【ポストコンサル転職AtoZ】タイミング(年齢/役職)・業界別の年収キャリア事例・入社前後の留意点・独立(フリーコンサル)まで

今回は、事業会社CxO、ファンドマネージャーへの独自取材、実際に事業会社へ転職した方の生の声などをもとに、「ポストコンサル」のタイミング(年齢/役職)・業界別の年収キャリア事例・入社前後の留意点・独立(フリーコンサル)までまとめました。

【目次】

  1. ポストコンサル転職のタイミング
  2. 「マネージャークラス以上からの」ポストコンサル転職
  3. ポストコンサルのよくある転職動機と主な留意点
  4. 「経営企画」の採用動向・転職年収事例・入社前後での留意点
  5. 「社内コンサル」の採用動向・転職年収事例・入社前後での留意点
  6. 「M&Aポジション」の採用動向・転職年収事例・入社前後での留意点
  7. 「投資ファンド・VC」の採用動向・転職年収事例・入社前後での留意点
  8. 「アーリーベンチャー・スタートアップ」の採用動向・入社前後での留意点
  9. 「CxO」の採用動向・入社前後での留意点
  10. 「独立・フリーコンサル」という選択肢・キャリアパスも
  11. (ご参考)ポストコンサルのキャリア事例インタビュー

ポストコンサル転職のタイミング

一般に、転職は30歳前後が一つの区切りとも言われ、ポストコンサル転職にもそれが当てはまります。

コンサルファームではシニアコンサルもしくはマネージャーにあたりますでしょうか。

20代後半~30代前半やシニアコンサルのうちに転職するメリットとしては、

  • 年齢的にもリスクを取りやすい
  • ファームと事業会社での年収ギャップもそこまで大きくない
  • ポテンシャルを評価されやすいので、未経験の業界や職種でも採用されやすい

という点でしょうか。

実際に、事業会社の採用担当からは「未経験と呼べる・扱うのは32,3歳まで」という回答をいただくことも多く、30代半ばを越えてしまうと、事業会社へ入社後すぐにバリューを出すことを求められるケースが多くなります。

また、大学院への進学・海外留学を経験されている場合、20代半ば~後半でファームに新卒入社することになり、数年でポストコンサル転職のタイミングとなります。数年では特定の領域での専門スキルを身につけることは難しいため、コンサルの基礎となるデリバリースキルや、大学時代の研究や英語力が求められる事業会社のポジションを探すのが得策でしょうか。

その他、明確にやりたい領域・特化したいスキルが見つからないといった方は、「マーケットにその専門性を持つ人数が少ないが、今後市場として伸びる領域」へとキャリアチェンジすることが王道となります。

(参考)
シニアコンサルタントが事業会社へとキャリアチェンジする大きなターニングポイントである理由
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/SCchanceexit

「やりたいことが見つからない」シニアコンサルタントの4つの着地点
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/4Landingpoint-senicon

「社歴が浅い」30歳前後のコンサルタントが事業会社に転職するための指針
https://www.axc.ne.jp/media/column-career-change-case/ctoc30

「不景気でも」事業会社に歓迎されるコンサルになるための1つの身近なスキル
https://www.axc.ne.jp/media/change-jobs-knowhow/post1skill

30代半ば・シニアコンサルタントからのキャリアパス
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/35SCcareerpath

「マネージャークラス以上からの」ポストコンサル転職

マネージャークラスが事業会社に転職する場合、年齢面や年収面から、

  • 年収の下げ幅が大きくなりやすい
  • 未経験の職種や業界に転身しにくい
  • 入社後の期待値が高く、深い知見や高い数字を求められやすい

などのリスクが考えられます。

特に、マネージャー以上になると年収ダウンでのオファー事例が多くなります。

(例)
‐外資戦略系ファーム1500万円→1000万円 ※500万円ダウン
‐外資戦略系ファーム2200万円→1400万円 ※800万円ダウン

もちろん、伸びる業界(マーケット)、会社の旬(フェーズ)などを掴むことにより、年収をアップしての転職をされる方もいらっしゃいます。

(例)
-32歳男性:外資系総合ファーム(マネージャー) 年収1,100万円→IPO直後の大手ベンチャー(経営企画 マネージャー候補) 年収1,300万円 

直近の傾向としては、SaaSやITベンダーへの転職に興味を持つマネージャークラスの方が増えています。年収に関しても、マネージャークラスで1,500~2,000万円のオファーといったケースも多く、年収アップでの転職事例も出てきました。

