【DECAX事例解説】コンテンツマーケティングにおける消費者行動を理解しよう

消費者の行動モデルには複数のフレームワークがありますが、今回紹介するDECAXは、特にコンテンツマーケティングを想定した消費者の行動モデルです。

コンテンツマーケティングとは、ターゲットが価値を感じるコンテンツを届けることで、顧客を獲得し、商品・サービスの購入や利用につなげていくマーケティング手法。DECAXでは、コンテンツをターゲットが見つけ、リレーションを築き、顧客として商品・サービスを利用するまでの流れをフレームワークとしてまとめています。

今回の記事ではDECAXの基本的な考え方を紹介します。現代のコンテンツマーケティングにおける消費者の行動を捉えるうえで参考にしてみてください。

【目次】

  1. そもそもコンテンツマーケティングとは?
  2. DECAXの基本的な概念
  3. DECAXの5つのプロセス
  4. DECAXの導入事例
  5. コンテンツマーケティングの効果を高めるためにはDECAXへの理解が欠かせない

そもそもコンテンツマーケティングとは?

コンテンツマーケティングとは、Webを活用したマーケティングが広く普及した現代における、マーケティング手法の一種です。

コンテンツマーケティングでは、ターゲットが付加価値を感じる良質なコンテンツを提供します。ターゲットに「コンテンツを見つけて興味を持ってもらう。企業にアクセスすることをきっかけに関係を構築し、最終的には企業の商品・サービスを利用する顧客となってもらう、という手法です。

ここでいう「コンテンツ」は、広い意味ではターゲットに付加価値を与えるあらゆる素材が含まれますが、WebやSNSを活用すればターゲットに幅広く付加価値を伝達できることから、Web上の記事やブログ、SNSによる情報発信などを想定するケースが多いです。

Web上に良質なコンテンツを作成して、SEO対策などにより、コンテンツにターゲットがアクセスしやすい環境を整備しておけば、一度作成したコンテンツは継続的に集客効果を持ち、顧客の獲得や関係構築につながっていきます。

そして、ターゲットへのスムーズな情報発信と顧客拡大を実現させるためには、今回紹介するDECAXによる消費者のコンテンツマーケティングでの行動を理解することが重要です。

DECAXの基本的な概念

DECAXは、2015年に広告代理店大手の電通が提唱したフレームワーク。当時普及が進み始めていたコンテンツマーケティングにおける消費者の購買行動を捉えるモデルとしてまとめられました。

DECAXにおける5つの行動プロセス

DECAXにおいて消費者は、次の5つのプロセスに沿ってコンテンツを見つけ、企業とのリレーションを築き、最終的に商品・サービスを利用する「顧客」に成長していくと考えられています。

  • Discovery(発見)
  • Engage(関係構築)
  • Check(確認)
  • Action(購買行動)
  • eXperience(体験と共有)

DECAXは、現代のマーケティングにおいて重視される顧客との関係構築や顧客体験という概念も取り入れたフレームワークです。これらのプロセスにしっかりと取り組むことで、顧客との関係性が深まります。消費者は「優良顧客」となり、今後も継続的に商品購入やサービス利用を積極的におこなってくれるようになるのです。

DECAXの5つのプロセスについては、次で詳しく紹介します。

DECAXの5つのプロセス

DECAXは他の行動プロセスのフレームワークと同様、頭文字それぞれが消費者の行動の一プロセスとなっています。ここからはDECAXのそれぞれのプロセスについて詳しく見ていきましょう。

Discovery(発見)

消費者が Web検索やSNSなどを通じて、コンテンツを発見する段階です。コンテンツマーケティングにおいては、企業が顧客に働きかけるというよりは、消費者が能動的に情報を収集する中で、自分に有益なコンテンツを見つけるところから、行動プロセスが始まります。

多くの消費者に「発見」してもらうためには、ターゲットにとって質の高いコンテンツをそろえることが第一。そのうえで、コンテンツがWeb上の発見しやすい場所に表示されるように、SEO対策やリスティング広告などのWebマーケティング対策を進めるのです。

Engage(関係構築)

消費者が企業の発信するコンテンツにたどり着いたら、続いては企業との関係構築を進めていきます。引き続きブログやメディア、SNSなどの情報コンテンツが鍵となる段階です。ターゲットとうまく信頼関係を築くために、有益で積極的な情報発信を継続しましょう。

なお、現実のマーケティングでは、コンテンツのみで関係構築を完結させるとは限らず、必要に応じてイベント、無料サンプル、フリープランの提供など、従来型のマーケティング手段を絡めながら関係構築を図るケースもあります。

ターゲットや商材の特性を踏まえて、できるだけ多くの消費者と強い信頼関係を築く工夫を凝らすことが大切です。

Check(確認)

関係構築が深まれば、消費者は企業やその企業が提供する商材に興味を持ち始めます。消費者は「本当に企業や商材が自分のニーズを満たす存在なのか」「利用するに足る質の高いものなのか」などを能動的にチェックします。

消費者にチェックのプロセスをスムーズに進めてもらうためには、商材や企業についての特性やブランディングメッセージ、ターゲットにとっての商材の有効性などを、すぐに見つけられるように工夫する必要があります。

