コンサルタントが事業会社へ転職する際の注意点とは?

コンサルティング業界が日本に根付いて早50年以上。その間、事業会社サイドでもコンサルを使うメリット、デメリットもよく熟知されるようになり、次第に「自社の中にコンサルタントを置こう」という企業が増えてきています。

一方、コンサルタントも経験を積むと、事業会社でコンサル経験を生かしたいと考える方も多くいらっしゃいます。

では、コンサルタントが事業会社にポストコンサルとして転職する場合、どのような点に注意すればよいのでしょうか?

今回は、コンサル出身者のポストコンサル転職に必要な知識についてお伝えいたします。

【目次】

    1. 事業会社へ転職するコンサルタントに人気の「社内コンサルタント」ポジションに求められる能力とは?
    2. 事業会社へコンサルタントが転職する際に最も注意すべきポイントは、給与ダウンのインパクト
    3. ITコンサルタントから事業会社へ転職する方の苦労と成功事例

事業会社へコンサルタントが転職する際に最も注意すべきポイントは、給与ダウンのインパクト

労働人口に占める年収1000万円以上の労働者の割合はわずか3.9%(国税庁「平成25年民間給与実態統計調査」より)。もちろん、これは年収がピークに達する40代、50代を含めての数字です。

20代でも悠々と年収1000万円に届いてしまうコンサル業界の給与水準の高さから、事業会社に転じれば、その給与ダウンのインパクトが大きいことは容易に想像できるでしょう。

コンサルタントが事業会社への転身を考えるときに、魅力的な求人を見逃さないためにも、事業会社の給与の適正相場を見極めてアンテナを張ることが重要です。

相場を把握する上では、東洋経済発表の「30歳年収が高い会社トップ300」、「40歳年収が高い会社トップ300」などを参考にしてみてください。

参考:ポストコンサル転職の「年収・お金」の問題について
https://www.axc.ne.jp/column/axis-column/postconsul/money.html/

また、中にはコンサル時代の給与から半分以下のオファー額で転職された方もいらっしゃいます。その方曰く、「チャレンジできるポジションをお金で買った」「飛び込む勇気が必要」とのことでした。ぜひこちらの記事をご参考ください。

参考:【転職事例】戦略コンサルから「年収約4割減」で他業界へ。その決断の背景に迫る
https://www.axc.ne.jp/column/career-change-case/consultant-next-career/06.html

すぐにバリューを出せるか?

コンサルタントが事業会社へ移る場合、同じ仕事内容だと一般的に給料レベルは下がります。それほど、コンサルタントは高給だということです。

だからと言って、無理に同じ水準を保とうと背伸びをし過ぎると、スキルセットが合わずに力を発揮する前に会社を去ることにもなりかねません。

転職に当たっては、「すぐにバリューを出せるかどうか」と、「成果を出すことで先々得られるチャンスはどのようなものか」をよく考えてみることが重要です。

特に新卒からコンサルタントになった方は、自身が事業責任を持った経験がありません。そのことを忘れ、事業会社でいきなり、カウンターパートである経営者や事業部長のポジションで転職できると期待しがちです。

しかし、PL(事業の損益)や部下の生活に責任を持つことは想像以上にハードルが高いのです。

仮に、一時的な給与ダウンになったとしても、自身が成長するための授業料であり、先行投資であると考えることはできないでしょうか?