(例)
-36歳マネージャー (外資系ファーム) 年収1,200万円 → 外資系ベンダー ソリューションアーキテクト(PM) 年収1,650万円

マネージャーに昇格してから転職するメリットとしては、事業会社からコンサルファームに戻る際に同じタイトルで戻りやすいという点が挙げられます。シニアコンサルタントで転職した場合は、たとえその事業会社で課長クラスにまで昇進した場合でも、マネージャーとしてコンサルファームに戻ることは難しいケースが多いようです。

元コンサルにとってみれば「事業会社の文化や風土に合わなかった」といった際のセーフティネットとして捉えることも可能のようです。特に近年はどこのファームもマネージャー不足のため、マネージャーの出戻りは歓迎されるでしょう。メンバークラスやリソースを自力で確保するといった挙動も必要がないケースもあるようです。

実際に、各ファームにはアルムナイと呼ばれる組織を通して、退職者に対して求人情報を発信するなど、「出戻り」しやすいアプローチを行っています。ただし、あくまでも前職に歓迎されるには「円満退職」が条件であり、前職を辞める際に遺恨を残したといったケースでは、上記の限りでは内容です。将来的に「出戻り」を視野に入れている方は、退職時も「飛ぶ鳥跡を濁さず」といった周囲に迷惑をかけない辞め方が求められます。

(参考)
コンサルファームから事業会社へ転職、シニアコンサルで行くべきかマネージャーで行くべきか?
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/firmexitSCorM

コンサルの「出戻り」は気まずくないのか?
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/Alumni

ポストコンサル転職の「年収・お金」の問題について
https://www.axc.ne.jp/column/axis-column/postconsul/money.html/

「年収アップ」でコンサルタントから事業会社に転職している人が意識していること
https://www.axc.ne.jp/media/column-career-change-case/ctoincomeup

ITベンダーに転職するコンサルタントのマネージャーやシニアマネージャーが増えている理由と、 転職で有利に働くスキル
https://www.axc.ne.jp/column/media/careertips/itvendormsm

ポストコンサルのよくある転職動機と主な留意点

転職動機によって留意点は異なりますが、事業会社を選ぶ際に共通して注意したい点としては

  • 「現在の状況」だけではなく、会社やマーケットの「歴史」を確認する
  • 「株主・投資家」を確認する
  • 「自分の上司」が誰になるのかを確認する

などが挙げられるでしょうか。

事業会社ではトレンドや投資家の影響を大きく受けることになります。また、大企業であればあるほど、経営層との関わりは稀になります。自分が日々接するのはどのレイヤーの人たちなのかも事前確認が必要です。

最もよくいただく転職動機としては「自分が当事者としてビジネスに関わりたくなった」というものです。この観点では、

  • 会社の経営フェーズ(規模やフェーズで求められる役割の広さが異なる)
  • 自分の経験と募集職種の親和性/類似性(近いほど活躍しやすいが、コンサル時代と差がなくなりやすい)
  • ポジションの募集背景(本当に求められている挙動はなにか)

などがポイントでしょうか。

ただし、最近ではコンサルファームでも、企業買収により経営に乗り出す、新規事業を始めるケースもよく見られるようになっており、手を挙げればそのチャンスを得られる機会が増えています。

転職すると社内の信頼貯金はゼロからの積み上げとなります。また、ファームと事業会社では

  • 「自分のビジネスとして捉えられるか」
  • 「正しい正しくないではなく、清濁併せ呑む覚悟」
  • 「野球に例えると、コンサルファームではヒット量産型の思考が求められるが、事業会社でビジネスを当てるために、ホームランを打つ思考が求められている」

など、思考法が大きく異なるという声も多くいただきます。自分の求めているものは、本当に事業会社でないと得られないのか?は慎重にご判断ください。

また、「ワークライフバランスを改善したい」という理由を仰る方もいらっしゃいます。現在はファームでも「働き方改革」が推進され、プロジェクトによって忙しくなる時期などはありますが、Big4や大手日系ファームでは平均残業時間が30時間以内に収まるケースも増えています。事業会社の終身雇用なども崩れてきており、平均するとワークライフバランスもあまり差がなくなってきているのが現状です。