チェックのプロセスで想定される検索キーワードをターゲットとしたSEO、Webサイト内での商品や企業のブランディングを紹介するページへの動線などを整備しておきましょう。

Action(購買)

確認のプロセスで最終的に納得すれば、消費者は「購買」に至ります。そしてこの段階で消費者はその企業にとっての「顧客」となります。

企業は購買が完了する段階まで見据えて、Webサイトを整備することが大切。

  • 購入のための入力フォームを簡略化する
  • 多様な支払い手段に対応する
  • 大手ECサービスでも購入できるようにする

など、最後の購入手続きの段階で、消費者が面倒くさくなって脱落しないよう、申し込みページをシンプルにする必要があります。

eXperience(体験と共有)

現代においては商品自体の質だけでなく、商材を購入して実際に利用するプロセスにおいて、顧客体験全体の質を高める潮流があります。

この一連のプロセスにおいて顧客が満足することで、顧客はさらにその企業や商材を信頼し、リピーターや優良顧客化しやすくなると考えられているためです。DECAXでは現代のマーケティングの潮流を踏まえ、購入後のプロセスに「体験」が含まれています。

商材の質が高いのは大前提として、例えば、次のような方法で購入体験のブラッシュアップが可能です。

  • 情報収集から購入・決済までのスムーズな動線
  • 共感できる優れた商材やパッケージのデザイン
  • 購入者のみが得られる特典
  • 企業からのお礼メッセージ

またDECAXでは、顧客が購入体験をSNSやレビューなどでシェアすることを想定しています。コンテンツマーケティングには、顧客の能動的なシェアが他のターゲットに伝わり、新たな顧客獲得につながる相乗効果が期待できるためです。

DECAXの導入事例

最後に、DECAXをもとにコンテンツマーケティングを成功させた事例として、生活衛生用品などの大手企業「ライオン株式会社(以下ライオン)」が運営するメディア「Lidea(リディア)」によるコンテンツマーケティングを紹介します。

Discovery(発見)

Lideaはライオンの製品との親和性をもとに、生活系や衛生関連の記事を頻繁に更新しています。

中にはライオンのキャンペーン告知をおこなっている記事もありますが、多くは生活における工夫や、清潔な環境を保つことの重要性など、生活するうえで役立つ知識を提供しています。

まずは、ライオンがターゲットとする層にこうした内容の記事を発見してもらい、興味を持ってもらう狙いがあるのです。

Engage(関係構築)

一般的なオウンドメディアと同様に、Lideaの記事にまず触れると、関連記事や最新の記事に次々と遷移できる仕組みが目につきます。消費者は記事の内容に共感・納得できれば、別の記事も多く読むようになり、Lideaというメディアやその運営元であるライオンを信頼するようになっていきます。

ライオンとターゲットの間で、自然に信頼関係が構築されていくのです。

Check(確認)

企業との関係性ができ上がれば、ターゲットの消費者は、ライオン製品について調べるようになります。Lideaの中には、ライオンの本サイトへのリンクはほとんど張られていません。

ライオン製品ほどの知名度があれば、Googleで検索すればすぐに表示されます。そのため、Lideaからライオン製品のページに遷移させる必要がないのです。

Lidea内のライオン製品へのリンクを減らすことで、Lideaはあくまで「情報メディア」であるとの印象を消費者に持ってもらえます。広告要素を減らすことが、消費者との信頼構築に役立つのです。

Action(購入)

Lideaを経てライオンとの信頼が築かれた消費者は、ECサービスや小売店でライオン商品の購入に至ります。

eXperience (体験と共有)

実際にライオン製品を使って品質に満足すれば、顧客は商品に関する情報発信をするとともに、製品に対する信頼を深め、顧客はリピーター化。ライオンが販売する製品の多くは日常的に使用する消耗品のため、一度信頼を得れば、継続的に顧客は同じ商品を購入してくれるのです。

ここで、SNSでハッシュタグ付きの情報拡散を促すキャンペーンや複数回の商品購入などによる懸賞を企画すれば、既存顧客の体験を高めながら、キャンペーンや懸賞の告知によりさらなる集客が可能となります。

コンテンツマーケティングの効果を高めるためにはDECAXへの理解が欠かせない

直接的に商材を売り込まず、ターゲットが能動的に有益な情報を発見するのを待つコンテンツマーケティングでは、消費者がコンテンツの発見から購入体験までスムーズに流れて行くよう、さまざまな仕掛けが欠かせません。

効果的な仕掛けを整備するためには、まずDECAXでコンテンツマーケティングにおける消費者の行動プロセスを理解することが大切です。

マーケティティング領域のコンサル案件は戦略系・総合系を中心にしばしば生じます。現代のマーケティング戦略であれば、コンテンツマーケティングが重要な方策となるケースは珍しくありません。そのようなプロジェクトで力を発揮できるよう、DECAXで消費者の行動プロセスをしっかりと押さえておきましょう。

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>マーケティングに関する記事

デジタルマーケをコンサルティングファームでやるメリット
https://www.axc.ne.jp/column/media/careertips/mkconsulmerit

マーケティング戦略の立て方(プロセス)とは【有効な戦略を立てるための4つのステップと具体的な手法】
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今回の記事ではDECAXの基本的な考え方をご紹介しました。キャリアでお悩みの方は、ぜひアクシスコンサルティングにご相談ください。


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