自身の能力が事業会社でも発揮できるようになれば、正当な評価は後から付いてくるものです。

少なくとも、「自分の実力で後からいくらでも取り戻してやるさ」という気概と自信の無い人に、高給を払ってまで来てほしいとは事業会社側も思わないでしょう。

ポイントは生活水準を上げ過ぎないこと

とはいえ、一度上がった生活水準を下げることは難しいものです。

それがわかっているからこそ、「いずれ事業会社へ」と本気で考えている方は、選択肢を狭めないために「若いうちに転職する」、あるいは「生活水準を上げ過ぎないように意識する」、という行動を取っているのです。

ITコンサルタントから事業会社へ転職する方の苦労と成功事例

コンサルタントを経験すると様々なキャリアパスを手に入れることができることは確かです。しかし、経験と目指すキャリアにギャップがある場合は、苦労するケースもあります。

ここで、ITコンサルタントから事業会社への転職、キャリアチェンジを目指した方の転職事例をご紹介します。

  • 30代中盤 男性
  • コンサルティングファーム(ITコンサルタント)→事業会社
  • 700万→650万

Wさんの転職理由はキャリアチェンジ。現在ITコンサルタントですが、事業会社でビジネスに携りたいとの思いから転職を決意。働きながらMBAを取得されるなど自身のキャリアアップを真剣にお考えの方です。

ただ、なかなか思うように転職活動が進まないという現実が……。

ハードルの高いキャリアチェンジ

これまでシステム構築を中心にキャリアを積んできたWさんは、今後はクライアントサービスではなく、自社のビジネスに直接携りたいとの思いがあり、転職活動を始めました。

ご面談でお会いしたときには、既に多くの事業会社に応募されておりましたが、なかなか書類選考が通過しないという状況。ほとんどの企業が「経験アンマッチ」、「求めるスキルに満たないため」というお見送り理由でした。

Wさんにはご年齢とこれまでのご経験を元に客観的に見てみると、このタイミングで大きくキャリアを変えることは難しいということをお伝えし、Wさんとしても、これまでの書類選考の結果からその部分については、一定の理解をされているようでした。

選択肢として事業会社1本に絞るのではなく、現職からのキャリアアップ、またその次のキャリアとして事業会社が狙えるような経験が積めるような、コンサルティングファームも並行して応募してみるという形で転職活動が再スタートしました。

やっとめぐってきたチャンス

再スタートから数か月経過した後、やっとWさんの希望する事業会社P社の面接を受ける機会が。Wさんとしてはなんとしてもこのチャンスを逃すまいと、企業研究をはじめとして、その会社が行っているビジネスに関連する領域についてもかなり調べたようです。

私の方からもその会社の特徴、強みなど改めてお伝えし、以前その会社に面接に行かれた方も何名かいましたので、その方達からの面接フィードバックなどを参考情報としてお渡しするなどできる限りの情報を提供しました。

普段はあまり緊張しないというWさんですが、さすがにP社の面接はかなり緊張したようです。

ただ、コンサルティングファームの面接を数回経験したことで、ある程度、面接慣れできていたことも幸いし、転職の理由など含め、自身のP社に対する思いや、P社で何がしたいのかをしっかりと、また熱く伝えた結果、先方からも高い評価を頂き、見事面接は通過となりました。

2次面接では、長期的なコミット力を試されているような感じを受けたとのことでしたが、こちらも無事クリアし、いよいよ最終面接へ。

最終面接は人事の方が面接官で、人物面を重視した面接でしたが、高い成長意欲やチャレンジ精神、一方で謙虚さや素直さも持ち合わせている、というかなり良い評価を頂け、見事内定を勝ち取りました。

P社の面接を進める中、並行して応募していた大手コンサルティングファームでも内定を頂けたのですが、やはり業務内容を重視してP社への入社を受諾されました。

あきらめずに自身の目指すキャリアを追いかけたWさんの努力が実った転職活動となりました。

重視されるのはコンサル経験の中身

ポストコンサルタントと言っても、戦略コンサル、ITコンサルなど経験は人それぞれ。経験の中身が事業会社の求めるものとフィットしていなければ、難しいのが現実です。

事業会社への転職を希望する場合は、事業会社でどのような仕事がしたいのか?その経験が自分のコンサル経験と合っているのか? 合っていない場合はどのようなキャリアを積む必要があるのかを考える必要があります。