(参考)
ポストコンサル企業選びの見過ごしがちな3つのポイント
https://www.axc.ne.jp/media/change-jobs-knowhow/postcon3

コンサルタントの転職先と失敗しないための3つのポイント
https://www.axc.ne.jp/column/axis-column/2018/0220/postcous.html

「”当事者”として関わりたい」ポストコンサル転職時・入社後の注意点
https://www.axc.ne.jp/media/change-jobs-knowhow/senseownership

「ファームtoファーム転職」で解決できる問題、できない問題
https://www.axc.ne.jp/media/change-jobs-knowhow/ftofresolution

コンサルと事業会社の思考法の違いと「逆説のスタートアップ思考」
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/Startupthinkingofparadox

コンサルファームから事業会社に行ったらワークライフバランスは改善されるのか?【企業フェース別イメージつき】
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/worklifebalancefirmexit

「経営企画」の採用動向・転職年収事例・入社前後での留意点

経営企画はコンサルのケイパビリティが生かせる職種の一つとして、ポストコンサルでも最も人気のあるポジションです。

最近では、事業会社側にコンサル出身のメンバーも増えていることもあり、今までのような経営戦略策定といった川上だけでなく、実際に顧客に向き合った・社員と協力して結果を出したといった実行力を重視される傾向が強くなってきています。

ベンチャー~大企業まで、各企業でメンバークラス~部長クラスでの募集があり、年収レンジとしてもコンサルファームと同等のケースが多いようです。

【転職年収事例】

  • 31歳男性 戦略系ファーム(コンサルタント) 年収1,000万円 → IT系ベンチャー 年収800万円(メンバークラス)
  • 33歳男性 戦略ファーム(マネージャー) 年収1,500万円⇒メガベンチャー 年収1,750万円(部長候補)

経営企画に入社した元コンサルの方からお聞きする失敗実話としては、

  • 現場での情報収集を怠り、数字主導の実現不可能な計画をつくってしまう
  • コンサルの考え方を普通だと思い込み、周りがついてこなくなる
  • 自分では何も実行せず、「元コンサル」のレッテルを貼られてしまう

などが挙げられます。

事業会社では様々な職種、バックグラウンドの方がいるため、「正しいから・合理的であるから」という一点の理由ですべての人が動くケースは稀のようです。まずは、現場との関係性を築き信頼を得ることが肝要でしょうか。

(参考)
【実話】経営企画に転職した元戦略コンサルにありがちな失敗とその対策
https://www.axc.ne.jp/media/change-jobs-knowhow/stconsulk

なぜベンチャーの経営層にはコンサル出身者がいることが多いのか?
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/venturefromfirm

【キャリアインタビュー】最年少シニアマネージャーから事業会社の経営企画へ。「テクノロジーが戦略を定義する」新しい時代において求められるビジネススキル・マインドとは。
https://www.axc.ne.jp/column/career-change-case/optimintv

「社内コンサル」の採用動向・転職年収事例・入社前後での留意点

「社内コンサル」もコンサルでの経験が活かしやすいため、経営企画同様に人気のポジションですが、一言で「社内コンサル」と言えども、その形態によって様々なキャリアパスが考えられます。

部署を横断して課題解決を行う『タスクフォース(横串の組織)型』の場合、組織がしっかりと機能しているほど社内コンサルとしてのキャリアを築きやすいものの、一方で「事業部サイドにシフトしにくい」といったデメリットがあります。

逆に、『事業部付け(部署付け)型』の場合は、プロダクトや領域が限られるため全社的なプロジェクトといったコンサル色は薄くなるものの、コンサル的なPJ終了後は部署の他職種へキャリアチェンジしやすいなど、職種を変えるといったキャリアにとってはメリットになるケースが多いようです。

最近ではファームの案件と同様に、デジタルトランスフォーメーション戦略策定・推進関連が多くなっており、IT推進やシステム統括、DX推進室などと言った名称の求人も増えてきています。

具体的な業務内容としては、

  • 子会社を含めた業務オペレーションモデルの改善
  • AI・IoT等デジタルトランスフォーメーション戦略策定・推進

などでしょうか。

【年収事例】

  • 27歳女性 日系コンサルティングファーム(ITコンサルタント) 年収600万円→ 大手ベンチャー 社内IT推進部門 年収650万円
  • 33歳男性 外資系総合ファーム(マネージャー) 年収1,050万円 → 大手メーカー 社内システム統括部門 年収900万円

