事業会社のDX、フェーズ毎に求められる役割・人材(ケイパビリティ・経験)とは?

事業会社のDXの動きは現在の景気変動期でも止まらず、同ポジションではコンサル・IT人材を継続して採用しています。

一方で、一口にDXと言えども、フェーズや役割毎に課題は異なるため、求められる経験やケイパビリティも大きく変化します。

今回のコラムでは、現場の方の声を元にDXのフェーズや役割毎に求められる「ケイパビリティ」や「経験」、またそれぞれの転職事例をご紹介します。

【目次】

  1.  デジタル化=インフラ刷新フェーズ
  2. DXの戦略立案フェーズ
  3. 現場・業務への落とし込みフェーズ
  4. PoCフェーズ
  5. DXの定着化とアップデートフェーズ
  6. DXで浮上するリスク(セキュリティ等)への対応フェーズ

デジタル化=インフラ刷新フェーズ

DXが指し示す範囲はケースに依って異なりますが「デジタルを用いて経営や事業を変革する」という文脈で使われることが多いでしょうか。

一方で実際には、社内の業務効率を上げる・既存のシステムを刷新する等の”デジタル化”から論点になるケースも多いようです。

このフェーズでは、インフラ導入やDXの経験がある方はもちろんですが、業務改善の経験をお持ちの方が活躍しやすいようです。
クイックヒットで現場のメンバーにメリットを与え、信頼感を獲得することで、その後の協力体制を作ることも重要になります。

また別の視点からですが、現在は業界特化型のSaaSなども盛んにリリースされており、「顧客ニーズを掴むために果たして大型のインフラ投資が最適なのか」等、インフラを入れることが前提ではなく、とにかく「業務を改善すること」を優先できるかどうかもこのフェーズでは重要になるようです。

<求人例・転職・年収事例>

まだDX推進が経営アジェンダに挙げられたばかりの段階で募集がかかることも多く、情報システム部、社内コンサルチームなど既存のチーム内の一ポジションとして、デジタル領域のスペシャリストとして採用する傾向があります。

年収面ですが、企業の中におけるDXの優先度と大きく相関しており、某大手商社の同ポジションでは年収レンジが800万円~1,300万円、大手製薬系企業では600万円~1,000万円でした。

(転職事例)大手IT系コンサルティングファーム(IT戦略の策定支援~業務改革の計画~実行支援~システム導入支援、マネージャー):年収1,400万⇒大手商社 IT企画推進部:年収 1,200万円

DXの戦略立案フェーズ

DXにおける初期フェーズでは、「デジタルを用いて中長期的なビジネスモデルにどう切り替えるか?」など、経営戦略の見直しや「問題設定」の正しさが論点になることが多くなります。

一方で、DXの初期段階においては、

・目に見える効果が出るまで中長期戦になる
・経営者にデジタル領域のナレッジが少なく、前例がないため判断材料も用意しにくい

などがハードルとなるとの声が実際には聞こえてきます。

そのため、このフェーズでは、カウンターパートとなる経営者にDXを決断・継続させるグリップ力、「君が言うならやってみよう」と思わせるぐらいの実績・信頼が重要となるようです。

DXは中長期戦ですが、IT化による間接業務の効率化・コスト削減等で短期的に分かりやすく目に見える成果を出しつつ、IT化やDXの明るい側面に常に提示し続けることも有効です。「自分が手を動かせる」ことも大きなアドバンテージになるようです。

上記を踏まえると、初期のフェーズで必要なスキル・経験は「戦略立案能力」だけではなく、

・CxOアジェンダの支援経験
・コンサル/事業会社関わらずハンズオンでIT化やDXを行った実績

等を有する方が活躍できるでしょうか。

<求人例・転職・年収事例>

このフェーズに関わるポジションは、”DX推進室”よりも”経営企画”として募集をかけるケースが多く、約800万円~1,500万円のオファーが一般的です。

また、直接CDOやDX推進室長としての募集も稀に行っていますが、戦略策定もでき、経営者の心をグリップする、その上実際にデジタルプロダクトまで生み出せる(現場をマネジメントして短期で結果を出す)など、マーケットにも中々いない人材だけあって、事業会社では内部昇格のケースが多いでしょうか。
いきなりCDOやDX推進室長の場合は2,000万円以上のオファーで迎えられるケースもあります。

転職事例:学生時代にITベンチャー起業⇒外資系戦略ファーム(SCながらリレーション・セリングに強みを発揮し、28歳でマネージャーに昇進。多業界のデジタル戦略案件に従事)年収1,100万⇒大手エンタメ系企業(経営企画 部長直下ポジション)年収1,200万

現場・業務への落とし込みフェーズ

DXの戦略が決まった後には、プロジェクトを現場で推進していくフェーズに入ります。
デジタル化の基礎的な組織体制づくり、現場の意識改革、業務見直しなどを通して、デジタルサービスを生み出すリソースを判断・用意するスキルが必要です。

一方でこのフェーズでは、カウンターパートとなる現場のメンバーとの信頼関係構築が重要で、「DXにより自分の業務がなくなるのでは?」「自分の既得権益を侵害されたくない」という心配や反対意識を解消するための「コミュニケーション力」が活きるケースが多いようです。