「将来的には事業会社への転身を考えている」という方は、中長期的な視点でアドバイスと情報提供をさせて頂きますので、お気軽にお問い合わせください。

また、入社後もコンサル出身者ならではの苦労やギャップに直面するケースも多いです。ぜひ下記の記事もご参考くださいませ。

参考:

【転職事例】コンサルから事業会社に転職して、1年半経って初めて見えてきたこと
https://www.axc.ne.jp/column/consultant-next-career/10.html

【実話】事業会社からコンサルティングファームに転職して辛かったこと&驚いたこととは?
https://www.axc.ne.jp/ccc-surprised-and-hard

事業会社へ転職するコンサルタントに人気の「社内コンサルタント」ポジションに求められる能力とは?

そもそも社内コンサルタントとはどのような仕事をするのでしょうか。企業によって多岐にわりますが、概ね以下のようなことを期待されているケースが多いようです。

  • 役員直下の特命案件の企画・遂行(内密な案件が多い)
  • 経営戦略の企画・遂行
  • 戦略会社の立ち上げ案件
  • ブランドの立ち上げ案件
  • 複数事業部にまたがる大型プロジェクトのプロジェクトリード
  • 外部コンサルティングファームの使用可否判断

どんな人が求められている?

社内コンサルタントというポジション名からわかるように、コンサル経験者、主に戦略系の採用ニーズが高いです。

しかしその採用枠は極めて少なく、グローバルで数十万人の従業員を抱える企業でも、20~30名程度。

狭き門ですが、転職の際のポイントを3つお伝えします。

  • 戦略案件の経験:社内の経営層直轄案件も多いため、漠然とした課題に立ち向かうことも求められます。戦略案件に携わっていたかが一つのポイントになってきます。
  • 業界の知見:募集企業がいる業界の案件経験があるかが見られます。
  • 事業会社での動き方の理解:ここが一番の肝になります。コンサルタントとしてのキャリアと、事業会社でのキャリアを両方もっている方が尚可(必須のケースも)となります。

社内コンサルタントは、外部コンサルタントよりも、社内調整やネゴシエーション力を重視されます。日系の場合は外資系とは違った日本の大組織の動かし方を身をもって知っているかが重要です。

社内コンサルタントの魅力

社内コンサルでは、「事業構造改革 / BPR / 新商品企画開発/ 中長期事業計画策定」など、抽象度が高い課題解決を行うプロジェクトが多く、シニアコンサルクラスで必要なスキルをそのまま生かすことができるケースも多いです。

そのため、コンサル時代との経験のギャップも少なく、比較的スムーズに事業会社にキャッチアップしやすいというメリットがあります。

また、企業が社内コンサルを置く目的は、外注費用の削減と、内製化することによるプロジェクト進行のスピードアップや情報の秘匿性を守ること。

役員直下であることによるプレッシャーの強さ、0→1と1→100両面を期待される期待値の高さなど、かなりハードかつ成長機会の豊富なポジションでもあります。

参考:シニアコンサルタントが事業会社でステップアップしたいなら「社内コンサル」がおすすめの理由
https://www.axc.ne.jp/media/column-career-change-case/scstep

さらに、あくまでも事業会社での雇用となるため、ワークライフバランスのとりやすさやキャリアパスの広がりという面では魅力的と言えそうです。

キャリアの面で考えても、社内コンサルタントとして携わった案件の実行面も担当するケースがあるので、マーケティング企画や営業企画、経営企画などへの異動もありえます。

ただし、「タスクフォース(横串)型」の社内コンサルは、組織が機能していればいるほど確立していればいるほど、「社内コンサルから抜けられない」という事態が起こりやすいようです。

そのため、事業部への異動を目指している方は、事業部付けの社内コンサルに入社される方がキャリアチェンジしやすいようです。

参考:「一旦、社内コンサルになる」に潜む落とし穴
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/inhouseconsul

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今回はコンサルタントが事業会社へ転職する際の注意点についてお伝えしました。

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