事業会社が「社内コンサル」ポジションを設ける意図としては、発注先のコンサルの対価が適当かを確かめるなどの狙いもあるようです。上記の設置背景や立てつけに関してはHPなどでは分からないケースも多く、事前に知人やエージェントを通しての情報収集をおすすめいたします。

(参考)
シニアコンサルタントが事業会社でステップアップしたいなら「社内コンサル」がおすすめの理由
https://www.axc.ne.jp/media/column-career-change-case/scstep

「一旦、社内コンサルになる」に潜む落とし穴
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/inhouseconsul

「M&Aポジション」の採用動向・転職年収事例・入社前後での留意点

近年、投資・M&A機能を保有する事業会社が増えています。それに伴いM&Aの分野で結果を残された方の採用ニーズが高まっています。中でも「特に統合後のPMIで社内にリソースや経験者が足りない」という声を多くいただきます。

ご存知の通りM&Aには、戦略策定からPMIまで様々なフェーズがあり、転職の際には応募ポジションがどのフェーズを担当するのか、そしてどのようなスキルを求めているのかを理解することが大切です。

  • M&Aは手段で、戦略策定がメインの場合
    →戦略コンサルティングファームでの戦略策定経験がそのまま活きる
  • M&Aの前半工程を重視する場合 (Pre Deal、Deal実行)
    →M&Aアドバイザリー/コンサルティング、FASでの財務モデリング、企業価値算出経験
  • 買収後のPMIを重視する場合 (Post Deal)
    →PMI関連業務経験、業務改革経験(特に、財務、経理、法務、人事制度、ITの分野に強みがあると有利に働くようです。)

また、大手ベンチャーなどでも「30歳までであればポテンシャル採用として、M&A経験の無い方でも検討可」という事例もございます。

【年収事例】

  • 30歳男性 Big4系のFAS(コンサルタントクラス) 年収800万円 → 大手ベンチャー企業のM&A部門(M&Aの企画立案、業界調査) 年収900万円

また、

  • 絵を描いたような提案にならないよう「当事者意識を持つ」
  • PMIでは「ロジック」ではなく「心で人を動かす」スキルが求められる

などを理解しておくと、入社後もすぐに活躍できる傾向があるようです。

(参考)
コンサルから事業会社のM&Aポジションを目指す際に求められるスキル・経験と注意点
https://www.axc.ne.jp/column/media/change-jobs-knowhow/ftcmap

「投資ファンド・VC」の採用動向・転職年収事例・入社前後での留意点

コンサルから投資ファンドへの転職も志望する方が多いですが、最も難易度の高い転職の一つです。

投資ファンドの転職では、具体的に「財務モデルが組めるか」「クライアントの経営者と対峙(伴走)できるか?」が採用時の判断基準となります。また、ファンドの投資ポジションを目指す場合は、FASやM&A部門のディールアドバイザリーなどファイナンスの中でも親和性の高いポジションを経由することが求められます。実際、ファームからの転職の場合、マネージャークラスもしくはそれ以上の方が対象となるケースがほとんどです。

【年収事例】

  • 36歳男性 外資系ファーム(BPRコンサル シニアマネージャー) 年収1,600万円 → 年収1,500万円(+キャリー)

一方で、FASやM&A、戦略以外のコンサル経験が活かせるポジションとしては、投資先の事業・業務の改善をするバリューアップ担当があります。業務改革や営業推進にハンズオンで関わり、実績を残してきたスキルがそのまま活かせます。

また、ファンド以外にも商社やファームでも投資機能を持つケースが増えています。商社では、企業投資により収益を得ていくモデルへと変化しているため投資先バリューアップ担当のポジションが増え始め、また、自らクライアントとなる企業に投資して常駐・出向し、事業再生やバリューアップを現場レベルで支援する「ハンズオン型」のコンサルティングファームもよく見られるようになりました。

現時点でスキルや経験が足りない場合には、まずは上記のポジションで経験を積むというのも選択肢の一つでしょうか。

(参考)
<ポストコンサルとしての投資ファンド・PE>の実情
https://www.axc.ne.jp/column/axis-column/postconsul/career.html

コンサルから投資ファンドの転職で求められるスキルとは?
https://www.axc.ne.jp/media/column-career-change-case/investmentfund

