「C言語エンジニア」の将来性と今後の需要について【2021年版】

今やどのような業態・業種であっても、ITシステムを使っていない企業というのはほとんどありません。しかし、一口にITシステムと言っても、Web系のシステムからIoTなどのデバイスまで様々な種類があります。

対象の利用者についても、企業の社内で使われる業務系システムから、インターネットの不特定多数のユーザに使われるWebサービスまで、様々な種類があります。

システムの種類や要件に応じて、アーキテクチャやプログラム言語を選定していく必要がありますが、プログラム言語にもある程度の得意分野というものが存在します。

そのため、どのプログラム言語がどのようなシステムで使われており、将来性や需要、トレンドはどうなっているのかという質問をよくエンジニアの方からいただきます。

今回の記事では、プログラム言語としては歴史の深いC言語を専門分野とする「C言語エンジニア」の将来性・需要とその実情についてお伝えします。

【目次】

  1. C言語エンジニアが必要とされる分野
  2. C言語を利用する開発プロジェクトの特性
  3. C言語エンジニアの需要
  4. C言語エンジニアの将来性
  5. C言語エンジニアの待遇

C言語エンジニアが必要とされる分野

まずは、C言語エンジニアが必要とされる分野について見ていきましょう。

かつては、OSからアプリケーションプログラムまで、様々な分野で広く使われてきたC言語ですが、今ではWeb系システムで広く使われるJava言語や、AIの台頭によるPython言語の人気に押され気味です。

しかし、C言語が使われているシステムが減っているというよりも、様々な業種でITシステムが使われるようになり、C言語以外のプログラム言語で構築されるシステムが増えているというのが実態でしょう。

それでは、C言語はどのようなシステムを構築するのに使われることが多いのでしょうか。

代表的なものとしては、家電や自動車などの機器に搭載されているコンピューターの制御系システム、いわゆる組込みソフトウェアが挙げられます。

そういった物理的な機器に搭載される組込みソフトウェアは、高速な処理速度が求められるという特徴があります。

ポインタ、ビット単位の論理演算やシフト演算も可能なC言語は、ハードウェアに近い処理を効率的に記述可能なため、高速な処理が実現できます。

そのため、組込みソフトウェア開発におけるプログラム言語は、C言語が選択されることが多くなっているのです。

IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)の組込みソフトウェア開発データ白書2019によると、組込みソフトウェアの開発言語の7割でC言語が利用されています。

同じくIPAのソフトウェア開発分析データ集2020にて、組込みソフトウェア以外を含むソフトウェア開発案件全体で見ると、C言語の比率は7%に過ぎません。

これらのデータからも、C言語はIT業界におけるソフトウェア開発全般ではなく、ある特定の分野でのシェアが高いプログラム言語であるということが分かります。

他にも、C言語はLinuxをはじめとするOS自体の開発や、OS上にインストールして使うパッケージソフトウェア製品の開発でも使われていますが、代表的な分野は組込みソフトウェアで間違いありません。

そして、C言語エンジニアが必要とされているのは、C言語が広く使われている組込みソフトウェア開発の分野であるということが言えそうです。

C言語を利用する開発プロジェクトの特性

C言語は、組込みソフトウェアの開発で採用されることが多いのは先で述べた通りですが、組込みソフトウェアの開発には、どのような特性があるのでしょうか。

基本的には、組込みソフトウェアの開発であっても、従来のウォーターフォール開発などと同じ進め方がされる場合が多く、開発の手法に大きな違いはありません。

しかし、作成したプログラムをテストする段階になると、JTAG-ICEなどのエミュレータを使ったり、機器のROM上にプログラムを焼き付けて、実機で動作を確認したりします。

組込みソフトウェアは、ハードウェアの制御を行うためのシステムとなりますので、C言語エンジニアには開発対象となるハードウェア製品の仕様や特性を理解することが求められます。

また、組込みソフトウェア開発の特徴として、開発プロジェクトが後半に差し掛かると、そのまま次のバージョンの開発プロジェクトがスタートするという点が挙げられます。

組込みソフトウェア開発においては、ソフトウェア開発だけではなく、ハードウェアの開発や製造の工程もあります。ソフトウェアの開発さえ終わればプロジェクトが完了するというわけではありません。

開発したソフトウェアが搭載されたハードウェア製品の製造が終わり、それが発売されてはじめてプロジェクトの完了となります。

製品の出荷や発売を待ってから次の開発プロジェクトをスタートさせると、プロジェクトとプロジェクトの間のスケジュールが空いてしまうため、開発要員の確保が難しくなったり、次バージョンの製品の発売が遅くなったりします。

その問題を回避するために、開発プロジェクトが完了しないうちに次のバージョンの開発プロジェクトをスタートする、ということが往々にして行われます。

そのようなプロジェクトの特性から、前のバージョンを開発したプロジェクトメンバが、そのまま次の開発プロジェクトに投入されるということが組込みソフトウェア開発ではよくあります。

人気の製品であればあるほど、後続の製品の開発が切れ目なく続きますので、長く同じ開発現場で作業している人も多いというのが、開発プロジェクトの特性として言えるでしょう。

長く同じ開発現場で作業していれば、腰を落ち着けて技術を習得したり、開発プロジェクトの中心人物になっていけるというメリットもある反面、様々な現場で色々な技術に挑戦していきたいという人にはデメリットとなる可能性もあるかもしれません。

C言語エンジニアの需要

C言語は、シビアに処理性能を求められるシステムで使われているケースも多いため、専門性の高い開発案件の割合が高くなります。そのため、開発案件の数もWeb系のシステムと比較すると決して多くはありません。

