【投資銀行 未経験向け】業界”あるある”<入って驚いたこと、大変だったこと>

どの業界も多かれ少なかれ特色というものはあるもの。しかし、投資銀行業界はその中でも独特な文化を持つ業界で、特にコンサル・アセマネなど異業種から転職した場合にはその文化の違いに驚き、時には戸惑う方も多いです。今回はそんな異業種から投資銀行業界に入った人から聞いた、驚いたことや大変だったことを紹介していきます。

【目次】

  1. 資料作成が膨大なのにスケジュールがタイト
  2. パワーポイントを多用し、ビジュアルに異様にこだわる
  3. 17時が定時の雰囲気が全くなく(締め切り以外の)時間にもルーズ
  4. 飲み会の集結が遅く、終わりはもっと遅い
  5. 日常的に転職の話をする
  6. ビジネスファッションへの意識が二極化

資料作成が膨大なのにスケジュールがタイト

投資銀行の大きな特徴の一つである、膨大な資料の作成には驚かれる方が多いです。「量が多いのにも驚いたが、スケジュールが極端にタイトな事にもっと驚いた」という意見も。部門やチームにもよりますが、提案資料やディールを進行するための資料は厳格に期限が決められる傾向にあります。

それぞれのクライアントは自社の計画に沿って資金調達やM&Aを一定の時期までに完了させる強いニーズを持っています。いくつかの手続きは法制度上、あるいは商慣行上で期限がはっきりしているため、ディールを開始するきっかけとなる提案資料や、ディールを進めるための各種資料では「期限を守る」ことがとりわけ重視されるのです。

スケジュールに余裕を持ってディールを準備できればいいのですが、それはクライアントの事情なので投資銀行マンはコントロールすることが困難です。クライアント側も小さいものでも数十億円、時には1兆円以上の莫大な金額が動く意思決定なので、安易には行えないのは仕方ないところです。

「時には夕方に依頼を受けて、夜に資料を作成。明朝クライアントを訪問する、ということもあった」という経験談もありました。そのようなタイトな日程でもパワーポイントで数十ページの資料を作る必要があることもしばしば。結果として投資銀行では若手を中心に、高速かつ長時間の作業が常態化することになります。

パワーポイントを多用し、ビジュアルに異様にこだわる

資料関連でもう一つ。「パワーポイントの使用頻度に驚いた」というコンサル出身者の方もいました。「コンサル時代は資料といってもエクセル・ワード・パワーポイントとMicrosoft Office関連の様々なフォーマットで資料を納品していた。投資銀行でも使う機会はあるものの、完成形は圧倒的にパワーポイントとなることが多い」とのことです。投資銀行では法制度関連の事務手続きに必要な資料・文書について、専門的に扱う部署・チームが配置されていることも珍しくありません。

その場合、各部門のメンバーの多くは業務としてはオリジネーション(提案)〜エグゼキューション(ディールの完遂)に一貫して関わりますが、手を動かして自分で作成する資料は対クライアント向けの提案資料や報告資料の比重が重くなります。

こうした資料はコンサルのように、その資料自体が収益源となっているわけではなく、あくまで「営業資料」の一環です。そのせいもあってか異様に見ための華やかさを重視する傾向にあるようです。「グラフの見やすさ、図表のわかりやすさとはもはや別次元のカラフルさ、インパクトなどが重視され、正直内心シンプルにした方がわかりやすいのでは?と思う場面も少なくない。上司には言えないけど・・・」といった意見もありました。

17時が定時の雰囲気が全くなく(締め切り以外の)時間にもルーズ

こちらはアセマネ業界や他の金融業界などから転職された方からよく聞かれるもの。コンサル業界ではフレックスに近い勤務体系の方も多いことから、逆にコンサルの方からは「意外に似ているポイント」として上がることもあります。

「長時間残業が常態化し過ぎていて、17時に作業を完了させて帰る人は極めて稀。たまに定時前後に帰る人がいれば『早帰り』しているかのような空気になる」と言った意見や「何となく19時くらいからポツポツ帰り始める感じで、定時は19時なんじゃないかと勘違いしてしまいそう」という声も。投資銀行に転職する以上残業が多いことはある程度覚悟の上入社するようですが、その結果「17時=定時」という概念がほとんどなくなっているという点には驚かれる方が多いようです。

また、近年は残業規制の観点から帳尻を合わせるために「業務がない閑散期は極端な早帰り」を行う投資銀行も多くなってきています。通算の勤務時間を削減するために、お昼で帰る、極端な例だと2―3時間勤務して帰るという定時帰り以上の早帰り事例も珍しくありません。「早帰りが増えたことが、より一層9時~17時といういわゆるビジネスタイムの感覚を薄めている」とのことです。

尚、これに付随して「時間にルーズな人が多い」という印象を持つ人も多いです。クライアントの締め切りやアポイントは厳守するのですが、朝の出社が遅い(黙認しているが遅刻では?という例もしばしば)、会議に人が集まらないといったことがしばしばあるようです。「残業時間が長く頑張っている雰囲気を出すことでなんとなく黙認されている印象がある」といった意見も見られます。中には、残業が長時間すぎる一方で朝に全然出社しない「自己流フレックス」状態になっているメンバーがいることも。「午後〜深夜にしかあまりいない人がいることに衝撃を受けた。ディールをたくさん取っている好成績なメンバーなので黙認されていた」という意見がありました。