コンサルタントがファンドで活躍するために重要なこととは?
https://www.axc.ne.jp/media/column-career-change-case/fund-career

コンサルファーム・ファンド等「ベンチャー支援ポジション」の特徴・転職年収事例・キャリアパス
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/vsupport

「アーリーベンチャー・スタートアップ」の採用動向・入社前後での留意点

「将来の起業のための経験値を貯めたい」「すぐに経営層として事業ないし会社をドライブしたい」という理由から、スタートアップ企業に興味を持たれる方も増えています。

経営陣との距離が近い、会社の成長に初期フェーズから関われるといった点が魅力でしょうか、ただし、変化が激しいのがスタートアップ企業の特徴です。ビジネスを軌道に乗せるフェーズのため、プロダクトも事業モデルも、経営層もビジョンも「すべてが変わり得る」可能性も秘めており、最もミスマッチが起こりやすい転職の一つです。

そのため、「すべてが変わり得る」ため、「自分の機嫌は自分でとる」ことが求められるでしょうか。最近では、ファームに在籍しながら、夜や週末に副業的に知り合いのベンチャーを支援し、業務委託契約によるお見合い期間を経て機が熟したタイミングでジョインするという方も増えてきたました。

(参考)
「すべてが変わり得る」スタートアップ・ベンチャーへの転職時に、心の寄りどころにすべきものはあるのか?
https://www.axc.ne.jp/media/change-jobs-knowhow/startupmind

ベンチャーに飛び込む前に「業務委託」で「試用期間」を作りリスクヘッジするという手法について
https://www.axc.ne.jp/media/change-jobs-knowhow/outsourcing

「CxO」の採用動向・入社前後での留意点

CxOとしてのジョインはポストコンサル転職としては理想形の一つでしょうか。ただし、コンサルから直接CxOというパスは稀です。

まず、CEOへの転職ケースは極めて少ないと言えます。

ベンチャーキャピタル(VC)やプライベート・エクイティ(PE)からも経営経験者を紹介して欲しいという声はあり需要はあるものの、採用されるのは類似業態・類似規模の企業でのCEO実績がある方がほとんどです。一度、事業会社に転職し、事業責任者やナンバー2にとして結果を残し、そのままCEOに登りつめるケースが王道でしょうか。

ただし、

  • 前任の社長が優秀であり、対話力の高いコンサルを入れて、すぐにキャッチアップさせ、半年ぐらいで引き継がせたい
  • 業績が悪く、形振り構わず新規事業を立案して実行させたい

といったケースで、戦略策定経験のある方が、求められるケースもあるようです。

また、CFOは、M&A部門やFASなどファイナンス経験を持つコンサルタントの方が多く興味を持たれるポジションでしょうか。

一般的にCFOとして求められるスキルには、

  • 資金調達のための上場の経理や財務に関する知識
  • 経営判断を瞬時に行うCEO的視点
  • 株主から社員まで幅広く会社の方針や理念を説明する高いコミュニケーション能力

などが挙げられますが、特に現在はベンチャー企業でのCFO求人が多く、その場合は上記に加えて、株主や金融機関との折衝といった関係構築スキルなど能動的に資金を集める攻めのファイナンススキルが必要とされます。実際のところ、この能動的に資金を集めるスキルや経験が足りなく、見送られるケースが多いのが実情です。

そのため、ベンチャーCFOを目指す場合は、監査法人のIPOアドバイザリーやVC・PEの上場準備サポート、事業会社の経営企画で上場に関わるなどの経験を積んでからステップアップするという過程が必要でしょうか。

【年収事例】

  • 33歳男性 監査法人アドバイザリー(IPO支援室) 年収900万円 → 大手IT系ベンチャー CFO補佐 年収900万円
  • 30歳男性 日系戦略ファーム(投資先の新規事業立案、実行) 年収1,000万円 → 大手IT系ベンチャー 新規事業開発(COO補佐) 年収1,050万円

また、ベンチャーでは、「いきなり役員」を募集するケースがありますが、「いきなり役員」を採用することは会社にとってリスクが高いだけでなく、社内外からの期待値が高くなるため、短期的にバリューを出してアピールする必要があるなど、個人にとってもリスクの高い挑戦となるります。

すでにCxOとして実績を残した経験がある、すぐに売り上げに直結する人脈を持っているといったケースに当てはまらない場合は、時間はかかってもまずは役職なしで入社して実力で昇格する、副業的に事前に事業に関わり、成果を出しておくなど、あらかじめ実績や信頼を積んでおくことをおすすめいたします。

