える課題に対して唯一無二の解も厳密には存在しません。そのため戦略コンサルタントは少なくともプロジェクト期間中は恒常的に、クライアントの課題解決のために頭を使い続ける必要があり、頭の耐久性も非常に大切な要件となります。

特に、クライアント先の経営トップや役員クラスの方々は、その業界に長年身を置いて課題に対峙してきた/考え続けてきた張本人達であるため、付け焼刃の示唆/メッセージ/仮説はすぐに見破られてしまいます。ある種、長年考え続けてきた方々をハッとさせる斬新な角度からの解や、業界固有の考え方をいい意味で第三者的な視点で俯瞰できるディスラプション案の提示をしなければいけません。そのため頭を極限までフル稼働させられる耐久性が求められるのです。

さらに、クライアントが抱えるチャレンジングな難題に対して、真っ向から立ち向かう気力も非常に大切です。戦略コンサルタントの生業は、プロ野球選手がバッターボックスで剛速球に勇気を持って立ち向かう事に近く、クライアントから投げつけられるお題に対して自ら当たりに行くくらいの姿勢がなければ、上述の過酷な働き方に耐えられず精神の糸が切れかけてしまう方もいるため(もちろん周りがサポートして復活させますが)、一定程度の気力も必要かもしれません。

③オリジナリティ/ユニークネス

戦略コンサルティングファームが求める人材の要件の一つとして、オリジナリティ/ユニークネスが挙げられます。オリジナリティ/ユニークネスは、アウトプットのオリジナリティだけでなく、戦略コンサルタントの人としてのオリジナリティも含みます。

戦略コンサルタントは上述の通り、特定の業界に長年身を置く精鋭達に対して、新たな視点や示唆を提供する事が不可欠です。その際に、如何に戦略コンサルティングファームならではの斬新な解、ひいては斬新な解をサポートするためのファクト/ファクトから裏付けられた示唆を、戦略コンサルタントが独自の観点で探求し導出できるかが、非常に重要となります。

戦略コンサルティングファーム内での社内会議は、パートナーやコンサルタントといった役職に関係なく、メンバー全員がフラットに意見を出し合う事が求められます。「社内会議で何も発言しない事はバリューがないに等しい」と言われるくらいそれぞれの戦略コンサルタントの意見は尊重されます。

ただし、戦略コンサルタントの意見が尊重される前提として、論理とファクトとユニークネスの三つが揃う必要があります。論理とファクトは正しかったとしても、クライアント先の精鋭達の頭と心に刺さるユニークネスがあるのか、もっと言えば、競合の戦略コンサルティングファームとの差異は提供できているのか、という問いにYesと言えない場合は、競合他社との差別化が図れておらず(競合に頼んでも同じという意味で)バリューは低いためです。

昨今の国内の戦略コンサルティング市場は右肩上がりで伸び続けているものの、市場規模が急拡大する中で、一部の総合系/IT系コンサルティングファーム内の戦略と称する部門では、売上拡大を達成するためにべっこう飴の如く、手掛けた案件のデリバリーをパッケージ化して業界内で横展開する提案営業が増えている傾向があります。

これは、短期的にファームとして売上拡大を目指す/ファームのリソースをフル活用する場合は得策かもしれませんが、傘下にいるコンサルタントにとっては致命傷となる可能性があります。なぜなら、デリバリーの示唆を横展開するプロジェクトの場合、往々にして上記の戦略コンサルタントとしてのユニークネスが失われ、売上のためのプロジェクトに参画する事になり、戦略コンサルタントの神髄を体現する事ができないためです。

上述のファーム出身の方は情報の処理スピードや作業スピードは速いものの、戦略コンサルタントとして持つべきユニークネスが欠如している方も多いのが現状。採用担当の方は「同質の方々が多い」と語っています。

現に、事業会社をはじめ外部からコンサルティング出身者を採用する企業も多く、ファーム出身者にとっては非常にもったいない状況なのです。

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今回の記事では、「戦略コンサルティングファームが求める人材」についてお伝えしました。戦略系コンサルティングファームへの転職をご希望の方は、ぜひアクシスコンサルティングにご相談ください。


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