飲み会の集結が遅く、終わりはもっと遅い

残業が多いことに付随していると思われますが、投資銀行では飲み会の集結・終了も遅いことが多いです。「忘年会など、節目でシニアメンバーが来る場合には皆無理やり切り上げて参加する人が多いが、それ以外の時は全員集結するのが平気で20時〜21時以降になる。二次会のカラオケで盛り上がっている時にやっと揃うというのもよくある光景」というお話もありました。

定められたスタート自体は意外にも18時〜19時など普通の時間なのですが「スタート時に集まっていることを誰も期待していない」そうです。先に紹介した時間のルーズさが、ここにも出ているようにも思えます。大規模な宴会なのにスタートは内輪の飲み会のように2〜3人でちびちび飲み始めるということも珍しくありません。

さらに驚く人が多いのは飲み会の終わり時間です。仕事柄夜に強いタフな方が多く、また上記のように集結するのが遅いため、飲み会は深夜まで続くのが基本。金曜の飲み会は特に危険で、何件もハシゴした結果ほぼ朝帰りということも珍しくありません。たまたま早めに集結できたからと言って早めに解散するとは限らず「いつのまにか8時間以上飲んでいた」という経験を持つ方もいました。

平均的に収入が高いことが作用しているのか、終電を逃してタクシー帰りになることを拒む人があまりおらず「飲み会=タクシー帰りが基本だった」という強者も。「仕事でもタクシー帰りがしばしばあるので、飲み会が遅くなることにあまり抵抗がないのだろう」という意見もありました。

日常的に転職の話をする

外資系の場合は多かれ少なかれ当てはまることなので、これは主に日系の企業から投資銀行に転職してきた場合に驚かれがちなことです。投資銀行は人材の流動性が高い業種で、外資系はもちろん、日系でもごく日常的に転職者の出入りがあります。「銀行も持つ大きなFG系の投資銀行部門では、ジョブローテションと転職での出入りが両方あるので、3ヶ月ごとくらいでどんどんチームメンバーが入れ替わる」というお話もありました。

投資銀行マンにとって「転職」は一般的な日本のサラリーマンと比較してごくありふれたものです。そのため、社内でもごく普通に転職について雑談することがあります。内輪の飲み会になるとより生々しく、どこの転職エージェントを利用した・利用したいか、どのような同業他社や金融機関が採用を行なっているか、といった内容が普通に飛び交います。

ただ、一概には言えませんが「本気で転職選考を進めている時は無口になる」という意見も。そもそも選考というのは機密事項なので、転職先のことを踏まえると不用意に情報を漏らすのはリスクが高いもの。そのため本気で転職活動をしている人はこうした話題にあまり加わらなくなります。「前は転職についてよく話していた人が急に話をしなくなったと思った矢先に退職した」といったようなケースもしばしばあるようです。

ビジネスファッションへの意識が二極化

投資銀行では「仕事中は高価なものを身につけておけ」とよく言われます。シニア層ほどその意識は強いですが、若手でも経済的に少し背伸びしてハイブランドもので身を固めることを勧められることがしばしば。スーツはフルオーダー、靴も鞄も高価なブランド、時計に至っては若手でも100万円〜のものを装着している、という方が少なからずいます。

この背景には、莫大な金額のファイナンスやM&Aなどを実行するからには、クライアントは信頼の置ける人に相談したいと思うはずである、という意識があります。身なりが整っている→稼ぎがよい→仕事ができる、という考え方です。どのビジネスでも多かれ少なかれ意識されるところではありますが、投資銀行では特にその意識が顕著。しかも何故か単なる清潔感等ではなく「いかに高価なものを身につけるか」にベクトルが集中する傾向にあります。

さて、投資銀行マンとして以上のように身なりを整えるのが「望ましい」と思われがちであるのは確かですが、実際には上記を意識してビジネスファッションに拘る人は半分程度というところでしょうか。「一昔前ならわからないが、今は安いスーツを着ているだけで部下を怒るなんてことは出来ないので、最後は個人の自由になっている」とのことです。

もちろんビジネスマンとしての常識には逸脱しないレベルを満たしてはいるものの「それ以上のファッション性には無頓着」という人も少なからずいます。結果として、意識的に身なりをハイブランドで整える人、特に気にしない人で二極化する傾向。「実際にところ常識を逸脱していないレベルであれば、スーツ姿の見た目は必ずしもパフォーマンスとリンクしていない気もするが、そんな統計はないので実態は不明」という意見もありました。

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>投資銀行へのキャリアに関する記事

コンサルファームから投資銀行(IBD)への転職後、活躍できるコンサル・できないコンサルの違い
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/postconsulinvestmentbank

投資銀行を目指すコンサルタントからよくある質問と回答例【年収面から採用まで】
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/toinvestmentbank_qa

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どの業界に転職しても、異業種転職の場合は転職先の文化の違いに驚くことも多いでしょう。投資銀行業界はとりわけ独特な雰囲気が漂っているため、転職前の環境とのギャップに驚き、また戸惑う方が多いように思えます。今回の記事などを参考に、投資銀行の文化をイメージしておくことで、このような戸惑いも軽減し、スムーズに転職先で活躍できるようになるでしょうか。

投資銀行への転職をお考えの方は、ぜひ一度アクシスコンサルティングにご相談ください。


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