(参考)
コンサルティングファームから事業会社CEOポジションというキャリアの歩き方
https://www.axc.ne.jp/column/media/careertips/ftcceo

コンサルからベンチャーCFOへ。よくある見送り理由とその対策
https://www.axc.ne.jp/column/media/change-jobs-knowhow/ctcfo

「いきなり役員」でアーリーベンチャーに入社する際の注意点
https://www.axc.ne.jp/media/change-jobs-knowhow/startupv

「独立・フリーコンサル」という選択肢・キャリアパスも

「転職と同時にフリーランスも視野に入れている」というご相談をいただくケースも増えてきました。実は、シニアコンサル以上であれば、十分に独立の可能性があります。

実際にファームに在籍している状態からであれば、独立するためには早くても3か月前程度の準備期間が必要でしょうか。例えば、10月1日に独立を目指す場合、以下のようなスケジュールが推奨となります。

  • 7月:人脈の棚卸し、情報収集、エージェントに相談、キャリア設計
  • 8月:見込み顧客との顔合わせ、独立後の案件見込み立て
  • 9月:退職活動、有給消化、案件条件の確定
  • 10月1日:稼働開始

顧客候補としては、最初のきっかけは「今までの人脈から」というケースが多く、一番は過去に所属していた「コンサルファーム時代の同僚や顧客」が有力のようです。実は、独立後こそ、新しい案件情報を手に入れたり、スキル・ナレッジをバージョンアップするためにも、同じ立場で働く人たちのネットワークが後々重要になります。コンサルタントの場合には、アルムナイが最も重要な拠点となるでしょうか。

また、営業活動において最もセンシティブな「単価交渉」についてですが、初回で釣り上げすぎると相手の期待値を高めすぎてしまい、後々の自分の首を締めてしまうことになります。フリーランスの場合、契約更新時など交渉のタイミングも多いため、事前に「if-then」で単価アップの条件を握っておき、結果を出して契約交渉時に上げてもらう手順をおすすめしています。

(参考)
「ファーム在籍」から「フリーコンサルとしてのday01」を迎えるまでの具体的な推奨手順とタイムライン
https://www.axc.ne.jp/media/change-jobs-knowhow/freeday01

【月単価100万円~】フリーコンサルの「営業」活動の具体的な施策と注意点(リード獲得~案件化~値上げ交渉まで)
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/freeconsultantsaleshowto

コンサルが何気なくやっている「プロジェクトマネジメント」がフリーランスのmustスキルであるという話
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/freeconsulskillpm

フリーコンサルにおける「アルムナイの活用」と「ネットワーキング」について
https://www.axc.ne.jp/media/careertips/alumninetworking

(ご参考)ポストコンサルのキャリア事例インタビュー

最後に、ポストコンサルのキャリア事例およびインタビューをご紹介します。

戦略コンサルから「年収約4割減」で他業界へ。その決断の背景に迫る
https://www.axc.ne.jp/column/career-change-case/consultant-next-career/06.html

コンサルから事業会社に転職して、1年半経って初めて見えてきたこと
https://www.axc.ne.jp/column/consultant-next-career/10.html

商社から外資系ファームへ転職後、メガバンクへ。元コンサルだからこそ「無双状態になれた」その真意に迫る。
https://www.axc.ne.jp/media/career-change-case/intvfirmtomegabank

最年少シニアマネージャーから事業会社の経営企画へ。「テクノロジーが戦略を定義する」新しい時代において求められるビジネススキル・マインドとは。
https://www.axc.ne.jp/column/career-change-case/optimintv

大手日系ファームの執行役員プリンシパルから独立、ベンチャーファームを設立へ。独立に至った心境の変化や、起業準備の裏側に迫る。
https://www.axc.ne.jp/media/career-change-case/executivetoestablish

社長室→コンサル→独立の異色キャリアを歩む中田さんが意識する「20代はマインド×スキル×ナレッジ、30代は◯◯」
https://www.axc.ne.jp/column/career-change-case/consultant-next-career/01.html

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今回の記事では、【ポストコンサル転職AtoZ】タイミング(年齢/役職)・業界別の年収キャリア事例・入社前後の留意点・独立(フリーコンサル)についてご紹介しました。

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