この人には、もっと輝ける場所があるのではないか。そんなことをいつも考えているんです。
(最上裕司)

アクシスコンサルティングで大きく成長し、頼もしいキャリアコンサルタントとなった最上裕司。その活動は多岐に渡り、現在は大学でキャリア学の講師も務めている。大学卒業後、大手IT企業で安定した仕事についていた最上は、なぜ人材紹介事業に身を投じたのだろうか。

最上

「人」に関心があった

-大学卒業後、大手システムインテグレータで最初のキャリアをスタートしました。学生の人気も高い企業です。

地方自治体向けの新規サービス企画立案や、中央省庁向けのアカウントセールスとしてのキャリアを積んできました。日本を代表するシステムインテグレータだったので、仕事のスケールも大きく、楽しかったですね。

-一方で、昔から「人」に関心があったそうですね。

人のお世話をするのが好きというか、学生時代も後輩の面倒を見ることが多かったんです。新卒で入った会社でも採用支援などに積極的に関わっていました。大学生向けの座談会に出席したりなどですね。

あとは本業とは別に、組織風土改革のプロジェクトにも参画していたのですが、その中で人材と企業のミスマッチについて、いろいろと疑問を抱くことが出てきたんです。あの人はあそこに行けばもっと輝けるのに、と。人のキャリアをより最適化することできないかと思うようになりました。

キャリアコンサルタントになる

-そして、入社10年目に、「厚生労働省指定キャリアコンサルタント能力評価試験(Career Development Adviser)」に合格します。

企業の人事や、大学の就職課の人が受ける資格で、試験を受けるためには養成講座に通わないといけないのですが、結構ハードなんです。140時間の授業に土日を使って出席しないといけません。でも、その勉強がとても楽しかった。そして、人のキャリアをお手伝いする仕事、というものをより具体的に考えるようになりました。

-そして人材紹介業に飛び込む決断をしたわけですね。当時、三十代前半。安定した大企業からの転職に不安はありませんでしたか。

不安がなかったといえば嘘になりますが、腹をくくりました。妻も働いていたので最悪主夫でもやってよね、と後押ししてくれました。実は子どもが生まれたばかりだったんですが。ただ不安よりも、楽しみのほうがずっと大きかったですね。社内に留まって人事を担当するという選択肢もあったと思いますが、自分の力をより広い領域で試したかったんです。

また当時…今もですが、若年層向けのキャリア支援をしたいという気持ちを持っていました。なかなかビジネスになりにくい領域ですが、会社で実績を上げればそれが可能になるのではないか、そんなことを考えていました。

-数ある人材紹介会社の中で、アクシスコンサルティングを選んだのはなぜですか。

転職エージェントにもいろいろあって、求職者を右から左へ移すのが仕事のようなところも多い。それは避けたかったんです。甘いかもしれませんが、自分のサポートを必要としている人と、誠実に向き合いたかった。

当時、私自身も人材紹介会社に依頼して転職活動を進めていたのですが、自分の要望を伝えたところ、紹介されたのがアクシスコンサルティングだったんです。アクシスという会社は、売上偏重ではなくお客様にどれだけ貢献できるかで評価が決まる。そのプロセスを重視している風土に魅かれました。

トップコンサルタントを目指して

-入社していかがでしたか。はじめからかなり順調だったのではないか、と推察しますが。

いえいえ。最初は本当に苦戦しました。今振り返ればリーマンショックの影響も大きかったと思います。入社したのが2008年の10月でしたから。ただ、当時はそういうこともわかっていなかったので、どうすればお客様のためになることができるだろう、とそればかり考えていました。

-とはいえ、二年目、三年目と成果を倍倍に伸ばしていったわけですよね。顧客の信頼を勝ち取った証だと思うのですが。

三年目の後半あたりからようやく安定感が出てきたかな、とは思います。

-なにがポイントだったのでしょうか。

入社して一年後くらいから、人材紹介業界のコミュニティに参加するようになったんです。それで、「アクシスコンサルティングです」と自己紹介すると、「ああ、アクシスって荒木田さんのいるところですね」と。