それでは、C言語エンジニアの需要も低いのかといえば、決してそんなことはありません。

C言語には、ハードウェアに近い処理を効率的に記述可能という特性から、習得の難易度が高いという一面があります。つまり、C言語エンジニアとして開発業務を行うためのハードルが他のプログラム言語よりも高いのです。

それゆえに、C言語エンジニアの希少性は比較的高くなっています。
開発案件の絶対数が少なくとも、C言語エンジニアの数も少なければ、需要は増します。

エンジニアが確保できないから、ソフトウェア開発ができずに製品が発売できないとなれば、企業にとっては一大事です。そのため、開発元企業は、開発案件が決まれば、何としてもC言語エンジニアを確保しようとします。

また、一度C言語で開発した製品やシステムを、他のプログラム言語で書き換えるということはめったに行われません。ほとんどの場合、次バージョンの製品開発でも、同じくC言語で仕様変更や機能追加が行われます。

一度開発プロジェクトに参加したC言語エンジニアが、次バージョンの開発でも引き続き必要とされるケースも多いのです。

特に最近では、DX(デジタルトランスフォーメーション)実現の流れを受け、IoT関連のシステムを開発する案件も多くなっています。新たに構築されたシステムは、今後も長く使われていくはずです。 それらの開発案件でもC言語が使われますので、今後も一定量はC言語エンジニアの需要が見込まれます。

C言語エンジニアの将来性

C言語は、ポインタ制御やメモリ制御などの処理も実装できるプログラミング言語であることが、難易度の高さの原因ともなっています。

しかし、ITシステムのコアな部分を理解するのにあたって、ポインタやメモリ制御の知識は避けて通れません。コンピュータがなぜ動くのかを理解するには、それらの知識は必ず必要となってきます。

下手に記述するとシステムに致命的な不具合を埋め込んでしまう可能性があるため、ポインタやメモリ制御を隠蔽しているプログラム言語が増えてきていますが、実際はそれらの仕組みを使って動作しています。

C言語を理解・習得できていれば、なぜプログラムが動作するのか根本的な部分が理解できるようになります。

エンジニアの間では、C言語ができるならば他のプログラム言語の習得も比較的容易である、といったことがよく言われます。

そして、C++やC#など、C言語から派生したプログラム言語も広く使われています。C言語で得た知識を土台にすれば、その派生プログラム言語の習得はさらに容易にできるでしょう。

もちろん、C++やC#はC言語とは異なりオブジェクト指向言語となりますので、オブジェクト指向プログラミングについての理解も必要になってきますが、イチからまったく未経験のプログラム言語を習得するよりも楽に習得ができます。

C++やC#は、Web系システムでも使われていますので、組込みソフトウェアの経験しかないエンジニアであっても、Web系システムの開発に移行することも問題なくできるはずです。

近年では、高性能のハードウェアが安価に手に入るようになり、昔ほどプログラム言語の特性に頼って性能を向上させる必要もなくなってきました。C言語も長い目で見ると、現在のCOBOL言語のような道を辿る可能性もあります。

まだまだ需要はあるとはいえ、将来を見据えて早いうちから他のプログラム言語のスキルを手に入れる準備をしておくのも、エンジニアとして大事な戦略です。

C言語エンジニアの待遇

先に述べた通り、C言語については、開発案件の絶対数は多くはありません。そのため、C言語エンジニアの求人の数も比較的少なくなっています。

しかし、組込みソフトウェアの分野ではまだ圧倒的なシェアがあるということと、他の言語と比較した場合のC言語エンジニアの希少性からも、今後しばらくは待遇が悪化するということはないでしょう。

プログラミング言語別の年収で言うと、C言語エンジニアは20代で400万円程度、50代で600万円程度で、概ねJava言語と同じぐらいのレベルを保っています。

C言語エンジニアとして、さらなるキャリアアップや高収入を目指すのであれば、回路図が読めたり、デバイスやセンサーなどハードウェアに関する知識があると、他のエンジニアとの差別化を図る必要があります。

なお、組込みソフトウェアの開発経験があるエンジニアであれば、その経験を裏付けるためにも資格取得は有効です。組込みソフトウェア開発に関連する資格としては、情報処理技術者試験のエンベデッドシステムスペシャリストがあります。

C言語エンジニアは、組込みソフトウェアの開発エンジニアとイコールではありませんが、C言語プログラミングのキャリアを積んでいくと、組込みソフトウェア開発プロジェクトを経験する可能性は高くなりますので、取得を検討してみるのも良いでしょう。

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>エンジニアのキャリアに関する記事

【SIerエンジニアの転職事例】Java未経験の弱みを「C言語の経験」と「キャッチアップの姿勢」で見事カバー
https://www.axc.ne.jp/column-career-change-case/2013/0514/509.html

SIerにおけるSEの仕事内容<各フェーズ毎>【保存版】
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/sierseworks

社内SEの「仕事内容」と「上手なキャリアの築き方」
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/internalseworks

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変化の激しいIT業界では、次から次へと新しい技術やプログラム言語が登場しています。いたずらに流行に飛びつく必要はありませんが、エンジニアとしては、新しい技術動向には注意を払っておきたいものです。
また、C言語エンジニアに限った話ではありませんが、ひとつの言語を習得できれば、それで安泰ということはあり得ません。

長くエンジニアとして活躍するためには、マネジメント能力やアーキテクチャ設計のスキルなど、プログラム言語以外のスキルにも目を向けることが大切です。

世に出回るプログラム言語の人気ランキングなどに一喜一憂することなく、ソフトウェア開発に必要となるスキル全般を磨くことが大切でしょうか。

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