実際に活躍されている方に話を伺うと、

・「自分の説明書」をつくるなど率先して自分という人間を開示した
・キーマンかそうでないか関わらず、あらゆる人と飲みにケーションの機会を設けて関係性を短期間で築いた

といった活動を積極的に実施されているとのことでした。

事業会社で言えば、COOやプロダクトマネージャー、コンサルで言えば「現場に深く刺される」業務コンサルや、新規事業の立ち上げにハンズオンで関わってきた方のケイパビリティも近しいでしょうか。

<求人例・転職・年収事例>

このフェーズの採用においては、現場との協力体制を地道に築いてきたかどうかが見られるケースが多いようです。

年収では700万円~1,300万円のレンジが一般的ですが、戦略立案もできて現場にも刺される方は、”DX戦略室長候補”や”CDO候補”として入り、実績を残して昇進、その後年収2,000万~というキャリアを歩まれる方もいます。

転職事例:社内ウェブベンチャー設立⇒戦略系ファーム(経営戦略の策定~実行)⇒所属ファームの投資先子会社の経営⇒事業会社(経営企画として業務改革)⇒数年後にCDOに内部昇格

PoCフェーズ

実際に業務に落とし込みをする際には、PoCでまずはテストをしてみるというフェーズを挟む場合も多くあります。

このフェーズでは、構想を実装するためのエンジニアがカウンターパートとなり、エンジニアの作業工程が理解できている、エンジニアが喜ぶツボを抑えているなど「エンジニアの心を慮れる」方が活躍できるケースが多いようです。
今日の景気変動下でもIT人材は枯渇しており、エンジニアは引く手あまたのため、絵空事ばかりでプロダクトが一向に出来上がらない、無理難題を押し付ける、プロダクトがイケてない、といった場合は他社へ転職してしまうリスクが潜んでいます。

また、上記のマインドや経験を前提として、

・経営層が本格的にDXプロジェクトに投資するかどうかといった判断材料を提出するため、PoCの効果を明確に示すスライドライティング/プレゼンテーションスキル

なども同時に求められてきます。

事業会社のプロダクト開発で実装工程を経験し、その後昇格してPMを経験されてきた方や、コンサルで言えば、SIerエンジニア出身のITコンサルかつソリューション開発においてPMなどを経験されてきた方などが当てはまるでしょうか。

<求人例・転職・年収事例>

年収レンジですが、インフラ系企業の「PoC実行責任者」募集では600万円~1,200万円でした。

一方で、DXの課題感がこのフェーズにある企業では高いオファーで迎い入れるケースもあります。企業の課題感がどこにあるかまでは表に出ていないケースも多いため、ネットワークを広げて人脈をつくり内情を確かめる、企業の内情に詳しいエージェントに聞くなどの挙動が必要です。

転職事例:大手IT系ファーム(テクノロジーチーム所属、シニアスペシャリスト) 年収1,050万円⇒大手インフラ系企業(PoC実行責任者 年収1,100万)

DXの定着化とアップデートフェーズ

DXも一度やって終わりではなく、現代の顧客ニーズの変化は早く、次々と新しい課題に対応し、常にアップデートさせることが大切です。

こういったPoCフェーズを超えた企業においては、DXの先進的な企業において大量のリソースを糧に新規事業を立ち上げてきた方のニーズが高まります。
コンサルで言えば、一つの業界に限らず、様々なDXの事例に関わり、実際にデータを元に事業計画まで策定してきた方のニーズが高いようです。

転職事例:大手IT系ファームマネージャー(ECサイトの売上分析~拡大戦略立案):年収1,250万⇒大手EC系企業(データ戦略統括チーム)年収1,200万

DXで浮上するリスク(セキュリティ等)への対応フェーズ

DXはすべてをデジタル化するがゆえに新しいリスクを抱えるといった危険性も秘めています。
そのためITインフラの整備といった「守りのセキュリティ」だけでなく、新規事業に伴うリスク予見など「攻めのセキュリティ」の示唆出しができる方のニーズが高まっています。
言い換えれば、セキュリティ対策により「企業の収益性に貢献していきたい」というマインドの方のニーズにも応えられるのがDX推進企業におけるセキュリティポジションでしょうか。

「攻めも守りも」できるセキュリティ領域のスペシャリストはまだ日本ではマーケットに少なく、すでに事業会社にいる同領域のスペシャリストを引き抜くのは中々至難の業です。
そのため、コンサルティングファームや監査法人のITリスクアドバイザリーなどで、他社事例を多数見てきた方のニーズが非常に高いです。

転職事例:Big4セキュリティ系ファーム(セキュリティ戦略策定~事業会社におけるセキュリティ組織の立ち上げ支援)年収1,000万⇒大手商社のセキュリティ組織立ち上げポジション 年収1,200万

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今回の記事では、現場の方の声を元にDXのフェーズや役割毎に求められる「ケイパビリティ」や「経験」、またそれぞれの転職事例をご紹介しました。

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