正直なところ、悔しかったんです。まだ大した実績もないのに、絶対に「アクシスといえば最上」と言われるようになろう、と心に決めました。

-そこから試行錯誤が始まったわけですね。

まず求職者様の履歴書を穴のあくほど読むことから始めました。面談の場では表現されなかった強みはどこか。どんな場所が一番輝けるのか。それを徹底的に考えました。併せて先輩社員が担当している求職者様はどんな企業を受けて、どんな企業で内定を獲得されているのか。これも徹底的にやりました。

なかなか成果が出ないキャリアコンサルタントは、つい数を追うほうに気持ちが傾きがちです。とにかくたくさんの人と会う。場合によっては、転職したいと思っていない人とも強引に会う。求職者様の中長期的なキャリアをサポートするために会うのならいいんです。でも、そこで無理やり転職をけしかけるのは本末転倒ですよね。

そして数を追うと、当然質が下がります。ひとりひとりの求職者様のことを考える時間が少なくなるからです。その結果、うまくいかない。仕方ないのでさらにたくさんの人と会う。悪循環です。

-その悪循環にはまらないようにした、と。

加えて、セルフブランディングもある程度必要だと思うようになりました。ご満足いただけるサービスを提供するためには、求職者様とキャリアコンサルタントの間に信頼感が醸成されている必要があります。当然、それは面談やその後のサポートにより形成されますが、まずお会いするまでの入り口のところで、「この人なら大丈夫」と、最初に思ってもらうことが大切。そして、それが会社全体の信頼感にもつながっていきます。

そこで、JICAやハローワークでの講演を買ってでたり、人的ネットワークを広げる努力をしたり。当時はツイッターなどもかなり活用しました。また、アクシスでは、キャリアコンサルタントが定期的にwebサイトにコラムを掲載していますが、これもPV数を増やすためには更新頻度が重要、と自分を奮い立たせて、週1本更新の会社方針に対して週3本以上をノルマにしたりしました。

そうした取り組みもあり、2011年からは、ご縁あって駒沢女子大学にて「進路設計」の授業を担当。最近はお客様であるユーザベース社の提供するサービス「NEWS PICKS」もヘビーユーザーとして利用し、コミュニティを広げています。ボディブローのように成果が出つつある感じです。

並行して、一人一人の求職者様に対するフォローも手厚くするようにしました。アクシスは、転職時だけではなく、求職者様の中長期のキャリアを見据えた支援する、という理念をとても大切にしています。ただ当時は理念はあっても、まだ仕組化されていなかったんです。それで自分なりに考えながら求職者様との中長期的な関係性作りを工夫するようにしました。その結果、初めてお会いしてから3年越しとか4年越しで転職の相談をいただくケースも増えてきました。

-当時を振り返って、思い出に残っている求職者様とのエピソードはありますか?

入社して間もないころですが、女性の求職者様を担当することになりました。とても快活で素晴らしい方だったのですが、お話ししているうちに、ふとある企業が思い浮かんだんです。

その企業が探している人材は、その女性のキャリアとはまったくマッチしていませんでした。でも、両者は絶対に合うはずだ、という直観的な確信があったんです。普通に書類を出しても絶対に通過しないキャリアですが、それでも企業に無理を言って、面接の場を設けてもらいました。その結果、とんとん拍子に話が進み内定。入社後もご活躍されました。キャリアコンサルタントの存在価値ってこういうことなんだな、と実感できた事例です。

もったいないキャリアをなくす

-様々な経験を積み、最上さんは今や業界でも確固たる地位を築きました。今後のご自身のキャリアをどのように考えていますか。

元々、若手に対する就職支援がやりたくて、この業界に入ったというお話をしました。この目標はまだ達成できていません。さらに拡げて若年層に限らず「もったいないキャリアをなくす」ということがライフワークになりました。なんとかして実現にこぎ着けたいと考えています。

あとは、転職させないと売上にならないという業界のビジネスモデルを壊したいという気持ちもあります。人のキャリアを支援するという仕事は本当に素晴らしいものです。だからこそ、この領域で今までの常識を覆すような、新しい価値の提案をしていきたいんです。

最上

週末は小学生の娘と過ごすことが多い最上。一緒にテニススクールに通っているそうだ。また子どもつながりで仲良くなった地元のパパ友達と飲みに行くのが楽しみだという。

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